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33年ぶりに、夫婦役として共演へ。フジ大ヒットドラマの【すれ違いヒロイン】とは

  • 2026.9.19
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石田ひかり-1994年6月撮影

2026年9月、映画『さとこはいつも』の先行上映会で、石田ひかりと筒井道隆が並んだ。共演はフジテレビ系『あすなろ白書』以来、33年ぶり。今回は夫婦役で、石田は3人の息子を育てた後に小説家の夢を思い出す55歳の里子を演じている。

二人の名前がそろうと、1993年の園田なるみと掛居保が浮かぶ。石田が演じたなるみの真っすぐさは、33年後に振り返っても、物語のまぶしさと危うさをよく伝えている。

シャープペンシルから始まった出会い

1993年10月に放送が始まった『あすなろ白書』は、柴門ふみの漫画を北川悦吏子の脚本でドラマ化した作品だ。念願の大学に入ったなるみは、掛居、取手、星香、松岡と「あすなろ会」を作る。石田と筒井に加え、木村拓哉、鈴木杏樹、西島秀俊が演じた五人の、恋愛と友情の物語だった。

なるみと掛居の出会いには、入試のときに借りたシャープペンシルがある。試験会場で助けてくれた人が、大学での仲間になる。新しい生活の始まりに、すでに小さな縁があるところがいい。大きな告白より前に、相手を覚えている理由が置かれている。

石田が演じるなるみは、遠くから眺めていたいだけのヒロインではない。掛居に惹かれると、自分の気持ちをまっすぐ差し出す。相手に恋人がいると知っても、好きだという思いを簡単には引っ込めない。その一生懸命さが、恋を進める力にも、二人を苦しくするものにもなる。

優しい色の服に収まらない一途さ

なるみの装いには、ジャケットやニット、チェックのスカートといった大学生らしい服が使われていた。パステルカラーの柔らかさも、彼女の印象の一つ。学生たちの物語に、手の届きそうな日常の形がある。

けれど、柔らかな服の印象と、恋に向かうなるみの勢いは、ぴったり同じではない。優しそうに見える人にも、譲れない気持ちがある。掛居との関係では、その真剣さが強く出る。石田が担ったのは、ただ感じのよい女の子として好かれるだけでは終わらないヒロインだった。

掛居となるみは、互いに惹かれ合いながら、すれ違う。なるみの一生懸命さが、相手を縛る形になってしまうこともある。好きな気持ちが強ければすべてうまくいく、という話ではない。それでも気持ちを隠して器用に立ち回れないなるみには、見ている側が放っておけなくなる危うさがある。

恋をする二人の周りには、取手や星香、松岡もいる。なるみだけの願いで、五人の時間が進むわけではない。友達として一緒にいたい気持ちと、誰か一人に選ばれたい気持ち。その両方があるから、仲間がそろった場面にも、単純な楽しさだけでは済まないものが生まれる。

同じ二人に違う暮らしを想像する

『あすなろ白書』の五人は、やがてそれぞれの場所へ進んでいく。あの仲間と過ごす毎日が、ずっと同じ形では続かない。大学という新しい世界に飛び込んだなるみのまぶしさは、その時間に限りがあることと切り離せない。

2026年の『さとこはいつも』で、石田と筒井が演じるのは、もうなるみと掛居ではない。新しい物語の夫婦だ。それでも、かつて二人が大学生の恋を演じていた時間を知っていると、同じ俳優が並ぶこと自体に、長い年月を感じる。

掛居を好きになり、自分の思いをまっすぐぶつけていたなるみ。その姿を覚えているからこそ、別の作品で暮らしを重ねた女性を演じる石田にも、違う楽しみがある。33年ぶりの共演は、懐かしい顔がそろうだけでなく、あのころ夢中になった人物を、もう一度思い出す機会にもなっている。


※記事は執筆時点の情報です

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