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彼女を40分待たせた俺が、それでも既読をすぐつけない理由

  • 2026.8.26
ハウコレ

打ちかけた説明の文章を、送信の手前で消したことがありました。彼女に聞かれてようやく話したのは、付き合いたての頃の、俺の短い返信のことでした。

ポケットの中で鳴った通知を、俺は手のひらで押さえたまま、駅までの道を歩き続けました。

元の店の前で

俺は、届いたメッセージをすぐには開かないと決めていました。昼休みと、帰って机に着いてから。開くのはその2回だけで、彼女にもそのことは話していませんでした。

あの日も、着けば会えるのだから歩きながら読む必要はないと考えて、待ち合わせに決めていた元の店の前に立ちました。ガラス越しに店内を2度のぞきましたが、彼女の姿はありませんでした。いくら待っても来ないので、俺は画面を開きました。店が変わったという文面が、40分前に届いていました。

走って着いた先で、「ごめん、今見た」と何度も頭を下げる俺を、彼女は責めませんでした。それがかえって応えました。

送信の手前で消した説明

家に着いてから、机で長い謝罪の文章を打ちました。付き合いたての頃に移動中の片手で返した短い相づちと、その後の電話口で彼女が泣いたことを、順番に文章にしました。もう片手間には読まないと決めた日のことも書きました。

それでも、送信の手前で全部消しました。決め事を明かせば、あの相づちを蒸し返すことになりそうでした。呆れられて、距離を置かれるのが怖かったのです。結局、送ったのは謝罪だけでした。

下書きの続きを口にした日

次に会った日、俺の部屋で、彼女がまっすぐこちらを見ました。

「既読、いつも同じタイミングだよね」

落ち着いた声で、それでもごまかしのきかない聞き方でした。

「歩きながら、片手間に読みたくないんだ」

それだけでは足りない気がして、消した下書きの続きを口に出しました。あの日の短い相づちと、そのあとの電話のこと。

「前に一度、適当に返して泣かせたから」

彼女は少し間を置いてから、うなずきました。責められると思っていた分、その間が長く感じられました。忘れられていた出来事を、俺だけが引きずっていました。

そして...

今も、歩きながらトークを開くことはありません。返事の遅さは、これからも直らないと思います。

「急ぎのときは、電話するね」

彼女がそう言った日、俺は「助かる」とだけ返しました。あれから、急ぎの用件は着信の音で届きます。既読の遅い俺でも、彼女からの電話には、どこにいてもすぐ出ます。

(20代男性・会社員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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