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“膀胱炎”を繰り返す80代女性→「年齢的なものだろう」家族も放置していたが…泌尿器科で告げられた“予想外の原因”に驚き

  • 2026.9.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。泌尿器科専門医の小内友紀子です。

「また膀胱炎だと思う」——そう言って内科を受診し、薬をもらって様子を見る。膀胱炎(ぼうこうえん/膀胱に細菌が入って炎症を起こす病気)はありふれた病気なので、そう考えるのも無理はありません。でも、薬を飲んでも治らない状態が長く続くときは、別の病気が隠れていることもあります。

今回は、繰り返す膀胱炎の裏に、思いがけない病気が隠れていたエピソードをご紹介します。

※本エピソードは複数の患者さんの経験をもとに再構成した架空のものです。特定の個人を指すものではありません。

内科で膀胱炎の薬をもらい続けた日々

Mさんは85歳の女性です。

数年前から排尿時の痛みや頻尿(ひんにょう/トイレが近くなること)を繰り返し、そのたびに近所の内科を受診していました。診断はいつも膀胱炎。抗生物質を処方されると一時的に症状が落ち着くものの、しばらくするとまた同じ症状がぶり返す——その繰り返しでした。

「年齢的なものだろう」とMさん自身も家族も思い込み、深刻には捉えていなかったそうです。ところがある時、症状がなかなか改善せず、内科の医師から泌尿器科への紹介状を渡されました。

「尿に便が混じっている」——膀胱直腸瘻とは

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

泌尿器科を受診したMさんに、医師は尿の状態を確認しながらこう伝えました。「尿に便のようなものが混じっています」。Mさんはこの言葉に大変驚かれたそうです。

これは膀胱直腸瘻(ぼうこうちょくちょうろう)と呼ばれる状態が疑われるサインです。膀胱直腸瘻とは、本来つながっていない膀胱と直腸の間に穴のようなつながり(瘻孔・ろうこう)ができてしまう病気です。直腸の内容物が膀胱に流れ込むため、尿に便や空気が混じることがあります。

原因はさまざまですが、直腸がんが進行して周囲の膀胱にまで広がる(浸潤・しんじゅん)ことで起こるケースもあります。がんによって組織が壊れ、膀胱と直腸の壁を隔てる部分に穴が開いてしまうのです。繰り返す膀胱炎の背景に、こうした病気が隠れていることもあります。

造影検査と大腸内視鏡でわかったこと

診断のため、膀胱に造影剤を入れて撮影する膀胱造影検査と、大腸の内部をカメラで観察する下部消化管内視鏡検査が行われました。その結果、直腸にできたがんが膀胱にまで広がり、膀胱直腸瘻を形成していることが判明しました。

「まさか膀胱炎だと思っていたものが、こんな病気だったなんて」とMさんは話してくださいました。現在は手術に向けた準備を進めているところです。

繰り返す膀胱炎、「いつもと違う」サインを見逃さないで

膀胱炎そのものはよくある病気で、多くは抗生物質の内服で改善します。ただし、何度も繰り返す、薬を飲んでもなかなか良くならない、尿の見た目や臭いがいつもと違う——こうした変化があるときは、一度泌尿器科を受診してみてください。

繰り返す症状の裏に、思いがけない病気が隠れていることもあります——。

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