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「卵を一番下に置くな、割れるだろ」レジでキレる客。だが、チーフの対応で状況が一変

  • 2026.8.1
「卵を一番下に置くな、割れるだろ」レジでキレる客。だが、チーフの対応で状況が一変

夕方のレジに響いた怒鳴り声

平日の夕方は、レジがいちばん混みます。仕事帰りの人と、夕飯の買い物客が重なる時間帯です。

5年ほど前、私はその時間のレジ打ちを担当していました。

50代くらいの男性が、カゴをどんと台に置きました。中身は多く、飲み物のボトルが何本も入っています。

いちばん上には、卵のパックがのっていました。

いつも通り、上のものから順に取り出してスキャンしていきました。通した商品は、隣の空きカゴに移していきます。

三つ目を読み取ったところで、突然、声が飛んできました。

「卵を一番下に置くな、割れるだろ」

手が止まりました。まだカゴから出しただけで、袋詰め用の台には何も移していません。

「申し訳ございません」

反射的に頭を下げました。声が震えていたと思います。

「常識がないのか。割れたら誰が弁償するんだ」

「順番を確認してから、お通しします」

「頭が悪いやつはレジに立つな」

その一言で、周りの音が消えました。後ろには10人ほどの行列ができています。誰も、何も言いません。

スキャンの電子音だけが、やけに大きく響いていました。

チーフが戻ってきて言ったこと

売場の奥から早足で出てきたのは、その日の責任者だったチーフでした。

「お客様、こちらのレジが空いております。お会計はあちらでどうぞ」

「は?途中だぞ」

「カゴごとお運びします。すぐお通しできますので」

やり取りは30秒ほどでした。男性は舌打ちをして、隣の列へ移っていきます。

私は残ったカゴを見つめたまま、指を動かせずにいました。

ところがチーフは、そのまま奥へ戻りませんでした。私の横まで来て、少しだけ声を張ったのです。

「今の手順、間違ってないよ。卵はまだ台に移す前だったからね」

責める調子は、どこにもありませんでした。ただ、事実だけを置いていくような言い方でした。

列の先頭にいた年配の女性が、すぐに口を開きました。

「見てましたよ。あなた、何も悪いことしてない」

「そうよ、卵は上に置いてあったもの」

後ろの人たちが、小さくうなずいています。

若い男性は二度うなずいてから、自分のカゴを台に置き直してくれました。

「お待たせして、すみません」

「いいのよ、ゆっくりで」

隣のレジのほうから、視線を感じました。

あの男性が、こちらを見ています。目が合いましたが、何も言いませんでした。

札を出して、釣り銭を財布にしまう手が、途中で一度止まります。そのまま袋も広げずに、出口へ歩いていきました。

振り返ることはありませんでした。

次の商品をつかんだとき、手はもう震えていませんでした。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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