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「最近ちょっとお腹が張る」“食べ過ぎのせい”と放置した70代男性→ある晩、尿が出なくなり…病院で告げられた“思わぬ病名”

  • 2026.9.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「最近ちょっとお腹が張る気がする」——そんな軽い違和感を、疲れや食べ過ぎのせいだと思ってやり過ごした経験がある方は多いのではないでしょうか。でも、その違和感が「尿がまったく出ない」という事態にまで進んでしまうことがあります。

今回は、あるアパートの一室で起きた、急な排尿トラブルのエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

隣のおじさんが救急車で運ばれた夜

Tさんは72歳の男性で、アパートで一人暮らしをしていました。

もともと前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう/前立腺が大きくなり尿の通り道を圧迫する病気)で通院しており、薬で症状をコントロールしていました。

ある晩、Tさんは急に尿意を感じてトイレに向かったものの、まったく尿が出ませんでした。時間が経つにつれて下腹部がぱんぱんに張り、強い痛みと苦しさを感じるようになったため、大急ぎで救急車を呼んだそうです。

「壁越しに苦しそうな声が聞こえて、驚いて様子を見に行った」と隣人の方が話してくださいました。

膀胱結石とは?尿管結石との違い

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

救急外来で検査を受けたTさんに告げられた病名は、膀胱結石(ぼうこうけっせき)でした。

尿路結石というと、尿管に石が詰まって激痛が走る尿管結石(にょうかんけっせき)をイメージする方が多いかもしれませんが、膀胱結石はこれとは別の病気です。

膀胱結石は、膀胱の中でできた結石がそのまま大きくなっていくものです。前立腺肥大症などで尿が出にくい状態が続くと、膀胱に尿が残りやすくなり、そこに結石ができやすくなります。普段は膀胱の中でじっとしていますが、まれに結石が尿の出口をふさぐと、ラムネの栓のように詰まってしまうことがあり、そうなると尿がまったく出なくなってしまうのです。

腹部の超音波検査では腎臓や尿管を中心に見ることが多く、膀胱そのものをしっかり確認しないと膀胱結石は見つかりにくいこともあります。おなかの張りが続く場合は、膀胱まで含めた検査を受けることが大切です。

手術で結石を砕き、尿はすんなり出るように

Tさんは数日入院し、内視鏡を使って結石を細かく砕いて取り除く手術を受けました。

手術後は尿がスムーズに出るようになり、下腹部の張りもすっかり治まったそうです。「あんなに苦しかったのが嘘みたい」とTさんは安堵の表情で話してくださいました。

今回のことをきっかけに、根本的な原因である前立腺肥大症についても、このあと手術を受けることを決めたとのことです。

「急に尿が出ない」は緊急のサイン

膀胱結石は男性、特に前立腺肥大症のある方に多い病気ですが、女性に起こらないわけではありません。急に尿が出なくなり下腹部が張る、我慢できないほどの痛みがあるといった場合は、様子を見ずにすぐ医療機関を受診してください。

普段何気なく感じている「お腹の張り」も、体からのサインかもしれません——。

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