1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. “死亡保証2,000万”の生命保険に入っていた60代夫→「万一のときも大丈夫」のはずが…保険会社に告げられた“1,500万”の大誤算

“死亡保証2,000万”の生命保険に入っていた60代夫→「万一のときも大丈夫」のはずが…保険会社に告げられた“1,500万”の大誤算

  • 2026.9.21
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務し、営業や営業所長、企画、事務などを経験してきた「あしふみ」です。

「夫は死亡保障2000万円の生命保険に入っているから、万一のときも大丈夫」

そう安心していても、その2000万円が何歳まで続く保障なのかを確認したことはあるでしょうか。

生命保険には、一生涯続く保障と、一定の年齢で終わる保障を組み合わせた契約が少なくありません。加入したときの保険金額が、そのままずっと続くとは限らないのです。

今回は、夫の保険を久しぶりに見直し、死亡保障が思っていた金額と違っていた64歳女性の事例を紹介します。個人が特定されないよう、内容の一部を変更して構成しています。

「夫には2000万円の保障がある」と思っていたAさん

Aさん(仮名・64歳)の夫は65歳。30代のころから同じ生命保険に加入し続けてきました。

子どもが小さかった当時、夫に万一のことがあっても家族が生活に困らないようにと準備した保険です。

Aさんは夫から「死亡保障は2000万円ある」と聞いており、その金額をずっと記憶していました。

やがて子どもは独立し、夫婦で老後の家計を整理することに。長らくしまい込んでいた保険証券を、久しぶりに取り出しました。

「この保険、今はどういう内容になっているんだろう」

二人で見比べても分かりにくい部分があったため、保険会社に問い合わせることにしました。

そこでAさんは、思いがけない説明を受けることになります。

「1500万円の特約は60歳で終了しています」

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

夫が加入していた保険の死亡保障2000万円には、内訳がありました。

一生涯続く「終身保険」の死亡保障が500万円。そこに、一定期間だけ保障を上乗せする「定期保険特約」1500万円が付いていたのです。

そして、その1500万円の特約は、夫が60歳になった時点ですでに終了していました。

つまり、現在残っている死亡保障は、終身部分の500万円のみ。

Aさんは驚きを隠せませんでした。

「そんな…。2000万円の生命保険に、ずっと入っていると思っていました」

加入時には家族を守るために用意した2000万円。しかし、その全額が一生涯続く契約ではなかったのです。

「終身」なのは、どの部分の保障か

終身保険とは、原則として死亡保障が一生涯続く保険を指します。

ただし、一つの契約に複数の保障が組み合わされている場合、契約全体が終身とは限りません。

今回の夫の契約でも、500万円の終身保険に、60歳までの定期保険特約1500万円が上乗せされる形になっていました。

特約が付いている間の死亡保障は合計2000万円ですが、特約が終了すれば終身部分の500万円だけが残ります。

特約の満了年齢や更新の有無は契約によって異なるため、「昔、2000万円の保険に入った」という記憶だけでは、現在の保障額を正しく把握することはできません。

保障が減ったからといって、すぐ入り直す必要はない

Aさん夫婦は、現在の死亡保障が500万円だと分かった後、老後の生活に必要なお金を改めて整理することにしました。

子どもが小さかったころは、教育費や家族の生活費を長期にわたって支えるため、大きな保障が必要でした。一方、子どもが独立した今は、当時とは家族の状況が大きく変わっています。

Aさんも「1500万円なくなった分を、すぐ別の保険で補わなければ」と焦ったわけではありません。夫婦の預貯金や今後の年金収入、万一の際に必要な費用を確認したうえで、今の500万円で足りるのかを冷静に考えることにしました。

年齢を重ねてから新しい保険に加入しようとすると、保険料が高くなったり、健康状態によっては加入自体が難しくなったりすることもあります。かといって、内容を確認しないまま長年続けてきた保険を慌てて解約するのも避けたいところです。

保険証券では「金額」と「いつまで」を確認

長く加入している生命保険ほど、契約した当時の印象がそのまま記憶に残りがちです。

保険証券や契約内容のお知らせを見ながら、現在の死亡保障はいくらか、終身の保障はいくらか、特約は何歳まで続くのかを、一度確認してみてください。

書類だけでは分かりにくければ、保険会社に「今、万一のことがあったら、死亡保険金は合計いくらですか」と尋ねてみると、答えが見えてきます。

保障が減っていると分かっても、必要以上に心配することはありません。今の家族の暮らしに照らして、足りているのか、見直す必要があるのかを考えるきっかけにできれば十分です。

「2000万円あるはず」と思っていた保険。久しぶりに開いた証券には、思っていたのとは違う、今の保障額が書かれているかもしれません。


※保障期間、特約の満了年齢、更新の有無などは、保険会社・商品・契約時期によって異なります。詳しくは保険証券や約款を確認するか、加入先の保険会社へお問い合わせください。

執筆:あしふみ

大学卒業後、国内大手生命保険会社に35年間勤務。個人・法人営業、営業所長、企画・販売促進、事務部門などを経験。FP2級の知識と保険実務の経験を生かし、保険や家計に関する情報を分かりやすく伝えている。

の記事をもっとみる

注目コンテンツ