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「バスが目の前を通り過ぎた!」激怒する乗客…ドライブレコーダーを確認して発覚した“乗客がいた場所”に「分かるわけがない!」

  • 2026.8.25
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。送迎バスの運行管理やバス運転士の経験を持つVenus☆トラベルです。

今回は、13年ほど前に病院の送迎バスに乗務していた時のお話を紹介します。

真夏のバス運行で、特に注意しておきたいのがバス停の通過です。もちろん、季節に関係なくバス運転士は、バス停ごとに乗客の確認を徹底していますが、夏の時期は特に日陰を求めてバス停から少し離れたところで待っている乗客もいるためです。

今回はそんな、バス停で待っていたという乗客からの問い合わせで、モヤっとした出来事をお話しします。

真夏の乗客が待っている場所

当時、近年ほどではありませんが、35℃に迫る猛暑が続いていました。そのため、日陰を求めて移動する乗客は少なくありませんでした。

路線バスと同様、送迎バスは終点なら必ず停車しますが、途中のバス停では乗降客がいなければ通過します。しかし、乗客の乗せ忘れは大きなクレームとなり、運転手としても重大なミスになります。

私自身、病院の送迎バスに専属で乗務しているわけではなく、普段は営業として顧客管理やクレーム・故障・事故対応をしていました。その日は、専属運転士の代わりに乗務しており、担当窓口である自分がクレームを発生させるわけにはいきません。

そのため、バス停ごとに徹底して乗客を確認していました。結果、運行ダイヤが乱れ、乗務初日はとても苦労したのを覚えています。

しかし、乗務2日目ともなれば、乗客が待ちそうな木陰もわかるようになります。バス停付近にできる日陰に視線を送って乗客の有無を確認しつつ、運行ダイヤにも気を配れるようになりました。

乗降扉を叩く音に驚き思わずクラクション

付近に人が見当たらないバス停を通過し、信号待ちをしていた時、乗降扉から「ドドドドンッ!」と大きな音が聞こえました。

私は突然の音に驚き、その拍子にクラクションを鳴らしてしまったほどです。

対向車に「すみません」とつぶやきながら会釈し、すぐに乗降扉へ視線を移しました。すると、60~70代ほどの男性が乗降扉を叩いていました。

走行車線で信号待ちをしており、歩道から近いとはいえ車道にいるのは危険なため、乗降扉を開けて「どうしました?!」と尋ねました。

すると、男性から「バスが目の前を通り過ぎていった!」と大声で怒鳴りつけられ、私は戸惑うばかり。

確かに歩行者も含め、バス停付近には誰一人いませんでした。それなのにバス停を通過したとはどういう意味なのか、まさか見落としてしまったのか?瞬時に理解できなかったのです。

「すみません。どこか木陰にいらっしゃったのでしょうか?バス停付近に姿が見えませんでしたので……。あ、信号が変わるので、一旦ご乗車ください。」

と謝罪と案内をしました。

男性は、運転席のすぐ後ろの座席に座り、「バス停は死角が多いはずだ!運転手が見落とすなんて危ない!」と更に怒りをあらわにしていました。

しかし、私が確認した時は、バス停付近に木陰はなく、確認を怠ったわけではありません。

病院に到着するまでの約10分間、不満を訴え続ける男性に対し、

「私に落ち度があったのなら、病院の担当者へすぐ報告いたしますので、少しお待ちください。」と私は淡々と伝えました。

トラブルが起きたとき、運転士まで感情的になってしまっては、更に状況が悪化するからです。

そんな場所、分かるわけがない!

当時は珍しく、ドライブレコーダーを搭載していました。病院の担当者に状況を伝えると、乗客とともに映像を確認することになりました。

不特定多数が乗車する送迎バスでは、乗降トラブルが多いため、この時は本当にありがたさを感じたものです。

しかし、映像では該当するバス停に人は確認できませんでした。やはり、私の見落としではなかったようです。では、男性はどこから来たのかと気になりました。

そこで、もう一度映像を確認すると、バス停の100mほど手前を歩いている姿が映っており、明らかに遅れてバス停へ向かっていることが発覚しました。もちろん、映像の時間を確認する限り、早発はしていません。

つまり男性は、自身がバス停へ到着する前にバスが通過していくのを目撃し、『自分の目の前を通過した』と主張していたのです。それに、バス停の100mも手前にいる歩行者を、乗客と認識することはできません。

3人の間で無言が続きましたが、病院側の担当者が「ご納得いただけたでしょうか。」と一言だけ口を開きました。すると、乗客は「すまなかった」と言って、病院からも出ていってしまったようでした。

思いがけないクレームで忍耐力が養われた

ドライブレコーダーが普及し、徐々にこうしたトラブルは減っていったものの、送迎バスでは、双方の「見え方」の違いから予期せぬトラブルが起こり得ます。乗客側の「バスが見えているから自分も認識されているはず」という心理や、猛暑の中少しでも日陰で待ちたくてバス停から離れてしまう気持ちも理解ができます。

間違いやミスがあれば、運転士もきちんと謝罪します。

しかし、身に覚えのない出来事であっても、感情的にならず、その場を安全に収めるための大人の対応が求められるケースが多々あるのも事実です。

私も今、日常で路線バスや送迎バスを利用する場面があります。暑い時期はバス停付近の木陰で待ち、バスを見つけたらすぐにバス停前へ移動するなどを心がけていただくとトラブルは避けられるかもしれません。


ライター:Venus☆トラベル

近畿地方でバスの運転に関わる仕事に携わって約12年、多くの送迎バスを運転しました。幼稚園や自治体、企業や施設など、それぞれの場所で学ぶことが多くありました。その反面、運転士視点で感じた心の声をリアルにお届けします。


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