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「ちゃんと調べていれば…」亡き父から“金地金”を相続→2,000万円で売った40代娘…後日、税理士から告げられた“驚きの一言”

  • 2026.9.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

相続が発生すると手続きから申告までとても大変です。そのため無事に申告が終われば、ほっとするでしょう。
40代の女性・Sさんも「ようやく終わった」と安心しきっていました。

「あのとき、ちゃんと調べていれば」と後悔する日がくるとは思いもせずに…。

父が遺した金地金の価値が2,000万円に!?

「金の価格がすごく上がっているぞ!」

興奮した様子で兄から連絡が来たのは、暑さがやわらいできた夏の終わり頃。

Sさん兄妹の父が亡くなったのは3年前。遺産の大部分が金地金でした。相続時の評価額は1,600万円、兄妹で仲良く半分ずつ相続。

相続から3年間、Sさんは金庫に入れっぱなし。金価格の動向なんて気にしたこともありませんでした。

「いまが売り時だから換金するぞ!」兄の勢いに押され、金属買取業者を呼び兄妹の金地金をまとめて売却しました。

「4,000万円…?それぞれ2,000万円ってこと?」あまりの高値に嬉しいやらびっくりやら感情が暴走するSさん。

「でも…」冷静になって兄に言いました。

「税金をかなり払うことになりそうだよね」

「お金を使うのは、税理士に税金の計算を頼んでからにしたほうが良さそうだな」

「え?取得価額?相続時の評価額じゃないの?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「税金の計算にあたって、お父様がいつ、いくらで購入したか教えてもらえますか?」

税理士の一言で固まる兄妹。

「あの、6年以上前から持っていたのは写真に残ってるから分かりますけど、購入金額はさっぱりです。相続時の評価額で税金の計算するんじゃないのですか?」

相続時に兄妹それぞれ800万円ずつで取得して、2,000万円で売却。利益の1,200万円に税金がかかるとSさんは考えていました。

ところが、取得費は相続時の評価額ではなく、父が購入した時の金額を引き継いで計算します。

「えぇ…今さら購入金額なんて分からないですよ」

概算取得費の5%ルール

取得費が不明な場合、特例として売却価額の5%を取得費とする税金のルールがあります。

Sさんの場合、売却価額は2,000万円なので、取得費は100万円とみなされ計算されます。

金地金を売却した場合の譲渡所得の算出は次のとおりです。

譲渡価額ー(取得費+譲渡費用)ー50万円(特別控除額)=譲渡所得

さらに、5年超の保有期間の場合は、譲渡所得に2分の1をかけます。

計算すると、取得費が100万円とされる場合、譲渡所得は925万円。

一方、実際の取得費が500万円だったとすれば、725万円。

その差は200万円。この金額が他の所得と合算されるため、取得費が分かるかどうかで税負担が大きく変わります。

取得費が実際にいくらだったかは不明なままですが、売却価額の5%より高かった可能性は十分にあります。

「相続時に調べてさえいれば…」

父はレシートひとつ捨てられないタイプだったので、遺品整理のときにかなりの量の書類が残っていたそうです。「まとめて処分したけど、ちゃんと確認していれば購入金額が分かったかもしれません」と後悔を口にするSさん。

「でも、確認することの大切さを親父が最後に教えてくれたんじゃないの」とSさん兄がフォローしていましたが、そのとおりです。

相続で取得した財産は、時間が経ってから売却することも少なくありません。時間が経って分からなくなる前に、いくらで取得したのかを確認しておくことが売却時の税金負担を減らすことにつながります。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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