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高校生との10歳差の恋、養父との禁断愛。「VIVANT出演女優」が演じた“普通ではない恋”たち

  • 2026.8.11
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2016年1月、映画『蜜のあわれ』試写イベントに出席した二階堂ふみ(C)SANKEI

高校生と10歳年上の女性。養父と、その娘として育てられた少女。人間の姿になった金魚と老作家。二階堂ふみは、これまで何度も、一言では説明しにくい関係の中にいる女性を演じてきた。年齢や立場、家族という境界線を越えてしまう恋。それは必ずしも幸福な物語ではなく、時には危うさや痛みを伴う。

そんな二階堂が出演した2023年放送のTBS系ドラマ『VIVANT』は、2026年7月から続編がスタートした。二階堂も医師・柚木薫役で続投。壮大な物語の再始動を前に、彼女が過去作で演じてきた“普通ではない恋”にも、あらためて目を向けたくなる。

27歳の女性と17歳の高校生

2021年放送のTBS系ドラマ『プロミス・シンデレラ』で、二階堂が演じたのは27歳の桂木早梅。夫から突然離婚を切り出され、家もお金も失った早梅は、裕福な家庭に育った17歳の高校生・片岡壱成と出会う。

2人の年齢差は10歳。しかも壱成は高校生で、早梅は結婚と離婚を経験した大人の女性だ。

出会った当初、壱成は早梅にさまざまな無理難題を突きつける。早梅も彼に守られるだけの存在ではなく、正面からぶつかり、時には叱り飛ばす。大人と子どもという分かりやすい関係に収まらないところが、2人の面白さだった。

恋愛へ進むには、あまりにも大きな壁がある。それでも二階堂は、年下の少年に振り回される女性を単なる“困った大人”には見せなかった。強気な態度の奥に、裏切られた痛みや自信の揺らぎをにじませることで、早梅が少しずつ壱成に心を開いていく過程に説得力を持たせていた。

『私の男』で踏み込んだ、さらに危うい関係

二階堂が演じた年齢差のある関係は、『プロミス・シンデレラ』のようなラブコメディーだけではない。

2014年公開の映画『私の男』では、災害によって家族を失い、遠縁の男・腐野淳悟に引き取られた少女・花を演じた。親子として暮らし始めた2人は、やがて養父と娘という一線を越えてしまう。

許されないと分かっていても、互いを手放せない。そこにあるのは、きれいな恋愛感情だけではなく、孤独や依存、家族を失った者同士の結びつきだ。

二階堂は、少女から大人へ成長する花の危うさを、説明的な台詞に頼らず表現した。淳悟を求める視線には愛情と支配欲が入り交じり、2人だけの世界にとどまろうとする姿は、見る側を簡単には安心させない。

この作品は、第36回モスクワ国際映画祭の最優秀作品賞を受賞した。まだ10代だった彼女が、倫理だけでは割り切れない人物の感情を演じ切ったことは、その後のキャリアを考えるうえでも大きな出来事だった。

人間ですらない少女との不思議な恋

2016年公開の映画『蜜のあわれ』で演じた赤子は、金魚から人間の少女へ姿を変えた存在だ。共に暮らす相手は、赤子が「おじさま」と呼ぶ老作家。ここでも二階堂が身を置くのは、年齢だけでなく、そもそも人間と金魚という境界を越えた関係だった。

赤子は無邪気で、自由奔放で、どこか艶めかしい。老作家を翻弄しながらも、その姿には人間の常識に縛られない軽やかさがある。

『私の男』の花が閉ざされた関係の中で生きる少女なら、『蜜のあわれ』の赤子は境界そのものを軽々と飛び越える少女だ。同じ“年上の男性と若い女性”という構図でも、二階堂はまったく異なる温度の人物を立ち上げてみせた。

境界線の内側と外側を演じる女優

『VIVANT』の柚木薫は、これらの役とは異なり、医師として自立した大人の女性だ。堺雅人演じる乃木憂助との関係も、学生と大人、養父と娘、人間と金魚といった分かりやすい禁断の構図ではない。

それでも、乃木が国家規模の秘密を抱える人物である以上、薫の恋もまた平穏とは言い難い。相手のすべてを知ることができないまま、それでも信じられるのか。そこには二階堂が過去作で演じてきた、“境界線のそばに立つ女性”の姿が重なる。

高校生との10歳差恋愛から、養父との逃れられない関係、老作家と金魚の幻想的な暮らしまで。二階堂ふみは、普通なら立ち止まってしまう境界の先へ進む女性たちを演じてきた。

『VIVANT』の新シリーズで、薫と乃木の関係はどこへ向かうのか。物語の行方とともに、二階堂が今度はどんな表情で“簡単には語れない愛”を見せるのかにも注目したい。


※記事は執筆時点の情報です

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