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医師「見逃してはならない」→実は『膵臓がん』のサインかも…“ただの疲れ”と放置しがちな「危険な特徴」とは?

  • 2026.9.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、どうも背中や腰が痛む……。ただの疲れや凝りだろうか?」

そんな風に体に感じる違和感を、一時的な筋肉の疲労だと思って見過ごしていませんか。実は、背中や腰に現れる強い違和感や痛みの背景には、お腹の奥深くにある「膵臓(すいぞう)」の病気が隠れていることがあります。

なぜ、お腹側にあるはずの膵臓に問題があると背中が痛むのでしょうか。そして、ただの筋肉痛やコリとの違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、麻酔科専門医である松岡雄治さんの見解に基づき、膵臓がんと背中の痛みの関係性や、見逃してはならない初期サイン、そして適切な対応策について詳しく解説します。あなたのその痛みに潜む、内臓からのSOSに耳を傾けてみましょう。

なぜ膵臓がんで背中が痛むのか?そのメカニズムと独特なサイン

---お腹側にある膵臓のがんで、なぜ背中や腰に強い痛みや違和感が現れるのでしょうか?特徴的な症状も教えてください。

松岡雄治さん:

「胃の後ろ、背骨のすぐ目の前という位置に膵臓があることと、そこに張り巡らされた神経網を、大きくなったがんが物理的に圧迫することが関係しています。

膵臓は『後腹膜』と呼ばれる、お腹の最も背中側にあるエリアに横たわっています。胃の真裏に隠れるように位置していて、体の表面から直接触れることはできないくらいです。この膵臓のすぐ背中側には、内臓の情報を伝える『腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)』という複雑な神経のネットワークが存在します。

膵臓がんは、小さいうちから周囲の組織へ広がる性質が強い腫瘍です。がんが成長すると、この裏側にある緻密な神経網を物理的に圧迫し始めます。これが、お腹側だけでなく、背中や腰の強い違和感として現れるのです。

特に仰向けに寝ると、お腹の臓器の重みで膵臓が背骨に押し付けられて痛みが強まります。逆に、体を丸めて前屈みになると、背骨への圧迫が一時的に和らぐため、痛みが軽くなることもあります。この『仰向けで痛みが増し、前屈みで和らぐ』という症状は、膵臓の位置関係ならではのサインといえます。」

湿布やマッサージで様子を見るのが危険な理由

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---背中の痛みを一時的な疲労と考えて、湿布を貼ったりマッサージをしたりして様子を見てしまう人も多いと思います。これにはどのようなリスクがありますか?

松岡雄治さん:

「湿布やマッサージで様子を見ている間にもがんが静かに進行し、手術で完全に切除できる時期を逃してしまうリスクがあります。

背中にコリや痛みを感じた際、一時的な疲労だと考えて湿布を貼ったり、もみほぐしたりするのは自然な対応です。しかし、これらは痛みを和らげるだけで、膵臓で進行するがんの増殖を抑えることはできません。

一時的に痛みが和らいだように思えても、その裏側でがんは静かに進行し続けます。膵臓がんは周囲の重要な血管を巻き込みやすい特徴もあり、早い段階から血液にのって肝臓などへ転移する恐れもあります。こうしてセルフケアで様子を見続けている間に、手術でがんを取り切れる『切除可能』な時期を過ぎてしまう恐れがあるのです。

さらに進行すると、がんが十二指腸や胆管を物理的に塞ぎ、皮膚や白目が黄色くなる『黄疸』を生じたり、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが減少することで、生活習慣が変わっていないにもかかわらず、急激な糖尿病の発症や悪化を招いたりすることも少なくありません。湿布やマッサージ等で全く変わらない不調は、単なる筋肉の疲労ではなく、内臓からのサインである可能性を疑う必要があります。」

何科を受診すべき?必要な検査と受診の進め方

---背中の痛みがいつもの疲労ではないと感じた場合、何科を受診し、どのような検査を受けるべきでしょうか?

松岡雄治さん:

「まずは、いつもの筋骨格系の痛みと変わらないか確認しましょう。筋骨格系の痛みは、動きによって再現性があることが多いです。いつもと違う『身体の深い部分からくる背中の痛み』と感じたら、まずは身近な『消化器内科』または一般内科を受診し、血液検査やエコー検査を受けることをお勧めします。

背中やお腹に長引く違和感を覚えた際は、まずかかりつけの内科、あるいはお腹の専門である消化器内科を受診してください。漠然とお腹が痛いと伝えるだけでなく、痛みの特徴と違和感を伝えるとよいです。

膵臓の病気を疑う場合、アミラーゼやリパーゼといった、血液中の『膵酵素』の数値が高くなっていないかを血液検査で調べます。あわせて、痛みや被ばくのない『腹部超音波(エコー)検査』を実施することもあります。これはお腹に超音波の機械を当てて、中の様子を確認する検査です。

ただし、膵臓はお腹の奥深くにあるため、胃や腸の中のガスに遮られ、エコーだけでは全体を観察しきれないことがあります。そのため、疑いがある場合は、造影剤を用いた『CT検査』や、『MRI検査』を追加することもあります。これらは、小さながんの位置や進行 の程度を詳細に映し出すことができる精密な検査です。

最初から大きな病院の精密検査を受けるのはハードルが高いと感じる方も多いと思います。まずはお近くのクリニックを受診し、必要に応じて紹介状を書いてもらいましょう。一人で不安を抱え込まず、ぜひお気軽に専門家にご相談ください。」

「身体の深い部分からの痛み」を見逃さず、まずは身近なクリニックへ

背中の痛みや違和感が生じたとき、つい「ただのコリや疲労だ」と自己判断して湿布やマッサージで済ませてしまいがちです。しかし、それが膵臓というお腹の奥深くにある臓器からの危険信号である可能性を忘れてはなりません。

「仰向けになると痛みが増し、前屈みになると和らぐ」といった膵臓ならではの特徴や、セルフケアを行っても全く変わらない「身体の深い部分からくる痛み」を感じたときは、決して放置せず、まずは身近な内科や消化器内科を受診することが大切です。早期発見ができれば、その後の治療選択肢を広げられる可能性があります。少しでも普段と違う違和感があれば、一人で抱え込まずに専門医へ相談しましょう。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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