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保護者「うちの子、学校で“おじさん”って言われてるみたいなんです」→からかいの“きっかけ”になってしまった出来事とは…

  • 2026.9.16
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元小学校教諭のみずいろ文具です。

1年生を担任していたときのことです。

秋の学習発表会に向けて、学年全体で劇の練習を進めていました。

劇にはさまざまな役があり、その中に「○○のおじさん」という役がありました。

希望者が多かったため、簡単なオーディションを行い、最も上手に演じていたAさんがその役に決まりました。

ところが、その役名が思わぬ形でAさんを苦しめることになったのです。

「おじさん~、おじさん~」

ある日、Aさんの保護者から相談がありました。

「最近、うちの子が学校で『おじさん、おじさん』ってからかわれているみたいなんです」

詳しく聞くと、休み時間や放課後に一部の子どもたちがAさんの劇の役名を使って、

「おじさん~!」

「Aはおじさんだから!」

などと、面白がって呼ぶようになっているとのことでした。

ちょっとした冗談のつもりだったのかもしれませんし、人気の役に選ばれたAさんへの嫉妬もあったのかもしれません。

けれど、Aさんは傷ついていました。

私は、このまま放っておいてはいけないと感じ、学年主任に相談しました。

翌日、学年集会で話をすることに

学年集会を開きました。

そして子どもたちに、

「Aさんのことを、劇の役名を使って『おじさん』とからかっている人がいると聞きました。みんなはどう思いますか」

と問いかけました。

教室とは違う少し緊張した空気の中、子どもたちは黙ってこちらを見ていました。

「Aさんは、みんなの劇を成功させようと、毎日一生懸命練習しています」

「頑張っている役の名前を使って、その人をからかうのはおかしいと先生は思います」

そして、

「このまま誰かが嫌な思いをしたままでは、みんなで劇を成功させることはできないと思います」

と伝えました。

1年生ですが、子どもたちは最後まで真剣に話を聞いていました。

自分から「ごめんね」

私の話が終わったあと、Aさんをからかっていた子どもたちが、自分からAさんのところへ行きました。

そして、

「おじさんって言って、ごめんね」

と謝ったのです。

Aさんは「ううん、大丈夫。ありがとう」とホッとしたような表情で答えていました。

その姿を見て私も胸をなでおろしました。

最後に学年主任の先生が、

「みんなで力を合わせていい劇にしようね」

という話をして、集会は終わりました。

そして迎えた本番。

子どもたちは、それぞれの役を一生懸命演じ、劇は無事に終わりました。

もちろんAさんも、「○○のおじさん」を最後まで堂々と演じ切っていました。

小さなからかいのうちに

子ども同士のからかいは、言っている側にとっては「ふざけているだけ」「面白いから」という感覚のこともあります。

でも、受け取る側が傷ついているなら、そのままにしてよいわけではありません。

だからこそ、本人のサインを周囲の大人が見逃さず、問題が小さなうちに対応することが大切なのだと感じました。

どんな役であろうと、それぞれが自分の役割に誇りを持って取り組めること

そんな雰囲気をつくることも、学級や学年を育てていくうえで大切なことなのだと思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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