1. トップ
  2. ヘルスケア
  3. 医師「脳に悪影響を与える」→実は『認知症』のリスクを高めているかも…何気なくやりがちな「休日の過ごし方」とは?

医師「脳に悪影響を与える」→実は『認知症』のリスクを高めているかも…何気なくやりがちな「休日の過ごし方」とは?

  • 2026.9.29
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

休日に1日中、テレビやスマホを見ながら横になったり座りっぱなしで過ごしていませんか?平日の仕事や家事の疲れを癒やすための「ダラダラ過ごし」は、心身の自然な防衛反応です。しかし、この何気ない過ごし方が、実は将来の認知症リスクを高めているかもしれないとしたら……。

「休日は動きたくない」「でも将来の健康も気になる」という読者の疑問に答えるべく、今回は麻酔科専門医の松岡雄治さんに、休日の不活発な生活が脳に与える影響と、今日からできる簡単で具体的な予防策について詳しくお話を伺いました。

休日の「座りっぱなし」が認知症リスクを高める理由

---休日に家でダラダラと横になったり、座りっぱなしで過ごしたりすることが、なぜ認知症のリスクを高めることにつながるのでしょうか?

松岡雄治さん:

「日頃の仕事や家事の疲れを癒やすため、休日はダラダラ過ごしたいと感じるのは無理もないことです。過酷な平日を乗り切った心身の自然な防衛反応であり、ご自身を責める必要は全くありません。

しかし、一日中座りっぱなしや寝転がって過ごす『座位行動』が長くなると、足や体幹の筋肉の動きが止まり、全身の血液循環が滞ってしまいます。

大規模な研究でも、身体活動が不足している不活発なライフスタイルが、認知機能の低下や血管性認知症などの発症リスクを高めることが示されています。逆に身体を動かすことは、心血管リスクを改善するだけでなく、免疫機能の活性化や抗炎症作用、さらには脳を守る『神経栄養因子』という物質を増加させることが分かっています。

休日の極端な不活動は、脳への血流低下や神経保護システムの働きを低下させ、長期的に認知機能の低下を招く一因となってしまうのです。」

「誰とも話さない」「スマホの見すぎ」が招くダブルの危機

---「誰とも話さずに家から出ないこと」や「長時間のスマホ閲覧」が、特に脳に悪影響を与えるのはなぜですか?

松岡雄治さん:

「対面での会話(社会的交流)が途絶えることによる『脳への刺激不足』と、長時間のスマホ閲覧による『座りっぱなし』が重なるためです。

一歩も外に出ず誰とも話さない状態は、脳の防御機能である『認知予備能』という力の形成を妨げてしまいます。例えば、対人での会話は、相手の表情を読み、適切な言葉を選ぶという非常に高度な知的活動を伴います。社会参加や交流が減ると、この脳のネットワークが使われなくなり、認知機能の低下に繋がりやすくなります。一定の刺激ばかりというのは楽ですが、脳にとっては刺激が小さすぎるのです。

さらに、スマホやテレビなどのスクリーンを長時間見続ける生活は、長時間の『座位行動』を伴います。この長時間の座りっぱなしは、運動習慣の有無にかかわらず、動脈硬化や心血管疾患のリスクを独立して高めることが指摘されています。

『社会的孤立による脳への刺激不足』と『座りっぱなしによる血管への負担』が重なることが、認知症のリスクを引き上げる要因となります。」

今すぐできる!脳と血管を活性化させる「2つの習慣」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

---休日のダラダラから抜け出し、認知症リスクを下げるために、まず何から始めればよいでしょうか?効果的な対策を教えてください。

松岡雄治さん:

「最も手軽で効果的な一歩は、今より10分多く身体を動かす『プラステン(+10)』と、30分ごとの『立ち上がりブレイク』を取り入れることです。

ハードな運動をしなくても、日常の活動量をわずかに増やすだけで脳の血流と代謝は改善します。厚生労働省の指針でも、今の生活に10分の身体活動を加える『プラステン』が推奨されており、これにより認知症やロコモティブシンドロームの発症リスクが減少することが報告されています。例えば、毎日10分だけ掃除機をかける、少し遠くのスーパーへ歩くといった日常動作でも良いのです。

また、スマホやテレビを見るときも、『30分に1回は立ち上がって背伸びや軽い歩行をする』ことで、長時間の座位行動による血糖値の上昇や動脈硬化を予防できます。散歩ついでに店員さんと一言交わすなどの『会話を伴う小さな外出』を織り交ぜると、脳への優れた刺激にもなります。

『休日に完璧なスケジュールをこなさなければ』とご自身を追い詰める必要はありません。気楽に始められる10分から試してみましょう。

どうしてもだるさが抜けなかったり、気分の落ち込みや睡眠の乱れが続く場合は、無理をせずかかりつけ医や心療内科・脳神経内科などにご相談ください。」

「+10分」と「30分のブレイク」で、休日を脳の健康習慣に

休日にダラダラしてしまう自分を責める必要はありません。過酷な平日を乗り切った心身を守るため、休みたいと感じるのは当然のことだからです。

しかし、将来の健康を守るためには、ほんの少しの意識改革が大きな差を生みます。まずは「今より10分多く動くこと」、そして「30分に1回は立ち上がること」。この2つのアプローチなら、ハードな運動が苦手な方でも気楽に始められるはずです。散歩のついでに少し会話を交わすなど、できることから脳と血管の健康を守る習慣を始めてみませんか。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ