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「痛くないしそのうち治まる」“血尿”を放置した40代女性→友人の勧めで泌尿器科へ行くと…医師から告げられた“予想外の病名”

  • 2026.9.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「痛くないしそのうち治まるでしょう」——トイレでふと目にした、赤っぽい尿。でも痛みも熱もないし、翌日には元の色に戻っている。それならしばらく様子を見よう、と考える方は少なくありません。でも実は、「痛みのない血尿」こそ、一度きちんと調べておきたいサインなのです。

今回は、半年ほど血尿を様子見していた女性が、友人のひと言をきっかけに受診されたエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

痛みも頻尿もないから、様子を見ていた

Aさん(45歳・女性)が最初に血尿に気づかれたのは、半年ほど前のこと。トイレで、尿がうっすらと赤く染まっていたそうです。

「一瞬ドキッとしたんですが、次の日には普通の色に戻っていて。痛みもないし、トイレが近くなることもなかったので、疲れのせいかなと思っていたんです」

その後も、ときどき赤い尿が出る日がありました。それでも痛みがないため、受診は先延ばしに。転機は、友人とのランチでした。何気なく血尿の話をしたところ、友人の表情が変わったといいます。

「半年も? 大変な病気だったらどうするの。ちゃんと診てもらいなよ」

そう言われると急に不安になり、Aさんは翌週、近くの泌尿器科クリニックを受診されました。尿検査で血尿が確認され、「詳しい検査が必要なので、総合病院をご紹介しますね」と紹介状を受け取られています。

痛みのない血尿で、まず確かめたいこと

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

血尿の原因はさまざまです。膀胱炎や尿路結石のように、痛みや頻尿を伴うことが多いものもあります。

一方、痛みのない肉眼的血尿(目で見てわかる血尿)で見逃してはいけないのが、膀胱がんや腎盂(じんう)・尿管がん、腎がんといった、腎臓や尿の通り道にできる悪性腫瘍です。

これらは初期には痛みがないことが多く、血尿も出たり止まったりすることがあります。「止まったから大丈夫」とは言い切れないのはこのためです。

原因を調べるには、尿の中にがん細胞がないかを見る尿細胞診、超音波検査、膀胱の中を細いカメラで観察する膀胱鏡検査、造影剤を使って腎臓や尿管を詳しく映す造影CTなどを組み合わせて行います。

左の腎臓から出血していた

総合病院での造影CTでは、腫瘍などの異常は見つかりませんでした。ただ、膀胱鏡で観察すると、左の尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)の出口から血が出てくる様子が確認されたのです。

「左の腎臓から出血しているようです。念のため、入院して詳しく調べましょう」

入院後は、尿管から腎臓の中まで細いカメラを入れて観察し、左の腎臓から直接とった尿も調べました。結果は、悪性のものはなし。最終的な診断は「特発性腎出血」でした。

特発性腎出血とは

特発性腎出血とは、検査を尽くしても、はっきりした原因が見つからない腎臓からの出血のことです。がんや結石、炎症などをひとつずつ否定したうえでつけられる診断です。

腎臓の中にあるごく細い血管のもろさや小さな血管の異常、左の腎臓の静脈が動脈に挟まれて圧が高くなる「ナットクラッカー現象」などが関わっている場合があると考えられています。

貧血がなければ、経過観察となることが多いです。出血が多い、長く続くといった場合には、止血の薬を使ったり、カメラで出血している部分を焼いて止めたりする治療が検討されます。

ある日、ぴたっと止まった

Aさんは貧血もなかったため、様子を見ることに。

「悪いものは見つかりませんでした。ただ、血の塊で尿が出にくくなったり、出血が増えたりしたら、すぐに来てくださいね」

しばらくは血尿が続いたものの、ある日ぴたっと止まりました。それ以来、血尿は一度も出ていません——特発性腎出血では、このように自然に治まることも少なくないのです。

「原因がはっきりしないのは不思議ですが、がんじゃないとわかって本当にほっとしました。友人に言われなかったら、今もモヤモヤしたままだったと思います」

「痛くない血尿」こそ、一度は泌尿器科へ

目で見てわかる血尿は、一度きりでも、すぐに止まっても、泌尿器科で調べておくことをおすすめします。健康診断で「尿潜血」を指摘された場合も同じです。特に喫煙習慣のある方は、膀胱がんのリスクが高いことが知られています。

また、特発性腎出血と診断されたあとも、再び血尿が出たときは自己判断せず、早めに受診してください。

「痛くないから大丈夫」ではなく、「痛くないからこそ調べておく」——その一歩が、いちばんの安心につながります。


※特発性腎出血と診断され血尿が止まった場合でも、隠れた病変がないか確認するため、医師から指示された定期検診は必ず受けましょう。

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