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“退職代行”で会社を辞めた50代男性→失業給付の手続きでハローワークへ行くが…窓口で告げられた“思わぬ一言”に「どうしよう…」

  • 2026.9.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、退職代行を使って会社を辞めた50代のAさんの体験談です。

「これで全部終わったはず」

そう思っていたAさんでしたが、失業給付の手続きが進みませんでした。退職代行を使う前に確認しておくポイントをご紹介します。

「もう会社と話したくない」

Aさん(50代)は、20年以上勤めた会社を辞めることにしました。給与は月32万円ほどです。

上司との関係がこじれ、退職を切り出せないまま半年が過ぎています。

「もう、あの人と話したくない」

Aさんが選んだのは退職代行でした。費用は3万円ほどです。依頼した翌日には話がつき、私物も郵送で戻ってきました。

「これで全部終わったはず」

Aさんはそう思い、失業給付の手続きのためにハローワークへ向かいました。

「離職票がないと、原則として進みません」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

窓口でAさんが告げられたのは、思わぬ一言でした。

「離職票はお持ちですか」

Aさんは持っていません。退職代行に頼んだのだから、まとめてやってもらえていると考えていました。

「退職代行は、退職の意思をお伝えすることはできますが、離職票を出す流れは別です。会社が資格喪失届と離職証明書をハローワークへ提出し、そのうえでハローワークが離職票を発行します」

つまり、辞めること自体は済んでいても、給付を受けるための書類は、会社とハローワークの手続きを経て届くことになります。

なお、令和7年1月20日から、条件を満たせば離職票をマイナポータルで直接受け取れるようになっています。会社が電子申請をしていることなどが前提です。

「どうしよう…会社に催促の電話をするしかないのでしょうか」

「退職日の翌日から12日以上たっても届かない場合は、こちら(ハローワーク)にご相談ください。手続きを進められる場合があります」

Aさんは会社に連絡を取りたくなかったため、ハローワークに相談することにしました。

給付制限は「原則1か月」に短くなっている

手続きの見通しについても説明を受けました。

正当な理由のない自己都合退職の場合、7日間の待期の後に給付制限がかかります。この期間は、令和7年4月1日以降に離職した方であれば原則1か月です。それ以前は原則2か月でした。

ただし、退職日から遡って5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合で退職して受給資格決定を受けている場合や、重責解雇にあたる場合は3か月になります。

「1か月でも、収入がないのは不安です」

担当者は、給付制限が解除される仕組みも案内しました。令和7年4月以降に受講を開始した教育訓練等を、離職日前1年以内に受けていれば、自己都合でも給付制限が解除されます。

「講座を受けていれば、1か月待たなくてよかったということですか」

要件を満たせば、給付制限は解除されます。ただし、7日間の待期そのものはなくなりません。離職後に対象の訓練を始めた場合も、解除されることがあります。

また、雇用保険では、一般の受給資格者のほかに、倒産や解雇などによる特定受給資格者、正当な理由のある自己都合退職や一定の雇止めなどにあたる特定理由離職者という区分があります。ふだん「自己都合」「会社都合」と呼んでいるものと、そのまま一対一で対応するわけではありません。

離職票の離職理由欄に納得できないときは、申し出ることができることも覚えておきましょう。

退職前に受け取るもの、退職後に届くもの

Aさんの離職票は、相談してから2週間ほどで届きました。

今回の経験を振り返ると、退職前に準備しておくものと、退職後に届くものを分けて考えておく必要がありました。

退職前に手元に確保しておきたいのは、雇用保険被保険者証や給与明細、会社の連絡先などです。一方、離職票や源泉徴収票は、退職後に会社側の手続きを経て交付されます。源泉徴収票は、原則として退職後1か月以内に交付されます。

健康保険の資格喪失を証明する書類は、必ずしも自動で届くとは限りません。必要な場合は、まず会社や加入していた健康保険の保険者に確認しましょう。協会けんぽに加入していた場合は、本人が日本年金機構へ「資格取得・資格喪失等確認通知書」を請求する方法もあります。

退職代行は、勤務先とのやり取りを代わりに行ってくれるサービスです。ただし、依頼しただけで離職票などの必要書類が自動的に発行され、手元に届くわけではありません。

書類の送付依頼まで対応してもらえるのか、送付先や連絡方法をどうするのか。退職代行を利用する場合は、依頼前にこうした点も確認しておくと安心です。


執筆・監修:中川 佳人

金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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