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20年前、26歳で“20歳上のベテラン俳優”と電撃婚。いまは夫の事務所社長を務める「美人女優」とは

  • 2026.8.26
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2006年撮影、婚約者の女優・中江里香の写真を手に笑顔をみせる俳優・村田雄浩(C)SANKEI

2006年10月13日、俳優・村田雄浩(当時46歳)が20歳年下の女優・中江里香(当時26歳)と結婚した。ちょうど二人が共演していた『渡る世間は鬼ばかり』第8シリーズの放送中で、ニュースは「20歳差」「電撃婚」の見出しで広がった。だが、そう消費されたぶんだけ、彼女自身の来歴は語られずに残った。相手は1992年の『ミンボーの女』『おこげ』での演技が評価され、『おこげ』で日本アカデミー賞助演男優賞ほか映画賞を数々受賞、「ゴジラ」シリーズにも5作に出演してきた実力派である。その隣に立った26歳は、決して「若さだけの新人」ではなかった。

芸名を三度変えて通り抜けた10代

1980年1月6日、静岡県生まれ。デビュー当初は名前が定まらず、畑中映里佳、実田江梨花、そして中江里香と、芸名を三度変えている。1993年末には「制服向上委員会」の2期生として短期間活動した記録も残る。

その後に選んだのが、仲代達矢主宰の無名塾だった。1997年のNHK朝の連続テレビ小説『あぐり』、『ショムニ』『水戸黄門』といった当時の看板シリーズに出演し、映画では『仄暗い水の底から』(2002年)などに名を連ねた。主演で名前を売るタイプではない。ただ、朝ドラと時代劇とオフィスコメディとJホラーを数年のうちに行き来できる俳優は、そう多くない。彼女は10代から、"どこに置いても成立する役者"としての信用を積んでいた。派手な代表作で記憶されるかわりに、現場のキャスティング表のなかで名前が回り続けるタイプの俳優だったということだ。

画面の中では、それぞれ別の相手の配偶者だった

出会いの場となった『渡鬼』第8シリーズは、2006年4月6日から翌年3月29日までの放送。中江里香が演じたのは料亭「大川」の娘・大川比呂で、幼なじみの勉と結ばれる役。村田雄浩は第4話から田口誠役で登場し、小島家の長女・愛(吉村涼)の夫、のちに「幸楽」の三代目を継ぐ人物を演じた。

つまり画面の中では、二人はそれぞれ別の相手と夫婦だった。恋人役として並んだわけではなく、同じ現場に半年通い、同じ台本を読み、待ち時間を共にした。村田は後年、決め手を「この人しかいない」と振り返っている。橋田壽賀子作品は、家族の言い合いを延々と撮り続ける長丁場だ。台詞は長く、撮影は押し、同じ食卓に何時間も座らされる。俳優の人柄がいちばん隠せない場所で、二人は互いを見ていたことになる。ちなみに村田は、共演した泉ピン子と家族ぐるみの付き合いを続けているとも語られており、この現場が彼にとって単なる仕事場ではなかったこともうかがえる。

結婚が発表されたのは、シリーズが折り返しに入った10月だった。放送中の共演者同士の結婚は、番組にとってもニュースになる。20歳という年齢差は当然のように騒がれた。派手な演出で押し切るのではなく、現場の延長線上でそのまま籍を入れた、という手触りの結婚だった。

3年後、49歳の父と生まれた一人娘

結婚から3年後の2009年9月、長女が誕生する。村田は当時49歳。「妻は20代…50歳目前パパに」といった見出しが並んだ。

このころから、彼女は表に出る仕事を減らしていく。村田映里佳として家庭に軸を移した判断は、20歳差の夫婦にとってもっとも現実的だった。夫は40代後半でキャリアの充実期、育児は始まったばかり。二人分の不規則な現場を同時に回すには無理があった。俳優をやめたというより、二人でひとつのキャリアを回すほうに賭けた、と言ったほうが近い。

降りたのではなく、立ち位置を変えた

それから20年近く。現在の村田映里佳は、夫の個人事務所の社長を務める。マネージャーとして現場に付くこともあり、村田のSNSにも頻繁に登場する。2026年5月には二子玉川のコーヒー店での夫婦ショットが投稿され、ショートヘアの46歳が「娘さんかと思った」と話題になった。8月19日放送の『徹子の部屋』では、芸歴50年を迎えた村田が、夫婦で取り組む家庭菜園や、一人娘を交えたボウリングについて語っている。村田は2012年にパーフェクトを達成し、2015年には名誉プロボウラー第1号に認定された腕前で、家族の趣味がそのまま本人の顔のひとつになっている。

20年前、彼女は「20歳年下の美人女優」という一行で紹介された。その一行は、10代から積み上げた出演歴も、無名塾で覚えた芝居も、半年の現場で相手を見極めた目も、何ひとつ含んでいなかった。女優・中江里香の名前は、いまクレジットには出てこない。けれど彼女は、俳優の仕事を辞めた場所からいちばん近いところに残り、芸歴50年の俳優を成立させる側に回った。「年下の妻」という記号でしか紹介されなかった人が、20年かけて、夫の仕事が続くための条件そのものになった。20歳差の結婚が20年続いている事実が示すのは、若さでも運でもなく、作品が生まれる場所に居続けることを選び直せる人の、静かな強さなのだ。


※記事は執筆時点の情報です

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