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福原遥&汐見夏衛も思わず感無量!『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』で高校教師になった主人公の想いと成長に胸を打たれる

  • 2026.8.6

2023年に公開され、興行収入45億円を突破した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編にして完結編『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』(8月7日公開)。女子高生と特攻隊員のラブストーリーを描いた前作は、現代から戦時中の日本にタイムスリップしてしまう女子高生の百合役を福原遥が務め、百合が恋に落ちる特攻隊の彰役を水上恒司が演じた。命の大切さや相手を愛しく思う気持ちをテーマに、時空を超えたせつない恋を描いた物語は、「とにかく泣ける」と話題を呼び、“追い花”ブームも生まれた。

【写真を見る】福原遥が『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の撮影で大変だったシーンは?

続編となる本作は、現代に戻り高校教師となった百合と、彰を彷彿とさせる青年、宮原涼の視点で、壮大な愛の物語が描かれる。愛する人を理不尽な形で失い、現代で目を覚ました百合は、その後、どのように生きていくのだろうか。百合に惹かれつつも、百合の“彰への想い”に葛藤する涼の姿にも注目だ。主人公の百合役は福原が続投し、涼役は細田佳央太が務めている。原作者の汐見夏衛と再び百合を演じた福原が続編に込めた想いとは…。2人にインタビューを行い、それぞれの視点から作品とどのように向き合ったのかを語ってもらった。

【写真を見る】福原遥が『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の撮影で大変だったシーンは? 撮影/MISUMI ヘアメイク/布野夕貴 スタイリスト/川﨑加織
【写真を見る】福原遥が『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の撮影で大変だったシーンは? 撮影/MISUMI ヘアメイク/布野夕貴 スタイリスト/川﨑加織

——続編の映画化にあたり、映画版ならではの設定変更について、どのように感じていらっしゃいますか?

汐見夏衛(以下、汐見)「『あの星』の原作は『あの花』の続編として、10代前半向け、小学校高学年から中学生くらいの子が読むものとして書いていました。私のイメージ的には少女漫画的な話というか、ファンタジー色があって、そういう意味で若い世代向けの作品です。前作の映画『あの花』は予想を超えて、いろいろな世代の方に観てもらえました。今回の続編も幅広い世代に観てもらえると思うので、原作のまま映画化するよりも、もっと上の世代の方たち、例えば社会人の方が観ても楽しめるような深みのあるお話になっていてよかったと思います。原作の百合と涼の関係性はそのままに、社会人という設定に自然と変更されていたので、原作の読者にも本質は同じお話だと受け取ってもらえるのではないでしょうか。社会人なりの悩み、仕事の悩みとかも盛り込むことで、大人世代が観てもおもしろいものになっていると感じたので、結果的にすごくいいバランスで変わったんじゃないかなと思っています」

——福原さんは、先生が手掛ける続編の原作や今回の脚本にはどのような印象を持ちましたか?

福原遥(以下、福原)「原作と脚本では年齢などの設定が違う部分はあったのですが、百合と涼の葛藤や想いは本当に同じように描かれていました。それぞれが自分自身と闘って、どう前へと進んでいくのかという部分には、私自身の心も重ねることができました。あとはやっぱり千代ちゃんの戦後の人生が今回の映画に出てきたのは、すごくうれしかったですし、感動しました」

「彰への想いは変わっていなくて。そこはちゃんと大切に撮影していました」(福原)

彰の夢であった高校教師になった百合(福原遥) [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会
彰の夢であった高校教師になった百合(福原遥) [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会

——前作の百合から7年経っているという設定です。年を重ねた同じ役を演じるうえで軸としていたこと、心掛けたことを教えてください。

福原「7年経って、教師にもなっています。学生時代のちょっと不器用なところや自分のなかで整理できないこと、例えば表情や言動といった表に出てしまう部分は、7年という月日を経て成長していると思います。教師になっていることもあって、落ち着きみたいなものも出てきているので、そういう部分は変わっているのかなという印象はありました。ただ、彰の夢だった教師を目指して戦争を伝えていきたいという気持ちを持って前に進みながらも、その間、彰への想いはなにも変わっていなくて。百合のなかで時が止まっているような部分もすごくあったので、そこはちゃんと大切に、当時の感情を抱きながら7年過ごしてきたというのをしっかり考えていきたいと思いながら撮影していました」

——新城毅彦監督が、百合というキャラクターに関しては福原さんに取材をさせてもらうことで、解像度を上げられたとおっしゃっていました。

福原「私こそ、とても助けていただきました。『あの花』がたくさんの方に愛していただけたので、続編にはプレッシャーもすごくあって。でも監督も同じくらい、もしくはそれ以上に続編を任されたことを考えられていて。『一緒に頑張りましょう!』みたいな感じで始まりました(笑)。すごく親身になってすり合わせに付き合ってくださいましたし、出来上がった映像は本当に素敵で。百合と涼の爽やかでかわいらしい青春の部分もありながら、『あの花』から続くいろいろな想いも全部汲んでくださり、監督とご一緒できてすごく嬉しかったです」

舞台は映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』から7年後の現代 [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会
舞台は映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』から7年後の現代 [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会

——百合は彰への想いを抱えつつ、新しい出会いとも向き合います。福原さん演じる百合にはどのような印象をお持ちですか?

汐見「自分が描いた小説の映像というより、映画『あの花』の続編という気持ちで観たので、福原さん演じる百合が『こんなに成長したんだ、えらいね』みたいな気持ちになりました。きっといろいろと嫌なこともあったはずだけど、社会人になってちゃんとやっていこうって気持ちになっているなって。他の先生とやりとりする百合の姿、例えば、昔だったら爆発してしまいそうなところをちょっと抑えて我慢しているところなどには、人間の成長を見た気持ちになれるというか(笑)。自分の知っているあの百合が大人になった姿だなと、納得感がすごくあってとても印象深く感じました」

「『あの花』は母娘のシーンで毎回泣きます」(汐見)

原作者の汐見夏衛は「大人世代が観てもおもしろいものになっていると感じた」 撮影/MISUMI
原作者の汐見夏衛は「大人世代が観てもおもしろいものになっていると感じた」 撮影/MISUMI

——若い世代に戦争とはどういうものかを伝えたいという想いからつくられた作品だと伺っています。具体的にはどういったことを伝えたい想いがあったのでしょうか。

汐見「私の場合は、自分のおじいちゃんが戦争に行っていたらしく、『耳の横を銃弾が通り過ぎていった』とか『死んだふりして助かった』みたいな話をおじいちゃんから聞いて育った母から教えてもらいました。その話を聞いた時に、おじいちゃんがもし戦争で死んでしまっていたら、私は生まれていなかったんだということを考えるようになって。そういう意味で命が繋がれてきたこと、過去のことだけど自分の身近な人の話なので、他人事ではないというか。鹿児島で育ったこともあり、戦争に比較的早い段階から触れる機会もあったので、そういう環境ではない子に比べたら、自分の世代よりも上の人たちが経験するようなことを経験できたと思っています。自分が教員をしている時に高校生と話をしていると、戦争と聞いても本当にピンときていない感じで。おじいちゃん、おばあちゃんも戦争を知らない、戦後生まれだったりするので、『確かに、そうだよね』と思うことも多くて。授業で戦争の話を扱うと、『可哀想で見ていられない』という拒絶に近い反応だったり、『聞きたくない』と言い出す子も少なくなかったので、どうすれば伝えられるのかと考えて。小説でフィクションなら、ちょっと聞きやすくなるかもしれないと思ったんです。自分よりも下の世代にマイルドに感じて考えるきっかけになる、入り口になるような作品があると良いなという想いで書いたのが前作でした」

本作では愛する人を失った百合のその後が描かれる [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会
本作では愛する人を失った百合のその後が描かれる [c]2026「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」製作委員会

——その想いがちゃんと伝わり、広がっての続編ですね。

汐見「正直、書きたいから書いただけなのですが、インタビューを受けるたびに、執筆のきっかけがブラッシュアップされていって、いい話になっています(笑)」

——たくさんの方に愛された作品の続編。お2人のおすすめポイントを教えてください。

汐見「いっぱいありすぎるけれど…。インパクトがあったのは、学校の屋上での百合と涼のシーン。仕事の話をしている2人だけど、サイダーがプシューって飛び出したり、風で書類が飛び散るみたいな。すごく青春感があるシーンだと思うと同時に、あの書類は機密資料じゃなければいいなとか余計なことを考えたりして…(笑)」

福原「あのシーンの撮影は結構大変で。サイダーを振っても振っても、全然吹き出してくれなくて…(笑)。確か、何本も振った記憶があります」

汐見「そんなことがあったのか、と思いながら観たら、また違う印象のシーンになるかもですね(笑)。すごく青春感があって、好きなシーンです!」

福原、汐見の”泣いた映画”は? 撮影/MISUMI ヘアメイク/布野夕貴(福原遥) スタイリスト/川﨑加織(福原遥)
福原、汐見の”泣いた映画”は? 撮影/MISUMI ヘアメイク/布野夕貴(福原遥) スタイリスト/川﨑加織(福原遥)

——“泣ける映画”として社会現象を巻き起こした本作ですがお2人の泣ける映画をお聞かせください。

福原「私は『マリと子犬の物語』(07)を小さいころに観てすごく衝撃を受けて、号泣しました。その記憶が鮮明に残っていて、大人になってから観ても同じくらい泣いてしまうんです。災害で犬と離れ離れになってしまうんですけど、そのワンちゃんがどうにか生き残っていって…っていう物語で。本当に泣けますし、思い出しても泣いてしまいます」

汐見「実は私は映画を観てあんまり泣かないタイプで(笑)。でも、『あの花』は母娘のシーンで毎回めっちゃ泣きます。自分の原作の映画を言うのはちょっとちがうかなと思いつつ、いち観客として泣ける作品です。あとは『ミッシング』(24)。泣くというよりも絶望に近い感じで、3日間くらい引きずりました。もう1回観たいけれど、観られていない。人の悪意みたいなところを描いたすごい映画ですよね、あれは。やばい、また思い出して涙が。心が健康な時にしか観られない映画です。私も犬ものに弱いので、今度福原さんの泣ける映画、観てみます!」

福原「ぜひぜひ。本当に号泣です!」

取材・文/タナカシノブ

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