1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 『食道がんのリスクが高い人』には“共通点”があった。医師が明かす、当てはまったら注意したい「2つの生活習慣」とは?

『食道がんのリスクが高い人』には“共通点”があった。医師が明かす、当てはまったら注意したい「2つの生活習慣」とは?

  • 2026.10.4
undefined

「歯ぐきから血が出る」「入れ歯が当たって痛い」といったお口のトラブルを抱えていませんか。ネットなどで「歯周病のある人は食道がんになりやすい」といった情報を目にし、「もしかして自分も……」と不安を感じている方もいるかもしれません。

実際のところ、お口の状態と食道がんにはどのような関係があるのでしょうか。また、お口のトラブルを感じたときはどう対処すべきなのでしょうか。

今回は、気になるお口の症状と食道がんとの関係、そして今日から始められる正しいお口のケア方法について、歯科医師の鷹巣多紀さんに詳しく解説していただきました。

歯周病があると食道がんになりやすい?本当の関係性とは

---インターネットなどで「歯周病があると食道がんになりやすい」と書かれているのを見たことがあります。お口の状態と食道がんには、どのような関係があるのでしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「歯周病のある人で食道がんが多い傾向はみられますが、歯周病が直接の原因だと分かったわけではありません。例えば、たばこは歯周病にも食道がんにも関わります。こうした共通の生活習慣の影響もあるため、歯周病の有無だけで食道がんのなりやすさを直接判断することはできないのです。

口の中との関係で注目されているのは、お酒を飲んだときにできる物質です。口の中の一部の細菌はアルコールを分解し、その途中で「アセトアルデヒド」という発がん性のある物質をつくります。この物質が唾液とともに食道の粘膜に触れることが、がんの発生に関わる可能性が考えられています。ただし、歯磨きや歯周病の治療で食道がんを直接予防できるかどうかは、まだ科学的に確立されていません。

そのため、食道がんの予防では、まず禁煙と節酒の習慣に目を向けましょう。歯をきれいに磨いていても、たばこやお酒による影響を完全になくせるわけではないからです。喫煙している方は禁煙を、お酒を飲む方は量を減らすことや飲まない選択を考えてみてください。

一方、歯ぐきの出血や腫れがあるときは、歯科で原因を確かめることが大切です。お口の症状だけで食道がんを過度に心配するのではなく、まずは今ある炎症を治し、歯や歯ぐきを守っていきましょう。」

歯ぐきの出血や入れ歯の痛みは、がんのサイン?

---歯磨きのときに出血したり、入れ歯が当たって痛んだりすると心配になります。これらはがんのサインなり得るのでしょうか?歯科を受診すべき目安も教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「歯ぐきから血が出たり、入れ歯が当たって痛んだりするときは、早めに歯科で相談してください。こうした症状で受診を勧めるのは、食道がんのサインだからではなく、歯ぐきの炎症や粘膜の傷を放っておかないためです。

歯磨きのたびに血が出る場合、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。歯周病は痛みが目立たないまま進むこともあり、進行すると歯を支える骨が失われ、歯がぐらつく原因になるのです。「いつも少し出るだけだから」と済ませず、一度歯ぐきの状態を診てもらいましょう。

歯科では、歯ぐきを検査し、必要に応じて歯石などを取り除きます。初期の炎症であれば、汚れを取り除いて磨き方を見直すことで改善を目指せます。毎日磨いていても、歯ブラシが届きにくい場所はあるものです。磨き残しやすい場所と、そこに合った磨き方を教わると、自宅でもケアしやすくなります。

合わない入れ歯による刺激は、食道ではなく、頬や歯ぐきなど口の粘膜に起こります。この刺激が食道がんを引き起こすわけではありませんが、慢性的な傷や強い炎症を放置することは「口腔がん(舌がんや頬粘膜がんなど)」のリスク要因になり得ます。

痛みや傷があれば我慢せず入れ歯の調整を受けましょう。「使っていれば慣れるはず」と我慢せず、どこが、どんなときに痛むのかを歯科で伝えてください。傷が治りにくい場合は、入れ歯が原因と決めつけず、粘膜の状態も診てもらいましょう。」

今日からできる正しいセルフケアと、本当に大切な予防習慣

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---お口の健康を保ち、がんの予防につなげるために、私たちが日常で気をつけるべきセルフケアや生活習慣は何でしょうか?

鷹巣 多紀さん:

「毎日のケアで意識したいのは、強く磨くことより、汚れが残りやすい場所に毛先をきちんと届けることです。歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを軽く当て、小刻みに動かしましょう。鏡を見ながら磨くと、毛先が当たっているか確かめられます。奥歯の裏側や噛む面まで、順番に磨いてください。

歯と歯の間には毛先が届きにくいため、1日1回、フロスや歯間ブラシも使いましょう。フロスは隙間に通すだけでなく、両隣の歯の側面に沿わせて汚れを落とすのがコツです。歯間ブラシは無理に押し込まず、隙間に合う太さを選んでください。夜は疲れてしまう方は、朝や昼など、続けやすい時間を選んで構いません。

ただ、硬く付いた歯石は自分では取れません。出血や腫れが続くときは、磨く力や回数を増やして何とかしようとせず、歯科で診てもらいましょう。

一方、食道がんの予防で大切なのは、禁煙と飲酒を控えることです。お酒を飲む方は、いつものおかわりをアルコールの入っていない飲み物に替えるなど、飲む量を減らす工夫をしてみてください。熱いお茶やスープも、少し冷ましてから楽しみましょう。

また、食べ物が胸につかえる、飲み込むと胸が痛むといった症状は、口のケアだけで様子を見ず、内科や消化器内科へ相談してください。がんと決めつける必要はありませんが、早めに原因を確かめることが大切です。」

お口のSOSを見逃さず、歯科への相談と正しい習慣づくりを

「歯周病があるから食道がんになる」と直接結びついているわけではありませんが、歯ぐきの出血や入れ歯の痛みは、お口の健康を守るための大切なSOSサインです。

食道がんの予防には「禁煙・節酒」といった生活習慣の見直しが第一ですが、同時にお口の炎症や粘膜の不調を放置せず、適切なセルフケアと定期的な歯科受診を重ねることが重要です。

ご自身の健康を守るために、丁寧な歯みがきと正しい生活習慣を少しずつ重ねていきましょう。


監修者:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X : https://x.com/kikimama0405

の記事をもっとみる

注目コンテンツ