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医師「避けてください」→実は『歯茎を傷つける』原因になっている…良かれと思ってやりがちな「間違った歯磨き法」とは?

  • 2026.9.28
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「毎日しっかり歯を磨いているのに、なぜか歯茎がチクチク痛む…」「歯茎が下がって、歯が長くなってきた気がする」といった悩みを抱えていませんか?

歯をきれいにしようと一生懸命に磨くこと自体は、素晴らしい健康習慣です。しかし、よかれと思って行っているその「丁寧な歯磨き」が、実は知らないうちに歯や歯茎を傷つけてしまう原因になっているかもしれません。

今回は、歯科医師の鷹巣多紀さんに、歯磨きに関する意外な誤解と、歯茎を守りながら汚れを効率よく落とすための正しいケア方法について詳しくお話を伺いました。

「しっかり磨く」の落とし穴?歯ブラシ選びと力加減の誤解

---歯をきれいにするために、毎日力を入れてゴシゴシ磨いてしまうのですが、これは歯茎に良くないのでしょうか?また、歯ブラシはどう選ぶべきですか?

鷹巣 多紀さん:

「歯磨きで気をつけたいのは、歯をきれいにしようとする力が、歯茎にも加わってしまうことです。とくに、硬い毛の歯ブラシを強く押しつけ、同じ場所を何度もこする磨き方では、歯茎の表面を傷つけることがあります。『しっかり磨いた感じがするか』だけで、力加減を決めないようにしましょう。

歯磨きで落としたい歯垢は、単なる食べかすではなく、歯の表面に付着した細菌のかたまりです。うがいだけでは落ちにくいものの、力任せに削り取る必要はありません。毛先を汚れのある場所に当て、細かく動かして取り除きます。一方、歯垢が硬くなった歯石は、歯ブラシでは除去できないため、取れない汚れをこすり続けるのではなく、歯医者で確認してもらってください。

歯ブラシの毛は、歯茎への傷を減らすという点では、やわらかいものが向いています。とくに、今使っている歯ブラシで痛みを感じる方は、硬めの毛を使い続けず、やわらかめへの変更を検討しましょう。ただし、やわらかければ強く押しつけてもよいわけではありません。

ヘッドの大きさも確認してみてください。奥歯や歯の重なった部分まで無理なく届き、細かく動かせるものが向いています。また、毛先が開いた歯ブラシは歯垢を落とす効率が下がるので、交換が必要です。落ちにくさを力で補おうとせず、まず道具の状態を見直しましょう。

毎日の歯磨きを続けること自体が悪いのではありません。歯茎を守るために変えたいのは、『強くこすること』を丁寧さの目安にする習慣です。歯の形に合わせて毛先を当て、軽い力で順に磨くことへ意識を向けてみてください。」

歯茎のヒリヒリや「下がり」の原因とは?磨きすぎ以外の可能性も

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---強く磨きすぎると、具体的に歯茎へどのような影響があるのでしょうか?歯茎が下がって冷たいものがしみるのも、磨きすぎが原因ですか?

鷹巣 多紀さん:

「硬い毛先で強くこすると、まず起こりうるのは、歯茎の表面に小さな擦り傷ができることです。磨いた後にヒリヒリしたり、触れると痛んだり、出血したりする原因になります。ヒリヒリする感覚は、汚れがよく落ちた証拠ではありません。

一方、歯茎の位置が下がって根元が見える『歯肉退縮』は、表面の傷とは別の変化です。浅い傷は治ることがありますが、傷ができたら必ず退縮につながるわけではありません。強い歯磨きは退縮の一因として考えられているものの、どの程度関係しているのかは、まだ十分に解明されていないのです。

歯茎が下がりやすい背景には、もともとの歯茎や周囲の骨が薄いこと、歯が外側に寄って生えていることなどもあります。また、歯周病によって歯を支える組織が失われ、歯茎が下がる場合もあるため、『磨きすぎだけが原因』とは決めつけられません。磨き方を直すだけでよいのか、歯周病の治療も必要なのかを見極めることが大切です。

歯茎が下がると、これまで覆われていた歯の根元が露出し、歯が長く見えるようになります。根元は歯の頭の部分とは違って硬いエナメル質に覆われていないため、内部の象牙質が表に出ると、冷たい飲み物や歯ブラシの接触でしみることがあるのです。

また、露出した根元では、むし歯や歯のすり減りにも注意が必要です。強くこする磨き方は歯の表面をすり減らす要因になりますが、しみるからと磨かなくなると歯垢が残ってしまいます。力を弱めて清潔を保つつ、症状に合ったケアを歯医者で確認しましょう。

なお、出血は歯ブラシによる傷だけでなく、歯垢による炎症でも起こります。『血が出るから全部磨くのをやめる』『もっと強く磨いて血を出す』のどちらも避けてください。出血や痛みが続くとき、歯が以前より長く見えるときは、歯茎と磨き方の両方を確認してもらいましょう。」

明日からできる!歯茎を傷つけずに汚れを落とす正しい磨き方

---明日からの歯磨きで、具体的にどのように磨き方や力加減を変えていけばよいでしょうか?おすすめの方法を教えてください。

鷹巣 多紀さん:

「明日から変えるなら、まず歯ブラシの持ち方を見直してみてください。手のひらでぎゅっと握るより、鉛筆を持つように軽く支えると、細かな動きをつけやすくなります。指にも力を入れすぎず、ブラシを歯に押しつけないことを意識しましょう。

力加減は、毛先が大きく広がらない程度が目安です。鏡で見ながら前歯に当て、毛が横に寝てしまうほど押していないか確かめてください。力を抜くと物足りなく感じても、毛先がきちんと歯に触れていれば、強いこすり心地を求める必要はありません。

歯と歯茎の境目では、毛先を歯の根元へ向けて斜め45度ほどに当て、軽い力で細かく動かします。歯茎の溝に毛を深く押し込むのではなく、境目にそっと添えるイメージです。何本もの歯をまとめて大きく往復するより、1~2本ずつ位置を変えながら磨きましょう。

歯の平らな面には毛先をほぼ直角に当て、奥歯の噛む面では溝に毛先が届くようにします。前歯の裏側は歯ブラシを縦にすると、狭い部分にも当てやすくなります。同じ角度のまま口全体を磨こうとせず、歯の形に合わせて持ち替えてください。

磨く順番を決めておくと、同じ場所ばかりこするのを避けやすくなります。たとえば『上の歯の外側、内側、噛む面を磨いてから、下の歯へ』と、自分が覚えやすい順番で一周してみましょう。歯ブラシだけで無理に磨こうとせず、歯と歯の間にはデンタルフロスなども取り入れてください。

『やさしく磨けているか』『必要な場所に届いているか』は、自分では判断しにくいものです。歯医者を受診するときに普段の歯ブラシを持参し、いつもの磨き方を見てもらうと、力の抜き方や当てる角度を具体的に確認できます。痛む場所は無理にこすらず、その部分をどう清掃すればよいかも一緒に教えてもらってください。」

「優しい力」と「道具の見直し」で、一生ものの歯と歯茎を守ろう

毎日の丁寧な歯磨きは素晴らしい習慣ですが、良かれと思って強い力で磨くことが、歯や歯茎を傷つける要因になっているかもしれません。これまで「しっかり磨いた感覚」を頼りにしていた方は、この機会に磨き方を見直してみましょう。

明日からすぐにできる対策は、まず歯ブラシを「鉛筆持ち」に変えてみることで、余分な力を抜くことができます。また、やわらかめのブラシや適切なヘッドサイズのものを選び、同じ場所を何度もこすらず1~2本ずつ順番に磨くのも効果的です。

「やさしく磨けているか不安」「歯茎にしみる・痛むところがある」という場合は、歯科健診の際に普段使っている歯ブラシを持参して、プロに磨き方を確認してもらうのもおすすめです。正しいケアを身につけて、大切な歯と歯茎の健康を守り続けていきましょう。


※磨き方や歯ブラシを見直しても歯茎の痛み、ヒリヒリ感、出血が数日以上続く場合は、自己判断で放置せず速やかに歯科医院を受診してください

監修者:鷹巣 多紀
大学病院口腔外科にて研修後、一般歯科にて勤務。現在は1児の母として子育てと仕事に奮闘しています。
歯科医師ママkiki|note: https://share.google/uUYsDiSMnkNKZCrOw X: https://x.com/kikimama0405

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