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【精神科医が解説】「夏のめまい・頭痛」は自律神経の悲鳴?不調のサインと正しい対処法

  • 2026.8.24

外はうだるような暑さなのに、室内はクーラーでキンキンに冷えている。
さらに台風やゲリラ豪雨で気圧が乱高下し、夏休みの影響で生活リズムも崩れがち・・・。
この時期、わけもなく「めまい」や「頭痛」に悩まされていませんか?
実はこれらの症状は、単なる夏の疲れではなく、心と体を繋ぐ「自律神経の悲鳴」かもしれません。
今回は、精神科医であり「さくらひだまり訪問クリニック」院長の加藤久普医師が、この時期に起こりやすい心身の不調の原因と、受診の目安、自分でできる対処法についてわかりやすく解説します。


【この記事のポイント】
・夏のめまい・頭痛の主な原因は、エアコンの寒暖差や爆弾低気圧による「自律神経の過剰稼働」
・市販の鎮痛薬の飲みすぎは「薬物乱用頭痛」の危険性あり!気圧・寒暖差の不調には五苓散などの「漢方薬」も効果的
・背景に「隠れ貧血」や「うだるような不調(うつ病・適応障害のサイン)」が潜んでいる場合もあるため早期の受診が大切

なぜ夏は「めまい・頭痛」が増えるのか?寒暖差と爆弾低気圧が及ぼす自律神経への影響

最大の原因は「急激な環境の変化による自律神経の乱れ」です。
私たちの体は、交感神経(緊張モード)と副交感神経(リラックスモード)がバランスを取りながら体温や血圧を調整しています。
しかし、クーラーの効いた室内と猛暑の屋外を何度も行き来すると、体温調節のために自律神経が過剰に働き、疲弊してしまいます。
さらに、台風などの「爆弾低気圧」が近づくと、内耳(耳の奥)にある気圧センサーが過剰に反応し、脳にストレス情報が送られます。
これが自律神経のバグを引き起こし、めまいや緊張型頭痛、片頭痛を誘発するのです。

ストレスや女性ホルモンの変動が影響!20~50代女性に「夏の不調」が多い理由

めまいや頭痛には、メンタルの状態が大きく影響します。
ストレスや不安、気分の落ち込みが続くと、脳が痛みを感じやすくなり、身体的な症状(心身症)として頭痛やめまいが現れることが多々あります。
また、これらの症状は圧倒的に女性に多く見られます。20代後半〜50代の女性は、月経周期や更年期に伴う「女性ホルモン(エストロゲン)の変動」を毎月経験しています。
エストロゲンの変動は自律神経や、感情を安定させる脳内物質「セロトニン」の働きに直結するため、気圧や寒暖差のダメージを男性よりもはるかに受けやすいのです。

市販の鎮痛薬に頼りすぎていない?「薬物乱用頭痛」のリスクと効果的な漢方薬の活用法

頭痛が起きたとき、市販の鎮痛剤を飲むべきか悩む方は多いでしょう。
痛みを我慢しすぎるとかえってストレスになり症状が悪化するため、用法用量を守って服用するのは問題ありません。
ただし、「もともと片頭痛などの頭痛持ちの方」が頻繁に薬を飲む場合は要注意です。
鎮痛剤を飲みすぎると、脳が痛みを抑えるシステムがうまく働かなくなり、逆に痛みに過敏になってしまう「薬物乱用頭痛」を引き起こす可能性があります。
単一成分の鎮痛剤なら月に15日以上、カフェインなどが含まれた複合鎮痛薬(多くの市販薬が該当します)なら「月に10日以上」飲んでいる場合は、薬が原因で頭痛が連日続いているサインかもしれません。
一方、気圧や寒暖差による不調には「漢方薬」が非常に有効です。
精神科や心療内科でも、体内の水分バランスを整えてむくみやめまい、頭痛を和らげる「五苓散(ごれいさん)」や、冷えや貧血を伴う女性向けの「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などをよく処方します。
漢方は体質改善を促すため、予防的アプローチとしてもおすすめです。
かかりつけ医などにご相談ください。

夏バテ予防にも効果的!神経の働きを助ける3つの必須栄養素(鉄分・ビタミンB群・マグネシウム)

夏バテでそうめんや冷たい飲み物ばかり口にしていると、神経の働きを助ける栄養素が枯渇します。
特に意識していただきたいのは以下の3つです。
鉄分:
女性のめまい・頭痛の背景には「隠れ貧血(フェリチン不足)」が潜んでいることが非常に多いです。赤身肉、レバー、カツオなどを意識しましょう。
ビタミンB群:
疲労回復や神経の働きを正常に保ちます。豚肉やうなぎ、大豆製品に豊富です。
マグネシウム:
筋肉の緊張をほぐし、片頭痛の予防にも役立ちます。海藻類やナッツ類がおすすめです。

放置は禁物!うつ病や適応障害など「精神疾患」の可能性があるSOSサインとは

「たかが夏の疲れ」と放置してはいけません。
めまいや頭痛の裏には、うつ病や適応障害といった精神疾患のサインが隠れていることがあります。
「朝起き上がれない」「何を食べても美味しくない」「これまで楽しめていた趣味に全く興味が湧かない」といったメンタルの不調が伴う場合は、一人で抱え込まず、早めに心療内科や精神科を受診してください。

自律神経を整えるセルフケア|良質な睡眠とデジタルデトックスで心身を休めよう

自律神経を整える一番のセルフケアは「良質な睡眠」と「デジタルデトックス」です。
夜はシャワーで済まさず、ぬるめのお湯(38〜40℃)に浸かって深部体温を上げてください。
そして、寝る1時間前にはスマホを手放し、脳を休ませましょう。
気候の変化に体がついていかないのは、あなたが弱いからではありません。
過酷な環境の中で、体と心が一生懸命バランスをとろうと頑張っている証拠です。
無理をせず、自分のペースでこの季節を乗り切っていきましょう。

執筆者


加藤久晋先生
精神科医・さくらひだまり訪問クリニック院長

東京大学理学部を卒業後、名古屋大学医学部を経て医師となる。
羽島市民病院にて内科や救急救命科をはじめとする幅広い臨床経験を積んだのち、慶應義塾大学精神・神経科学教室に入局。同教室で助教を務め、精神医学の権威である樋口輝彦氏に師事する。
慶應義塾大学病院や都立松沢病院などの精神科で多数の臨床に携わった。
その後、複数のクリニックで精神科および内科の訪問診療に従事し、在宅医療の知見を深める。
その経験を生かし、東京都北区に「さくらひだまり訪問クリニック」を開院。
現在は東京23区を中心とするエリアで、心と身体の両面を総合的にサポートする、地域に根ざした訪問診療に尽力している。

さくらひだまり訪問クリニック
https://sakura-hidamari.com/
住所:東京都北区赤羽西3丁目26ー12 ロッソカンパーナ205
TEL:080-3431-8053

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