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健診の心電図で“要再検査”の結果が→「痛くないし」放置したところ…40代男性を襲った“異常事態”に「あの時、無視しなければ…」

  • 2026.9.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。周術期管理や救急・全身管理において、多様な疾患をお持ちの患者さまの安全管理に携わっている麻酔科専門医の松岡雄治です。

「胸も痛くないし、毎日元気に働いているから平気だろう。仕事も忙しいし」健診の心電図で「要再検査(ブルガダ型波形)」と書かれていたものの、症状がないからと放置していた40代男性のAさん。

しかしある深夜、就寝中に突然呼吸が止まり、異常なうなり声をあげているのを妻が発見。緊急通報で一命を取り留めましたが、受診の結果、睡眠中に心室細動を起こしていたことが判明しました。

現在は胸の皮下に小型の除細動器を植え込む手術を受け日常に復帰していますが、「あの時、無視しなければ…」と語っています。今回は、痛みのない心臓病「ブルガダ症候群」のメカニズムについて解説します。

ブルガダ症候群は「心臓の電気系統のトラブル」

なぜ胸の痛みがないのに、夜間に突然心停止を起こすのでしょうか。

それは「ブルガダ症候群」という、心臓の電気系統の不具合が原因です。心臓の形や筋肉は正常ですが、電気を通す細胞の窓口(イオンチャネル)に遺伝的な特徴を持っています。

【心臓が突然けいれんする電気トラブルフロー】

  • イオンチャネルの異常:心筋の電気信号を整える働きに、遺伝的な偏りが生じています。
  • 夜間・リラックス時の刺激:就寝中(副交感神経優位時)や飲酒後に、特異な異常波形が強まります。
  • 心室細動の発症:心臓がけいれんして血液を送れなくなり、即座に意識を失い心停止に至ります。

「症状なし」と「危険な心電図波形」の境界線

「身体が元気なのに、病院へ行くなんて大げさだ」。そう考えて受診を後回しにしてしまうのは、ごく自然な心理です。ご自身を責める必要は全くありません。
しかし、知っておいていただきたいのは「心臓病=胸が痛くなる」という常識が通用しない病気があるということです。

ブルガダ症候群は痛みが一切なく、むしろ夜間のリラックス時に突然発症します。特にアジア人の働き盛り男性に多く、患者の8割以上を男性が占めます。これは、男性ホルモンが心臓の特定の電流を強めることが一因とされています。

この病気の恐ろしいところは、自覚症状がないため「検診の心電図の波形」が唯一の警告である点です。また、過度な飲酒のほか、「発熱」が心停止の強力な引き金になることが分かっています。風邪などで熱が出た際は、すぐに解熱薬を使って熱を下げるなど、生活上のちょっとした工夫が必要になります。

手遅れになる前に確認すべき3つのサイン

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

突然の心停止から命とご家族を守るため、以下の3つのサインを見逃さないでください。

1. 健診で「ブルガダ型」「ST上昇」と指摘された

痛みなどの症状がなくても、危険な波形(coved型等)が現れている明確な証拠です。

2. 夜間に「ウーン」とうなされる(夜間苦悶様呼吸)や原因不明の失神がある

睡眠中に一過性の心室細動が起き、脳への血流が途絶えた危険な前兆です。

3. 血縁者に45歳以下での原因不明の突然死がある

約20%に遺伝的素因が認められます。ご自身だけでなく、ご家族の命を守るためにも検査が必要です。

健診で『要再検査』と言われたら放置しないで

もし健診の心電図で再検査と書かれていたら、そのままにせず循環器内科(不整脈外来)を受診してください。

通常の心電図で見逃されやすい波形も、専門外来なら正確に見極められます。また、万が一治療が必要になっても、最近は血管内に管を通さず、胸の皮下だけに植え込む負担の少ない除細動器など、最新の治療法もあります。

見えない不整脈の恐怖から、あなたとご家族の平穏な日常を守るための温かい味方です。どうかひとりで悩まずにお気軽にご相談ください。


※プライバシー保護のため、実際の症例をもとに一部の設定やエピソードを改変・再構成しています。
※夜間に突然の異常ないびき・うなり声(夜間苦悶様呼吸)が見られたり、意識を失った(失神した)場合は、後日の受診を待たず、直ちに119番通報(救急車要請)をしてAEDの手配や心臓マッサージを行ってください。

監修者・執筆:松岡 雄治
総合病院や大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じて、幅広い診療科の周術期管理に従事。現在は急性期病院の麻酔科医として最前線の医療に携わっている。専門医としての高度な医学的知見を活かし、医療・健康・美容分野でのコラム執筆や医学論文の解説などを幅広く手掛ける。医療AI技術開発プロジェクトへの参画など多岐にわたる実績を持ち、読者に寄り添った分かりやすい医療解説に定評がある。保有資格は麻酔科専門医、睡眠コンサルタント、睡眠検定1級など。

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