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80代女性「まとまったお金がいる」定期預金を解約しに銀行へ→担当者「何に使うか」確認すると…判明した“恐ろしい事実”

  • 2026.8.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「うちの親に限って、だまされるはずがない」そう思っていた矢先の出来事でした。今回は、離れて暮らす母のことで窓口に呼ばれた50代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「母が、定期預金を解約したいと窓口に来まして」

きっかけは、Aさんの母親が取引先の銀行の窓口を訪れたことでした。

80代の母親は「まとまったお金がいる」と、定期預金の解約を申し出ました。普段はATMで少額を引き出すくらいで、窓口で大きな金額を動かすことはほとんどありません。応対した担当者は、いつもと違う様子に気づきました。

「差し支えなければ、何にお使いになるか教えていただけますか」とたずねても、母親ははっきり答えず、「ちょっと必要なの」と繰り返すばかり。手元には、電話番号らしきものを走り書きしたメモを握っていました。

担当者は無理に問いただすことはせず、「念のため、ご家族にも確認させていただけますか」と伝え、あらかじめ登録されていた連絡先に電話をかけました。それが、離れて暮らす娘のAさんでした。

「急に銀行から電話が来て、驚きました。母がまとまったお金を下ろそうとしている、と」

「電話の相手を、確かめないまま」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

駆けつけたAさんが母親から話を聞くと、経緯が少しずつ見えてきました。

数週間前、母親のもとに「還付金がある」という電話がかかってきていました。手続きにお金が必要だと言われ、指示されるまま用意しようとしていたのです。

「役所や年金事務所が、還付のためにお金を振り込ませたり、用意させたりすることはありません」「それに、還付のお金を受け取るのにATMを操作する、ということもないんです」と担当者。

Aさんは青ざめました。

「母は『あなたに心配をかけたくなかった』と。相手を疑いもせず、言われたとおりにしようとしていたんです。うちの親に限って、と思っていました」

幸い、今回は窓口で気づけたため、大きな被害には至りませんでした。あと一歩のところでした。

「元気なうちに、できる備えがあります」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

落ち着いたところで、担当者はAさんに、いくつかの備えを伝えました。まずは、ATMの利用限度額をあらかじめ低くしておくことです。

「普段、高額の振り込みや引き出しをされない方なら、1日に使える上限をあらかじめ低く設定しておくと安心です。もし指示されるまま操作しようとしても、大きな金額はその場では動かせません」

実際、近年は多くの銀行が、一定年齢以上の方などについてATMの引き出しや振り込みの限度額を引き下げる取り組みを進めています。変更は窓口で相談できます。

「それから、通帳の記帳をときどきしていただくこと。お金の動きを親子で見ておくだけでも、いつもと違う出金に早く気づけます」
「そして今日のように、ご家族の連絡先を登録しておいていただくと、いざというとき私どもからご連絡できます。ご本人が言い出しにくいことでも、ご家族になら確認できることがあるんです」と担当者。

Aさんは、こう話してくれました。
「これまで、母のお金のことに立ち入るのは失礼だと思っていました。でも、今日のことがなかったらと思うと、ぞっとします」

担当者は、最後にこう伝えました。
「お金の話は切り出しにくいものですが、『こういう電話があったら、いったん私に相談してね』と一言決めておくだけでも違います。ご本人を疑うのではなく、二人で気をつけようね、という形でお話しされるのがよいと思います」

「あやしい電話は一人で判断しない。それを母と約束します」とAさんは前向きに話してくれました。

【親を特殊詐欺から守るために、元気なうちにできること】

  • 自治体や年金事務所が、還付のためにお金を振り込ませたり、ATMを操作させたりすることはない
  • 「還付金がある」という電話でATMに誘導されたら、まず家族や警察、銀行に相談する
  • 普段、高額の取引をしない場合は、ATMの1日あたりの利用限度額をあらかじめ低く設定しておく
  • 近年は多くの銀行が、一定年齢以上などについてATMの限度額引き下げを進めている。変更は窓口で相談できる
  • 通帳の記帳をときどき行い、いつもと違う出金がないか親子で見ておく
  • 銀行に家族の連絡先を登録しておくと、いざというとき銀行から連絡が入ることがある
  • 「あやしい電話があったら、いったん相談してね」と親子で決めておく
  • 本人を疑うのではなく、「二人で気をつけよう」という形で話すと切り出しやすい

「うちの親に限って」と思っているうちは、備えが後回しになりがちです。元気な今だからこそ、親子でできる備えがあります。親のお金の管理に不安がある方は、ぜひ早めに取引先の金融機関にご相談ください。


執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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