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人工股関節置換術の患者数が10年で2倍に!50代が対策のはじめ時。手遅れになる前に試したいセルフチェックと簡単ストレッチ法

  • 2026.8.22

そういえばこの頃、立ち上がるときに股関節が痛むことがある、歩いていると脚の付け根に違和感があるといった症状を感じるようになったという方はいませんか。もしかしたらそれは股関節に問題が生じているせいかも。
上半身と下半身をつなぐ要となる股関節ですが、長年の使用によって40代~50代で痛みや違和感を覚えはじめる方も少なくないそう。しかも、人工股関節置換術の患者数はこの10年間で2倍近く増加しており、そのうちの15%は50代なのだとか(*)。
今回は日本人工関節学会認定医の佐藤啓先生に、セルフチェックやストレッチ、早期ケアの方法について教えていただきました。

教えてくれたのは・・・
日本人工関節学会認定医
佐藤啓さん
「パークタワー西新宿整形外科 骨と股関節のクリニック」院長。日本整形外科学会専門医や日本人工関節学会認定医としての専門性を活かし、股関節の痛みに悩む患者に丁寧な診察とわかりやすい説明、質の高い治療を行っている。

どうして痛むの? 股関節のしくみとは

股関節とは、太ももの骨(大腿骨)の上端にあるボールのような形をした大腿骨頭が、骨盤側の受け皿となる部分にはまり込んだ、ボールとソケットのような構造をした関節です。
ボールとソケットの部分にはそれぞれ表面に軟骨があり、これが関節を動かしたり衝撃をやわらげるクッションとなったりしているわけですが、年齢を重ねるにつれて軟骨は徐々にすり減っていきます。それによって骨同士がこすれ合って痛むようになるのです。これを変形性股関節症といいます。
とくに、小さい頃からあぐらが苦手という方や、日本人女性に多い寛骨臼形成不全(臼蓋形成不全)の方は、変形性股関節症の発症リスクが高いとされています。

50代から初期症状が生じている人も……?

近年、股関節痛の治療において、人工股関節置換術を受ける患者数は右肩上がりに増加しており、2024年度には9万件を超え、この10年で2倍近くに増加しています。手術を受ける患者の年齢は70~74歳がピークですが、患者数全体の15%は50代の方なのです(*)。
加齢やホルモンバランスの変化、産後太りなどによって、40代~50代ですでに初期症状を感じている方や急に悪化したという方は少なくありません。

それってもしかして股関節からのSOS? かんたんセルフチェック

その症状は関節疾患かも? ということで、すぐにできるセルフチェックを用意しました。

1□膝が常に重く感じる(2点)
2□動き始め、歩き始めにももの付け根が痛む(2点)
3□運動をした後、ももの付け根やおしりの横が痛い(1点)
4□家族あるいは親戚に股関節の病気を抱えている人がいる(1点)
5□歩くとき体が左右にゆれる(2点)
6□スカートやズボンの丈が左右で合わない(1点)
7□段差が上りづらい(2点)
8□小さいころからあぐらがかけない(1点)
9□靴下をはきにくい(2点)
10□寝返りを打つとももの付け根の関節が痛い(1点)

☑をつけた項目の点数を合計してください。

合計点が
6点以上の方は……関節疾患の可能性があります。
3点以上の方は……関節疾患予備軍の可能性があります。
2点以下の方は……関節疾患の心配は少ないでしょう。
※チェックした結果は、すべての方に当てはまるとは限りません
※あくまでも自己判断の参考としてご活用ください

まだ遅くない! 今日から自宅でできる「かんたん筋力アップ体操」

セルフチェックで関節疾患の可能性があると出た方も、まだまだ大丈夫という方にも、ぜひおすすめしたい自宅で簡単にできるセルフケアを紹介します。おしりの筋肉や太ももの筋肉(大腿四頭筋)などを強化することで歩行時の股関節への負担を軽減します。
ただし、股関節が痛む場合は無理に行わないようにしましょう。

①両足を伸ばして座り、片方の膝下に丸めたタオルやクッションを入れる。つま先を上に向けたまま、タオルを押しつぶすように力を入れ、5秒間止めたあとにゆるめる。これを片足ずつ行う。

②仰向けの状態で、おしりをギュッと引き締めて5秒間キープする。※その間は呼吸を止めないようにする

③仰向けの状態で、片足は膝を立て、もう片足は伸ばしてつま先を上に向けたまま、踵を床から30㎝程度の高さに上げ、5秒間キープしてゆっくりおろす。これを片足ずつ行う。

④横向きに寝た状態で、下の足の膝を軽く曲げ、上の脚を伸ばしたままゆっくりと上げ、5秒間止めたあとゆっくりおろす。これを片足ずつ行う。

⑤うつ伏せになり、腰が反らない高さまで片脚ずつゆっくり上げて5秒間キープし、ゆっくりおろす。これを片足ずつ行う。

無理のない範囲で、①~⑤をそれぞれ10~20回繰り返し、1日2~3回行いましょう。

ただ、まずは日常生活の見直しが大事。横座り、脚組み、長時間の立ちっぱなし、そして深く沈み込むソファは股関節に負担がかかりやすいです。避けられる範囲で見直してみましょう。

女性に人気のピラティスやヨガも効果的?

自宅でのストレッチの他に、ピラティスやヨガも効果的です。体幹やおしりまわりの筋肉を鍛え、姿勢や体の使い方を整える目的であれば、股関節にとってとても有益になります。
ただし、深い開脚や無理なあぐら、脚を大きく開くポーズなど「股関節の可動域を広げること自体が目的」になっている運動は注意が必要です。股関節が動く範囲は骨の形によって一人ひとり異なり、無理な動きは関節唇や軟骨を傷めてしまうことがあります。レッスン中に脚の付け根に痛み、詰まり、引っかかりを感じたら、我慢せず中止するようにしましょう。

50代の人工股関節置換術も増えている……?

痛みが強く続く場合は、必ず医療機関を受診しましょう。まずは運動療法や薬物療法を行いますが、それでも改善しない場合は手術の検討が必要になることもあります。
もっとも代表的な人工股関節置換術は、傷ついた股関節の損傷面を取り除いて、人工関節に置き換える手術のことです。最近では従来に比べてより小さな切開で手術を行うことが可能になり、皮膚はもちろん筋肉や靭帯の損傷を最小限に抑えることができるため、1~2週間程度での退院や早期の歩行が望めます。
また、人工股関節の技術開発により、かつては10~15年程度で人工股関節の再置換が必要でしたが、従来よりも長期的な使用ができるようになりました。30年使用しても9割程度は持つといわれています。そのため、40代~50代においても選択肢のひとつとして検討されるようになっています。

まとめ
股関節の痛みは、脚の付け根だけでなく、おしり・太もも・膝に出ることもあります。膝の治療を続けてもよくならない場合は、股関節も調べてもらうといいでしょう。
疾患の程度が軽いほど治療法の選択肢は広がるので、早めに医療機関を受診されることをおすすめします。
早めのケアでこれからも自分らしくアクティブに歩ける体を守っていきましょう!

*厚生労働省 第2-11回NDB オープンデータ(レセプト情報・特定健診等情報データベース)平成27年4月 – 令和7年3月診療分 参照

画像協力/PIXTA
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この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

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