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部下の提案書ミスに長文を送った俺が、抱えていた過去

  • 2026.8.2
ハウコレ

後輩から届いた提案書の最終ページに、締切より1日ずれた日付が入っていました。

送信直後、既読の表示が下から順に灯り、俺は文面の長さを目にしました。給湯室で俺が最初に伝えたのは、あの長い理屈ではなく、たった一言だけでした。

送信ボタンを押した後で、俺は自分の書いた文字数を数えてしまった

若手のチェックは以前から俺が担当しています。あの日付欄に気付いた瞬間、頭に浮かんだのは10年近く前の自分の姿でした。同じような日付ミスで、クライアントの担当者から「今後の御社との取引について社内で協議します」というメッセージをもらった夏があります。結局その1社との取引はそこで終わりました。あの時に上司からもらった短い注意で済ませてもらった分、俺は同じ間違いを、後輩のうちに正させたかったのです。

既読が4つ並んだ画面を見て、送るべき長さではなかったと気付いた

送信ボタンを押した直後、既読を示す表示が下から順に灯りました。自分の書いた文面の長さに気づいたのはそのときです。ミスの箇所を指摘するだけなら、短い一言で済んだはずでした。それを、俺は自分の若手時代の失敗まで持ち出して、彼女の画面を占領させてしまったのです。返信は来ませんでした。しばらくして、既読の表示は変わらないまま、彼女のアカウントの緑色の点も消えました。彼女がスマホを閉じたのだと分かって、俺は「送るべきではなかった」を最後まで打ち込む前に、椅子の背もたれに深くもたれました。

翌日の給湯室で、伝え直したかったのはただ一言だった

翌日、彼女は俺と目を合わせないままデスクへ座りました。書類を運んでいく背中を見ながら、まずは俺から声をかけよう、と決めていました。昼、給湯室で1人になった彼女に、俺は「あのメッセージ、重かったよね。ごめん」と切り出しました。彼女は蛇口を止めて、「いえ……、私、全否定されたのかと思って」と小さく答えました。彼女の指先が、洗ったマグカップの底を何度もこすっていることに、俺はそこで気付きました。「同じ思いをしてほしくなかったんだ」と続け、「俺も昔、同じような日付のミスで、クライアントを1つ失ったんだ」と、初めて彼女に打ち明けました。

そして...

あれから、彼女への指摘は、まず短い一言を送るようにしています。長い説明が必要なときは席まで足を運び、直接伝えます。文字数を数える癖は今も残っています。でも今は、「伝えたいこと」より「伝わる伝え方」を先に考えるようになりました。

(30代男性・営業課長)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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