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妻「日が入ってこないね…」“日当たり抜群”新築購入も…30代夫婦が勝手に思い込み→隣の駐車場で起きた“異変”

  • 2026.9.24
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社に入社以降10年以上の現場経験があり、宅地建物取引士の資格を持つライターのT.Sです。家を選ぶとき、リビングの明るさや窓からの眺めに引かれる方は多いのではないでしょうか。

今回は、日当たりの良さに満足して一戸建てを購入したものの、思いがけない環境の変化に直面した事例を紹介します。

南側に建つ3階建てアパートと「基準の範囲内」という説明

Hさん(40歳・会社員)は妻と保育園に通う娘の3人で、3年前に新築一戸建てを買いました。南側は月極駐車場で、リビングの掃き出し窓から空が広く見えることが購入の後押しとなっています。晴れた日は午後遅くまで日が差し、洗濯物は窓の外に干していました。

しかし去年の春、駐車場が閉鎖されます。数日後、建物主の会社の担当者が訪れ、南側に3階建ての賃貸アパートを建てる計画について説明しました。

担当者は玄関先で図面を広げ、日影図(建物が落とす影の範囲を時刻ごとに示した図)を指し「冬至の日でも、H様との境界から5mの線で影になる時間は3時間以内に収まる設計です」と言いました。

Hさんがリビングはどのくらい暗くなるのか尋ねると「午後は影がかかる時間帯がありますが基準の範囲内です」と答えます。専門知識のなかったHさんは、何時から何時までかは聞かずに引き下がってしまい、午後の一部が陰る程度だろうと受け止めていました。

連休明けに基礎工事が始まり、夏に壁が3階まで立ち上がると空は日ごとに狭まります。足場が外れた8月の終わりには、掃き出し窓の正面に自宅の屋根より高い3階建てが建っていました。

秋の午後に消えた日差しと市役所の窓口で知った現実

去年の秋の連休、娘とリビングで遊んでいた妻が窓を見て「今日、リビングに日が入ってこないね」と言いました。窓の外を見ると、午後2時を過ぎたばかりなのにアパートの影が床の奥まで届いています。

秋分を過ぎると影が入る時刻は早まり、冬は昼過ぎから日が差さなくなりました。昼から照明をつけて乾燥機に頼るようになり、電気代は前の年の冬より月に2,000円ほど増えます。

冬も影は消えず、Hさんは市役所の建築相談窓口へ向かいました。説明で基準内と聞いたものの、ここまで暗いのは基準どおりなのかと尋ねます。

担当者は「あのアパートは、建てる前の確認で日影の時間が基準に収まっていることを確かめています。基準を満たしている建物について、市から建て方を変えさせることはできないんです」と答えました。

Hさんが「日照権というのは、ないんでしょうか」と聞くと「日照権という言葉はありますが、法律に書かれた権利ではありません。裁判で、影の被害が我慢の限度を超えていると認められた例はあります。ただ、規制の範囲に収まっている建物では難しいと思います」と続けます。

Hさんは照明を昼白色に替え、ソファを奥へ動かして使い方を変えます。片付けを終えた夜、妻に「向こうは何も悪くないんだよね。隣がずっと駐車場のままだと、勝手に思い込んでいただけで」と言いました。この冬も、Hさんの家では昼から照明をつけて暮らしています。

南側が駐車場なら将来の建築を見越して確認する

月極駐車場は、いつでも用途を変更して建物を建てられる土地です。南側が駐車場や空き地なら、いつか建物が建つ前提で考えましょう。役所で用途地域と日影規制を調べると、隣に何階まで建てられるかの目安が分かります。

日影図を見せられたら、自宅の位置を指して「冬至の日に、うちのリビングは何時から何時まで影になりますか」と尋ねましょう。配置を南側に寄せる、幅を狭くするなど、影を減らす工夫を求める話し合いは可能です。

建築主への申し入れは自分で直接できるため、図面を見ながら説明を受ける場で聞くのがいちばん早い方法です。

参考:建築紛争になりやすい事例の一般的な考え方(広島市)



ライター:T.S(宅地建物取引士・2級ファイナンシャルプランニング技能士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで、数多くの現場経験を積む。現在は不動産ライターとして「業界の不都合な真実」や、消費者が陥りやすいマネーの罠について、実体験に基づく記事を執筆している。


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