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女性客「普通の食事を食べろということ!?」予約していないのに“特別な機内食”を希望され困惑…→直後、起きた“奇跡”とは

  • 2026.9.14
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

空の上の楽しみの一つである機内食には、宗教や健康上の理由、アレルギーなど、多種多様なニーズに合わせた特別食が用意されていることをご存じでしょうか。

しかし、それらはお客様の事前のリクエストにより提供できるもので、機内ではオーダーできないことが一般的です。

そのため、追加の調達ができない機内で「事前予約のないリクエスト」をいただいた時、CAは非常に難しい局面に立たされることになります。

今回は、そんなお食事をめぐるピンチと、そこに偶然が重なった意外な結末についてお話しします。

「何も食べるなと言うの?」突然の申告に戸惑うCA

それは、シルバーウィークに台湾へ向かう、満席の機内での出来事でした。

飛行機に乗り慣れていないお客様が多いなか、お食事サービスが始まると、エコノミークラスの女性・A様が「ヴィーガン用の対応食を出してもらえますか?」と、CAに申し出たのです。

急いでリストを確認したものの、特別食の予約欄にA様のお名前はなく、予備の対応食もありません。

ご予約がないためご用意できない旨をお詫びしたものの、「普通の食事を食べろと言うこと?それとも何も食べるなと言うの?」と、A様は激昂されてしまいました。

八方塞がりの状況に、私たちCAの間には緊迫感が漂い始めました。

予備ゼロの機内に訪れた、予想外の申し出

ちょうどその頃、キッチンでは、特別食を予約されていたお客様へ提供する準備が進められていました。

その便で同じヴィーガン用のお食事を予約されていたのは、お二人。

そのうちのお一人、B様のもとへお食事をお持ちした時です。

「やっぱり通常の機内食にしてもらえますか?」

B様の口から、思いもよらない言葉が飛び出したのです。

私たちにとっては「朗報」とも言えるお申し出でしたが、特別食を予約されている以上は「本当に通常の食事を口にして問題がないか」を慎重に確認する必要がありました。

すると、B様は気まずそうにこう打ち明けたのです。

「実は、通常の機内食には飽きてしまい、時々特別食を頼んでいるんです。今回もそのつもりで……すみません」

私たちはほっと胸を撫で下ろしました。

そしてこの予期せぬ事情により、浮いた一食分をA様へお出しできるという「思わぬ偶然」が生まれたのです。

幸い、衛生・安全基準を満たす状態でありチーフパーサーの許可も下りたため、その機内食はA様のもとに運ばれることになりました。

特別食には予約が必要だということ

特別食を手に、すぐさまA様のもとへ向かうと、A様は先ほどまでの表情が一変し、ほっとされたご様子で受け取ってくださいました。

そして、今回はたまたま他のお客様のキャンセルという偶然でお出しできたものの、本来は事前の予約が必要であることも、丁寧にお伝えしました。

A様は「ありがとう。次は予約するわね」と笑顔で納得してくださり、張り詰めていた空気もふっと和らぎました。

限られた空間で起こった「偶然」

本来であれば、どちらのお申し出も機内での対応が難しいケースでした。

しかし、臆することなく「安全」を守り抜き、そこに「思わぬ偶然」が重なったことで、八方塞がりの状況を解決へと導くことができたのです。

限られた空間で「偶然」に助けられたこの出来事は、私にとって今でも忘れられないフライトとなっています。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけでない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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