1. トップ
  2. エピソード
  3. 「うちの子はね、昔から出来がよくてね」機嫌によって態度が変わる先輩。だが、別のパート仲間が言ってくれた一言

「うちの子はね、昔から出来がよくてね」機嫌によって態度が変わる先輩。だが、別のパート仲間が言ってくれた一言

  • 2026.8.22
「うちの子はね、昔から出来がよくてね」機嫌によって態度が変わる先輩。だが、別のパート仲間が言ってくれた一言

初日から親切だった、同年代の先輩

前のパート先での話だ。同年代ということもあり、先輩は私のパート初日からやたらと仲良くしてくれた。

道具の置き場所も、伝票の書き方も、自分の手を止めてひとつずつ教えてくれる。年が近いというだけで、私はすっかり気を許していた。この職場の人となら働きやすい。そう安易に考えていた。

「近い年の人が入ってくれて、うれしいのよ」

先輩は笑ってそう言った。実際、覚えることばかりの最初のうちは、本当に助けられたと思う。

ところが1か月が過ぎ、割と仕事も覚えたあたりから、先輩の私に対する態度が変わってきた。新しい作業を教わっている最中に、突然、自分の家族の話が始まる。

「うちの子はね、昔から出来がよくてね」

私はまだまだ必死で仕事を覚えている最中だった。

手元に目を戻しても話は止まらず、それどころか、今度は私の家のことまで聞き出そうとしてくる。

仕事しているのに、正直、めんどくさいなと思っていた。

圧が強くなっていった毎日

そのあたりから私に対する圧は日増しに増して、何だかんだと、とてもうるさく言われるようになった。

機嫌の良い時は自慢話が延々と続き、適当に聞いていると急に声が変わる。

「ちゃんと仕事して!」

仕事しに行っているのに、先輩の機嫌まで伺う毎日。初日のあの親切は何だったのか。態度の豹変には、ただ驚くしかなかった。

その日も、先輩は作業の手を止めて自分の家の話を始めていた。私が短く返事をすると、声が一段大きくなる。そのとき、同じ持ち場で黙って手を動かしていた別のパート仲間が、顔を上げずに言った。

「その話はやめて、仕事に戻りましょう」

先輩の言葉が止まった。何か言い返そうと口を開きかけ、そのまま飲み込む。そして手元に目を落とし、黙って自分の作業に戻った。

「ですね。これ、午前中に片づけちゃいましょう」

少し離れた台の人が小さくそう言って、うなずいた。誰も先輩を責めてはいない。それでも、場の向きが変わったのがはっきり分かった。

休憩に入ってから、私はその人に頭を下げた。下手に出るつもりはなかったが、助けてもらったことにはきちんと礼を言いたかった。

「ありがとうございます。あのままだと、手が止まってしまって」

「みんな気づいてましたよ。言うのは、あなたじゃなくていいんです」

それからの先輩は、自慢話を始めても途中で切り上げるようになった。私の手元を覗き込んでくることもなくなった。挨拶はするし、必要な話もする。ただ、先輩の機嫌を確かめてから一日を始める、あの時間だけが私の毎日から消えていた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ