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「うちは1台分じゃ足りないんだ」駐車場で隣の区画のカラーコーンを勝手に動かした住人。だが、管理人の一言で状況が一変

  • 2026.7.29
「うちは1台分じゃ足りないんだ」駐車場で隣の区画のカラーコーンを勝手に動かした住人。だが、管理人の一言で状況が一変

隣の区画から動いた目印

引っ越してきて半年ほどたった、平日の夕方のことです。

自転車を置きに駐輪場へ回ったとき、駐車場で人の動く気配がしました。

白いセダンが枠の中へ入り、住人らしき男性が降りてきました。ここまでは、いつもの光景です。

ところが男性は、車を降りたあとも運転席の横に立ったままでした。

そして、隣の区画のカラーコーンへ手を伸ばしたのです。

契約者が目印として自分で立てている、オレンジ色のコーンでした。

男性はそれを両手で持ち上げ、自分の枠のほうへ寄せていきます。

ゴミ出しから戻ってきた別の住人が、その様子に足を止めました。

視線に気づいても、男性の手は止まりません。

悪びれる様子は、まったくありませんでした。

向かいの車の前に並んだコーン

驚いたのは、そのあとです。

男性は動かした2つのコーンを抱え、通路を挟んだ向かいまで運びます。

そして、停まっていた別の車のすぐ前に並べて置いたのです。

あの位置では、朝に車を出すときどけるところから始めなければなりません。

「そこ、出られなくなりませんか」

見ていた住人が声をかけます。

「うちは1台分じゃ足りないんだ」

「でも、そこは別の方の区画で」

「置き場所くらい、こっちで決める」

男性は自分の車へ戻り、広くなった枠を見回していました。

見回りに来た管理人

そこへ、管理人が通路を歩いてきました。バインダーを手にした、いつもの夕方の見回りです。

向かいの車の前で足を止め、2つのコーンを見ます。

それから男性のほうへ、普段と変わらない足取りで近づきました。

「区画の目印は動かさないでください。お車が入りにくいようでしたら、管理組合にご相談いただければ調整いたします」

責める調子は、どこにもありませんでした。

男性の口が、開いたまま止まります。

「……いや、これは、隣が寄せすぎてるから」

「ご相談は、管理室の窓口でお受けしますので」

続く言葉が、出てきませんでした。

管理人はコーンを一つずつ持ち上げ、もとの区画の白線の内側へ戻していきます。見ていた住人が、小さく息をつきました。

男性は車の鍵をポケットに入れ、エントランスへ歩いていきます。振り返ることは、一度もありませんでした。

翌週の日曜日、駐車場に立ち入り禁止のテープが張られました。

薄くなっていた白線が、すべて引き直されたのです。区画の角には番号が入り、幅もはっきりと分かるようになりました。

コーンを置く人は、もういません。

新しい線を見ていると、あの男性の車が枠のぎりぎりに収まっているのが目に入りました。狭くて困っていたのは、本当だったのかもしれません。

それでも向かいの車の前には、あの日から何も置かれていません。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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