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「おじいちゃんの、片方だけすごく大きい」お風呂で孫に指摘された78歳男性…泌尿器科に受診して判明した“思わぬ病気”とは?

  • 2026.9.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

久しぶりに実家に帰省して、子どもと一緒にお風呂に入る——そんな何気ない時間の中で、家族の体の変化に気づくことがあります。「おじいちゃんの、片方だけすごく大きいよ」。孫の何気ないひと言が、思わぬ病気の発見につながることも少なくありません。

今回は、久しぶりの帰省で見つかった、陰嚢(いんのう)の腫れをめぐるエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

孫の何気ないひと言から発見へ

Sさんは78歳の男性です。娘のY子さんが久しぶりに実家へ帰省し、孫たちと一緒にお風呂に入った日のこと。「おじいちゃんの、片方だけすごく大きいよ」と子どもが驚いた様子で伝えてきました。

Y子さんが父に尋ねると、実はかなり以前から陰嚢の片方が腫れていたとのことでした。痛みはなく、生活に大きな支障もなかったため、Sさんは特に受診せずそのままにしていたそうです。「言われてみれば、確かに前より大きい気がする」——Y子さんも初めて意識したといいます。

陰嚢水腫とは?痛みがなくても油断は禁物

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

心配になったY子さんに付き添われ、Sさんは泌尿器科を受診しました。診察と超音波検査の結果、「陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)です」と告げられました。

陰嚢水腫とは、陰嚢の中に精巣(せいそう)の周りに、水のような液体がたまってしまう病気です。過去の炎症やけがなどをきっかけに液体が作られやすくなり、少しずつ袋の中に溜まっていくことで陰嚢全体が大きく膨らんでいきます。多くの場合、痛みを伴わず、じわじわと大きくなるため、気づかないまま長期間放置されやすいのが特徴です。

陰嚢が大きく腫れる病気には、精巣腫瘍(しゅよう)のような悪性の病気が隠れていることもあるため、自己判断せず超音波検査などで原因を確認することが大切です。陰嚢水腫そのものは良性の病気ですが、大きなものでは数百mlの水が溜まることもあり、下着が擦れる、歩きにくいといった不便を感じるようになります。

手術で300mlの水を抜き、すっきりと

Sさんも以前から気になっていたこともあり、手術を受けることになりました。手術では陰嚢を切開し、たまっていた液体を取り除き、袋を裏返して縫い合わせます。実際に水を抜いてみると、少し黄色みがかった液体が300mlも溜まっていたとのことでした。

「こんなに軽くなるとは思わなかった」とSさんは笑顔で話してくださいました。Y子さんも、久しぶりの帰省がきっかけで父の体の変化に気づけたことに、ほっとした様子だったそうです。

「気にはなっていたけど」を放置しないで

陰嚢水腫は緊急性の高い病気ではありませんが、似た症状の中に別の病気が隠れていることもあります。「痛くないから」「年齢のせいだろう」と自己判断せず、片方だけ腫れている、大きさが変わってきたと感じたら、一度泌尿器科を受診してみてください。

久しぶりの帰省が、家族の体を見つめ直すきっかけになることもあります。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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