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「公園で遊んでくれ、車に当たるから」防犯カメラ越しに注意する隣人。翌朝、話し合いをした結果

  • 2026.8.3

六人ぶんの声が響く夕方

家の前の道は行き止まりで、車はほとんど入ってきません。

うちの庭とも地続きで、夕方は子どもの集合場所です。

その日そこにいたのは、六人です。隣の家の二人と、うちの二人、反対側の家の二人。ゴムボールを転がして、電柱を目印に走り回ります。

「ボール、こっち」

隣の家に新しい車が来たのは、一週間ほど前です。

車庫の屋根の下に、いつもぴかぴかで入っています。

ボールは低いまま、そちらへ飛んだことは一度もありません。

車庫のカメラから声がした

音が鳴ったのは、そのときです。車庫の柱の黒いカメラから、男の人の声が流れました。

「公園で遊んでくれ、車に当たるから」

六人が一斉に止まりました。声のほうを見ても、そこには機械しかありません。

隣の家の二人が、ボールを置いて玄関に入っていきました。

「うちの子だけ怒られたのかな」

反対側のお母さんが、玄関から出てきて言いました。

「六人でいたので、みんなにだと思います」

残った四人は、ボールを片づけて縄跳びに切り替えました。

文句を言う子はいませんが、順番に跳ぶ姿は、ずいぶん静かでした。

その夜、隣の奥さんからメッセージが届きました。ボール遊びを控えてほしい、という短い文です。

三年住んで、初めての連絡でした。

扉の向こうから出てきた人

翌朝、ごみを出したその足で、隣の家のインターホンを押しました。

返事までに、少し間があります。

「昨日のことです。カメラ越しではなく、直接お話しできませんか」

スピーカーは、しばらく黙っていました。

切れたのかと思った頃、玄関の鍵が回る音がします。扉が開いて、ご主人が出てきました。顔を見るのは初めてです。

「……すみません、あんな言い方をして」

「いえ。当たったら大変ですから、言っていただいてよかったです」

「納車したばかりで、気が立っていて」

ご主人は車庫を一度見てから、うつむきました。

「うちの子にも、外で遊ぶなと言ってしまいました」

そこへ、反対側のお母さんも出てきました。三人で立ったまま、遊び場所の話になります。

ボールは坂の下の公園、道では縄跳びとチョーク。決まるまでに五分もかかりませんでした。

「じゃあ、うちの子も公園まで一緒に行かせます」

そう言ったとき、後ろの廊下から二人ぶんの顔が覗いていました。

その日から、六人はそろって坂を下っていきます。カメラのスピーカーは、あれきり一度も鳴っていません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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