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夫「安物買いの銭失いじゃん」期間限定セール終了前、“15万円分の床材”を即決→30代夫婦を襲った誤算

  • 2026.11.4
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

中古住宅を購入し、DIYやリフォームで自分好みの住まいに仕上げたいと考える方は多いでしょう。SNSの施工例を見ながら、使いたい材料を探すのも楽しみの一つです。

そんなとき、気になる商品が「期間限定セール」になっていれば、今のうちに買っておきたくなるかもしれません。出費が重なる時期なら、少しでも安くそろえたいものです。

しかし、マンションでは、管理規約などによって使える材料が制限される場合があります。

今日は、業者の確認を待たずに15万円分の床材を購入した30代のAさんが、工事申請で思いがけない問題に直面したお話をご紹介します。

中古マンションを購入し、床を好みの色に替える計画

これは、知り合いのリフォーム会社から聞いた話です。

30代のAさん夫婦は、中古マンションの購入に合わせて、リビングと廊下の床を張り替える計画を立てていました。

「床が明るくなったら、部屋の雰囲気も変わりそう」

妻とそんな話をしながら、Aさんはインターネットで床材を探し始めます。気に入ったのは、自然な木目で、手持ちの家具にも合いそうな商品でした。施工会社との打ち合わせで、自分で購入した床材を使えないか相談すると、担当者からは次のように説明されたそうです。

「マンションでは、下の階に音が伝わるのを抑えるため、管理規約などで床に必要な遮音性能が定められていることがあります。まずは規約を確認し、使えるものを一緒に選びましょう」

Aさんも、このときは「分かりました」と答えていました。

セールが終わってしまう…確認前に15万円分を注文

施工会社の確認を待っていたところ、Aさんが目をつけていた床材が、期間限定のセールになりました。必要な数量を購入すると、代金は15万円。通常より安く買えると分かり、Aさんは「セールが終わる前に注文しておきたい」と考えるようになります。

妻は、施工会社の説明を思い出し、声をかけました。

「業者さんの確認を待たなくて大丈夫?」

「でも、待っていたらセールが終わっちゃうよ。この床材が使えれば、材料代を抑えられるし」

Aさんも、まだ確認が済んでいないことは分かっていました。それでも、「きっと大丈夫だろう」と考え、注文してしまったのです。

商品は返品不可。その条件にも目を通していましたが、購入した床材を使えなくなる可能性までは、深く考えていませんでした。

工事申請で判明した「この資料では承認を得られません」

床材が届いた後、施工会社は、管理組合への工事申請に向けて製品の仕様を確認しました。ところが、このマンションの管理規約で求められる遮音性能を満たすかどうか、手元の資料では確認できませんでした。

担当者から連絡を受けたAさんは、販売店へ問い合わせます。しかし、申請に必要な資料はそろわず、管理組合から使用の承認を得られませんでした。

「もう届いているんです。それでも使えないんですか?」

戸惑うAさんに、担当者は説明しました。

「すでに購入されていても、規約の条件を満たすと確認できなければ、この床材で工事を進めることはできません」

床材の遮音性能が低いと判明したわけではありません。ただ、今回の施工方法で使用した場合に、必要な性能を満たすと確認できる資料がなく、承認を得られなかったのです。

返品できず、“安物買いの銭失い”という結果に

Aさんは販売店に返品を相談しましたが、注文時に示されていた条件どおり、応じてもらえませんでした。

施工会社とも別の場所で使えないか相談したものの、今回のリフォームで活用する方法は見つからず、条件に合う床材を改めて購入することに。新しい床材の手配に伴い、工事日程も組み直す必要がありました。

節約するつもりが、先に支払った15万円は余計な出費となり、使う予定のない床材だけが手元に残ったのです。

妻は、届いた箱を見ながら、ため息交じりに言いました。

「安くするために買ったのに、結局買い直しだね。これじゃ“安物買いの銭失い※”じゃん…」
※値段の安さにひかれて買ったものが役に立たず、かえって余計な出費につながること

Aさんも、返す言葉がありませんでした。床材が安かったこと自体が問題なのではなく、使えるかどうかの確認を待たずに注文したことが、今回の出費につながったのです。

床材は、規約の条件と使用の可否を確認してから購入する

マンションの床を張り替える際は、色や質感、価格だけでなく、管理規約や使用細則で定められた条件を確認しましょう。

国土交通省のマンション標準管理規約でも、フローリング工事は床の構造や施工方法、材料などによって影響が異なるため、専門的な確認が必要とされています。

商品ページの遮音性能の表示だけで判断せず、そのマンションの条件に合うかを施工会社と管理組合へ確認することが大切です。

また、マンションの売買では、床の張り替え工事に関する規約上の禁止や制限は、重要事項説明の対象です。不動産会社には、その内容を分かりやすく説明し、買主が希望するリフォームが可能かどうかの確認につなげることが求められます。

施工会社も、施主が材料を用意する場合は、「確認前に注文すると、使えず返品もできない可能性がある」と具体的に伝えることで、行き違いを防ぎやすくなります。

自分で材料を購入する際は、発注前に型番や仕様書を施工会社へ渡し、使用の可否や必要数量を相談してください。販売店の返品条件も確かめ、必要な承認を得てから注文しましょう。

セールで安く買えても、使えなければ節約にはなりません。値引きの期限に焦らず、まずは「今回の工事で使えるか」を確認することが、余計な出費を防ぐ第一歩です。

参考:マンション標準管理規約(単棟型)17条(国土交通省)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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