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20年前、黒髪ストレートに憧れていた長澤まさみ。イケメン俳優と【夫婦役】を希望した過去

  • 2026.9.19
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2006年9月、「The Beauty Week Award 2006」でアクトレスビューティーアワードを受賞した長澤まさみ(C)SANKEI

今から20年前の2006年9月、長澤まさみは「The Beauty Week Award 2006」でアクトレスビューティーアワードを受賞した。美容室などで行われた投票では、10代から多くの支持を集めたという。誰かがまねしてみたくなる髪形の持ち主になっていた長澤が、その席で憧れを口にしたのは、同じ賞を受けた栗山千明の長いストレートの黒髪だった。

自分が選ばれた日にも、隣にいる人の髪をすてきだと思う。受賞を喜ぶ姿には、そんな19歳の素顔ものぞく。一方、当時の長澤は、映画とテレビで違うヒロインを演じていた。見た目への注目と、次の役を見る楽しみが、同時にふくらんでいた時期である。

沖縄の妹と浅草の女子高校生組長

2006年9月公開の映画『涙そうそう』で、長澤が演じたのはカオル。高校進学を機に島を離れ、妻夫木聡演じる兄・洋太郎のもとへやって来る少女だ。両親の再婚で兄妹になった二人が、沖縄で一緒に暮らし始める。

兄を慕う妹を演じた二人が次に共演するとしたら、どんな関係になるのか。当時の取材で長澤が夫婦役を希望する一幕があった。監督から恋人ではないのかと聞かれても、答えは夫婦。切ない兄妹の物語を離れた途端、次の二人の姿を思い浮かべたくなる受け答えだった。

同じ年の2006年10月に始まったTBS系ドラマ『セーラー服と機関銃』では、長澤は連続ドラマの初主演を務めた。演じた星泉は、ひょんなことから浅草の目高組の組長を継ぐ女子高校生。ドジで生真面目な少女が、年上の組員たちと向き合う物語だ。

妹として兄と暮らすカオルと、大人たちを率いる立場になる泉。同じ年ごろの少女を演じていても、相手との関係がまるで違う。制服姿のヒロインという言葉だけでは、二つの役の違いを言い表せない。長澤を見る楽しみは、その人がどんな相手と並ぶのかにもあった。

変身が役そのものになった

そこから時を進めた2018年。フジテレビ系ドラマ『コンフィデンスマンJP』で長澤が演じたダー子は、相手を信用させて金をだまし取る、腕利きの信用詐欺師だった。ボクちゃん、リチャードと組み、標的に合わせてさまざまな人物になりすます。

ダー子の場合、装いを変えること自体が物語を動かす。長澤も、見た目の遊びをダー子のユーモアとして生かす感覚だと話していた。髪形や衣装を整えるのは、きれいに見せるためだけではない。相手にどんな人物だと思わせるか、見ている側をどこで楽しませるか。そのための仕掛けでもある。

長澤は当時のインタビューで、笑いを狙うことと、真剣に芝居をすることの両方を大切にしていた。面白い格好をしただけで終わらず、その人物として丁寧に演じる。ダー子の大胆な変身も、そんな考えの上にある。衣装が派手になるほど、演じる人の細かな仕事が要るのだ。

「次の顔」を待つ楽しみへ

2006年に栗山の黒髪への憧れを語った長澤は、自分と違う装いの魅力に目を向けていた。2018年のダー子では、長澤自身がいくつもの姿になって現れる。憧れの髪形を語る姿も、役に合わせて装いを変える姿も楽しい。同じ俳優を見ているのに、時とともに、その楽しみ方が増えている。

カオルとして兄を慕い、泉として年上の組員たちの前に立つ。さらにダー子となれば、他人を信じ込ませるために別の人物を演じる。髪形や衣装の変化の奥で、相手に向ける顔も変わる。20年前の受賞を振り返ると、まねしたくなるヒロインだった長澤に、いまでは次にどんな顔を見せてくれるのかという期待も重なっている。


※記事は執筆時点の情報です

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