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教師も医師も惹きつけた「朝ドラ女優」禁断の年上愛を繰り返し演じた“少女役”の磁力

  • 2026.8.8
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2025年4月、映画『ゴーストキラー』公開記念舞台挨拶に登壇した髙石あかり(C)SANKEI

教師に恋を持ちかけられ、別の作品では医師の心まで揺らす。2025年後期の連続テレビ小説『ばけばけ』でも知られる髙石あかりは、少女と年上の大人という、簡単には踏み越えられない境界を描く役を繰り返し演じてきた。相手が教師でも医師でも、その関係には立場や年齢の差があり、まっすぐな恋愛として片付けるには危うすぎる。

それでも、髙石が演じると、その少女がただ大人に振り回されているようには見えない。相手の弱さを見抜き、ときには自分から距離を縮めていく。その静かな強さが、禁断の関係に独特の説得力を与えている。

教師との恋を、冷静なまなざしで受け止める

2023年放送のMBSドラマ『墜落JKと廃人教師』で、髙石が演じたのは女子高校生の落合扇言だ。失恋をきっかけに学校の屋上から飛び降りようとしていた扇言。その前に現れた教師・灰葉仁は、教師らしい言葉で説得するのではなく、自分との恋愛を持ちかけて彼女を引き止める。

教師と生徒の恋愛というだけでも危ういのに、2人の関係は生と死が隣り合う場面から始まる。灰葉は扇言への思いを隠そうとせず、扇言もまた、そんな教師を突き放しきれない。

ここで髙石は、恋に浮かれる少女を演じているわけではない。灰葉の言動にあきれ、警戒しながら、その奥にある孤独や不器用さを見つめている。大人であるはずの教師が感情をむき出しにし、生徒である扇言が冷静に受け止める。この立場の反転が、作品の面白さを支えていた。

映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズの殺し屋・ちさと役でも知られる髙石は、無表情に近い顔の中で感情を細かく動かす俳優だ。扇言にも、その持ち味がよく表れている。何を考えているのか簡単には読ませないからこそ、灰葉が彼女にのめり込んでいくことにも妙な納得感が生まれる。

医師を惹きつけても、単なる“魔性”にならない

2023年公開の映画『セフレの品格 決意』でも、髙石は年上の医師を慕う17歳の少女を演じている。

教師の次は医師。立場のある大人を惹きつける役が続くと、いわゆる“魔性の少女”という言葉でまとめたくなるかもしれない。

しかし、髙石の役には、相手を翻弄することだけを楽しむような余裕はない。年齢に似合わない大胆さを見せる一方で、拒まれる怖さや、相手に選んでほしいという切実さもにじませる。

大人の男性を「落とす」という強い言葉だけでは、彼女の芝居は捉えきれない。むしろ目を引くのは、大人だから正しいとは限らないと知っているような視線だ。相手の肩書に守られるのではなく、その人の迷いや弱さに先に気づいてしまう。だから教師や医師のような立場のある人物と向き合っても、一方的に導かれる子どもには見えないのだろう。

大人の不完全さを映し出す少女

2025年公開の映画『夏の砂の上』で髙石が演じた優子も、大人たちの世界へ突然投げ込まれる少女だ。長崎を舞台にした同作で、優子は母に連れられ、叔父の小浦治のもとへやって来る。治自身も大きな喪失を抱え、妻と別居し、人生を立て直せないままにいる。

『墜落JKと廃人教師』や『セフレの品格 決意』とは異なり、ここで“少女と年上の恋”が物語の中心になるわけではない。それでも、髙石が演じる少女と大人の関係には共通するものがある。

大人は完成された存在ではなく、少女を正しく導けるとも限らない。優子は守られるだけの存在ではなく、同じ家で暮らしながら、治の停滞や痛みを浮かび上がらせていく。

髙石の少女役に禁断の関係が集まるように見えるのは、幼さと大人びた強さを同時に見せられるからかもしれない。

教師にも、医師にも、傷を抱えた叔父にも、従順に守られるだけでは終わらない。相手の不完全さを見抜き、静かなまなざしで大人の心を揺らしてしまう。

境界線の上に立つ危うい少女。その役を単なる被害者にも、小悪魔にもせず、一人の人間として成立させるところに、髙石あかりの少女役が繰り返し求められる理由があるのだろう。


※記事は執筆時点の情報です

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