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「あの頃は、ごめん」謝るつもりだった私が、同級生を食事に誘った理由

  • 2026.8.18
ハウコレ

机に向かい続ける彼女が、当時の私にはまぶしく見えていました。謝るために出席したのに、私は10年前と同じ逃げ方を繰り返します。受付を済ませて名札を付け直していると、入口に、10年ぶりに見る彼女の姿がありました。

謝るために来た同窓会

案内が届いたとき、真っ先に浮かんだのは彼女の顔でした。高校時代、私は彼女に嫌味ばかり言っていたのをずっと後悔していたのです。「あなたって、いつも余裕そうだよね」。褒めるふりをして心を削るような言い方を、私は何度も選びました。当時の私の家は、事業が傾いていて、進路の話を持ち出せる空気ではありませんでした。そのため、熱心に机に向かい続ける彼女に嫉妬していたのです。意味がないことは分かっていましたが、彼女に嫌味をぶつけて八つ当たりしていました。これを機に謝ろうと決めて、私は会場へ向かいました。

口から出たのは、昔と同じ軽口

彼女を見つけると、用意していた謝罪を切り出せませんでした。「久しぶり。全然変わってないね」出てきたのは、そんな軽口でした。彼女の会釈がぎこちなかった理由を、私は誰よりも知っています。私は料理の皿を持って彼女の隣に座り、話の切れ目が来るたびに謝ろうとしました。けれど、拒まれるのが怖くなり、無難な話題を続けました。謝罪のために来たはずなのに、私はまた自分を守っていました。

謝罪より先に出た誘い

謝れないまま、会の終わりが近づいていました。せめて次の機会を作ろうと、私はグラスを置いて言いました。「今度、2人でごはん行こうよ」。彼女は連絡先の交換には応じてくれましたが、少し間を置いて、「ごはんのことは考えておくね」と答えました。前向きな返事ではないと受け取りました。断られても仕方がありません。私はまだ、謝罪より先に誘いを口にする人間のままだったのですから。

そして...

帰り際、振り返って「あの頃はごめん」と言いかけました。しかし、返事を聞くのが怖くなり、「じゃあ、また連絡するね」に変えてしまいました。10年前と同じ逃げ方でした。1人になってスマホを見ると、画面には彼女の連絡先があります。メッセージこそは、食事の誘いではなく、「あの頃はごめん」から始めなければだめだと、ようやく腹をくくりました。

(30代女性・販売職)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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