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「5分待って」と返した俺がしていたのは、彼女向け返信文をAIに書かせる作業だった

  • 2026.5.10
ハウコレ

仕事の合間に届いた彼女からのメッセージ。「5分待って」と返した5分の間、俺はAIに頼んで彼女への返信を書かせていました。半年続けたその習慣を、ある夜、彼女に問い詰められたのです。

連絡が止まらない毎日

彼女は寂しがり屋でした。仕事中でも1時間ごとにメッセージが届きます。「今何してる?」「お昼食べた?」「返事まだ?」。既読をつけて返さないでいると、夜には涙声で電話がかかってくる。短文で返せば「冷たい」と言われる。

彼女のことは大事に思っていました。けれど、打ち合わせ中に長文を打つのは無理で、「了解」と返したら「了解だけ?」と返ってくる。返事のために、頭の半分をいつも空けておかないといけない。気づけば、彼女からのメッセージを開く瞬間に、肩に力が入るようになっていたのです。

半年前に頼ったもの

ある日、ふとAIに頼んでみました。「忙しくて返事が雑になる、優しい彼氏らしい返信を書いて」。そのままコピーして送りました。「今日もお疲れさま。無理しないでね。あなたのこと、ちゃんと考えてるよ」。

彼女からの返信はいつもより長く、嬉しそうでした。次の週、彼女が「最近すごく優しいね」と言ったとき、俺は「気のせいだよ」と笑うしかありませんでした。罪悪感はありました。けれど、楽でした。仕事に集中できる時間が、半年ぶりに戻ってきたのです。

「5分待って」と返したあの夜

打ち合わせの最中、彼女から「今いい?」と届きました。本当はすぐに「ごめん、後で」と返すべきでした。でも「5分待って」と打っていたのです。会議室を出てトイレに駆け込み、AIに彼女向けの返信を生成させて、コピーして送る。その時間が、5分です。

「もちろんだよ。今日も一日お疲れさま。何でも話してね。あなたが大事だから」。送信ボタンを押す指が、いつもより重く感じました。自分の言葉ではないと、自分が一番わかっていたからです。

そして…

週末、彼女が聞いてきました。「最近のメッセージ、本当にあなたが書いてる?」。隠し通せると思っていた自分が、急に幼く感じたのです。「……AIに書かせてる」と認めました。

「なんで?」と聞く彼女の声に、俺は本音で答えてしまいました。「お前のメッセージ、毎回ちゃんと返さないと怒るから」。そう言うと彼女の表情が変わるのが見えました。これは、彼女のせいにしてはいけない言葉だった。「ごめん」と頭を下げながら、何に謝っているのか、自分でもわからなくなっていました。AIに頼ることでしか、彼女と続けられなかった半年間を、どう償えばいいのかわかりません。

(20代男性・会社員)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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