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妻が帰宅するたび「やっぱり違う…」中古タワマンを購入後、リフォーム業者が30代夫婦に告げた“想定外の事実”

  • 2026.11.3
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

中古住宅を探していると、「内装を変えれば、好みの住まいになりそう」と感じることはないでしょうか。壁紙や床を選びながら、新しい暮らしを想像する時間は楽しいものです。

ただし、マンションには、自分の住戸に付いていても、自由に交換できないものがあります。

今日は、全面リフォームを前提に中古タワーマンションを購入した30代夫婦が、玄関ドアをめぐる制限を知り、住まい選びをやり直すことになったエピソードをご紹介します。

「玄関も明るくしたい」リフォームを前提に購入

30代のAさん夫婦が選んだのは、築年数の経過した中古タワーマンションでした。間取りや眺望は気に入ったものの、室内の設備や建具には古さが感じられます。それでも、購入後に内装を全面リフォームすれば、好みの住まいにできると考えていました。

妻が希望していたのは、明るい色で統一した住まいです。内見の際には、床や壁に加え、濃い色の玄関ドアも気になっていました。目立った故障はないものの、その色やデザインが、思い描く雰囲気に合わなかったのです。

「床も壁も明るくしたいね」

「そうだね。せっかくなら、玄関も室内に合うものにしよう」

夫婦は、玄関ドアも室内の建具と同じように交換できると思っていました。交換できるかどうかを具体的に確認することなく、リフォームを前提に購入を決めたのです。

打ち合わせで告げられた「そのドアは交換できません」

購入後、リフォーム業者との打ち合わせが始まりました。床材や壁紙に続いて、希望する玄関ドアのデザインを伝えると、担当者は「まず、管理規約を確認します」と答えました。

その後、担当者から告げられたのは、夫婦が予想していなかった内容でした。

「確認したところ、玄関ドアの本体は共用部分に当たります。このマンションでは、ご希望のドアへの個別交換は認められていません」

共用部分とは、廊下やエレベーターなど、マンションの所有者で共有する部分のことです。Aさん夫婦は、自分たちの住戸の玄関ドアも、そこに含まれるとは思っていませんでした。

「自分の家の入口なのに、自由に変えられないのですか?」

妻が驚いて尋ねると、担当者は、玄関ドアは各住戸で使うものであっても、室内の建具と同じように交換できるわけではないと説明しました。

玄関から室内まで、好みの雰囲気にそろえるつもりだった夫婦。購入後になって、その計画を見直すことになったのです。

内側は塗装できても、廊下側は変えられない

夫婦は、管理会社を通じて改修できる範囲と必要な手続きを確認し、認められた範囲でドアの内側を塗装することにしました。

これなら室内の色合いには合わせられます。ただし、共用廊下側の色やデザインは、そのままです。

「内側をきれいにしても、帰ってきたときに見えるのは、今のドアなんだね…」

妻は、残念そうに話しました。Aさんも気になっていたものの、交換が認められない以上、どうすることもできません。

「室内がきれいになれば、気にならなくなるかもしれないよ」

夫婦はそう話し合い、予定していたリフォームを進めました。床や壁は明るくなり、室内は希望に近い仕上がりに。それでも、玄関ドアの外側を変えられなかったことには、心残りがありました。

帰宅するたびに気になり、短期間で住み替えへ

入居後、妻は帰宅するたびに、古い玄関ドアが目に入るようになりました。ドアを開けた先の室内が気に入っているからこそ、入口との違いが気になったといいます。

「やっぱり、最初に思っていた家とは違う。買う前に分かっていたら、考え直したと思う」

Aさんも、購入とリフォームに費用をかけたばかりで、すぐに住み替えることには迷いがありました。

それでも話し合いを重ね、夫婦は短期間で再び住み替えることを決めます。

購入時に支払った諸費用やリフォーム費用に加え、売却の仲介手数料、次の住まいの取得費用、引越し代なども必要になります。かけたリフォーム費用を、そのまま売却価格に上乗せできる保証もありません。

玄関ドアを交換できると思っていたことが、住まいを選び直す手間と、新たな出費につながってしまいました。

玄関ドアは「自分だけが使う部分」でも自由に交換できるとは限らない

国土交通省の「マンション標準管理規約」では、玄関扉のうち、錠と内部塗装部分を専有部分(各所有者が個別に所有する部分)としています。一方、扉本体は共用部分として扱われるため、所有者の判断だけで好きなドアへ交換することはできません。窓枠や窓ガラスも、専有部分には含まれません。

参照:国土交通省|マンション標準管理規約(単棟型)第7条

ただし、標準管理規約は、各マンションが管理規約を作る際のひな型です。実際にできる工事や必要な承認手続きは、そのマンションの管理規約や使用細則などで確認する必要があります。

共用部分でも、防犯性や断熱性の向上などを目的とする工事は、所定の手続きを経て個別に実施できる場合があります。ただし、好みの色やデザインへの変更まで認められるとは限りません。

内側の塗装や錠の交換も、専有部分だから自由に工事できると思い込まず、事前に管理会社などへ確認しましょう。

購入前に、変えたい場所を具体的に伝える

リフォームを前提にマンションを購入するなら、希望する工事ができるかを契約前に確認しましょう。「全面リフォームしたい」だけでなく、「玄関ドアをこのデザインに替えたい」「窓を交換したい」など、具体的に伝えることが大切です。

不動産会社にも、買主の希望を踏まえた確認と説明が求められます。マンションの売買では、共用部分に関する規約の定めや、専有部分の利用制限などが重要事項説明の対象です。

希望する工事の可否まで、すべて一律に口頭で説明する義務があるとは限りません。それでも、リフォームを前提とした購入だと分かっているなら、希望する工事に制限がないかを確認し、契約前に伝えてほしいところです。施工会社にも管理規約や承認条件を確認してもらい、実現できる範囲を明らかにしておきましょう。

変えられない場所があれば、そのままでも納得して暮らせるかを考える必要があります。「買ってから直せばいい」と決める前に、希望する住まいにできるかを確かめましょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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