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夫の死後“4,500万円の財産”を相続→500万円を住宅ローン返済に使おうとするが…数日後、判明した事実に妻が“絶句したワケ”

  • 2026.8.8
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

「わが家の財産といえるのは、自宅と少しの預貯金くらい」という方もいるでしょう。

さらに、その自宅に住宅ローンが残っているから、「借金を差し引けば、相続税は関係ないだろう」と考える方もいるのではないでしょうか。

70歳の女性・Mさん(仮名)も、夫名義の自宅には住宅ローンが残っており、そのほかの財産も預貯金くらいだったため、相続税はかからないと思っていたそうです。

「住宅ローンが残っているから大丈夫」のはずが…

Mさんの夫が亡くなったのは、年が明けて間もない頃でした。

葬儀などの手続きがひと通り終わり、少し落ち着いたところで、Mさんはひとり息子と相続について話し合いました。

夫が残した財産は、相続税評価額2,500万円の自宅と、預貯金など約2,000万円です。一方、自宅の住宅ローンは500万円ほど残っていました。

「財産は全部で4,500万円だけど、住宅ローンの残り500万円を差し引けば4,000万円になるよ。相続税の基礎控除の範囲内じゃないかな」

息子からそう言われ、Mさんも安心していたそうです。

数日後、住宅ローンの契約内容を確認すると、夫は団体信用生命保険に加入していました。

このことを息子に話すと「念のため、税理士に相談に行ってみようか」と、2人で税理士事務所に行くことに決めました。

団体信用生命保険で住宅ローンは完済される

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

財産や住宅ローンの内容を伝えると、税理士から思いがけないことを告げられます。

「ご主人は団体信用生命保険に加入しているため、残っている住宅ローンは保険金で完済されます。そのため、マイナスの財産として差し引くことができません」

「亡くなったときには、ローンが残っているのに?」

ショックを受けるMさんに、税理士は説明を続けました。

「相続財産から差し引けるのは、原則として相続人が引き継いで支払う債務です。今回は、ご主人が亡くなったことで住宅ローンの返済が免除され、Mさんや息子さんが支払う必要はありません。そのため、相続税の計算上の債務にはならないのです」

ローンが差し引けないと知り、気落ちするMさん。

小規模宅地等の特例で評価額を下げる

「けれど、安心してください。Mさんが自宅を相続する場合、要件を満たせば『小規模宅地等の特例』を利用できる可能性があります」

小規模宅地等の特例とは、亡くなった人が生前に住んでいた自宅の土地などについて、いくつかの要件を満たす場合、土地の相続税評価額を最大80%減額できる制度です。

Mさんの自宅の相続税評価額2,500万円の内訳は、土地が2,000万円、建物が500万円でした。

自宅の土地全体に特例を適用できるとすると、土地の評価額は2,000万円から400万円に下がります。

土地400万円と建物500万円、預貯金など2,000万円を合わせると、課税価格の合計は2,900万円です。

Mさんと息子の2人が法定相続人である場合、相続税の基礎控除は次のように計算します。

3,000万円+600万円×2人=4,200万円

この前提であれば、課税価格の合計は基礎控除の範囲内となり、相続税はかかりません。

ただし、小規模宅地等の特例を利用するためには、特例の適用によって相続税が0円になる場合でも、必要書類を添えて相続税の申告をする必要があります。

住宅ローンがある家庭こそ確認したいこと

Mさんは「こんなに気持ちが振り回されるなら、事前にきちんと確認しておけばよかった」と話をしてくれました。

Mさんが言うように、相続発生時に慌てないためにも、財産や借入金を確認する際は、金額だけでなく契約内容まで確認しておきましょう。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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