1. トップ
  2. マンガ
  3. 昔いじっていた同級生が同窓会で変わっていた→声をかけた私は、帰りの電車でうつむいた

昔いじっていた同級生が同窓会で変わっていた→声をかけた私は、帰りの電車でうつむいた

  • 2026.7.20
ハウコレ

「かわいくなったね」と声をかけた私に、彼女は穏やかに笑ったまま一言だけ返しました。

その直後に聞こえた男子の一言で、自分が何も変わっていなかったことを知りました。同窓会の入り口で見かけたその横顔に、すぐには名前が出てきませんでした。

名前の出てこない横顔

受付で名札をつけて会場に入ると、テーブルの奥に見覚えのない女性が座っていました。知らない参加者だと思いました。でも名札の名前が遠目に読めたとき、手元のグラスを持ち直しました。中学で同じクラスだった子でした。あの頃の面影はほとんど残っていません。周りの同級生たちも気づいたようで、「変わったね」「誰かわかんなかった」と声が上がっていました。中学時代、私はこの子を「ブス」と呼んでいました。グループの中で誰かが言い出し、私が繰り返し、教室が笑う。そういう空気を作っていたのは私でした。あの頃は何も考えていませんでした。全員がそうしていたから、悪いことだとも感じていなかったのだと思います。

「かわいくなったね」の裏側

席を立って、彼女のそばに行きました。「久しぶり」「かわいくなったね」。言いながら、彼女の名札の写真に目を落としてしまいました。丸い頬の子だったはずの彼女に「ありがとう」とだけ返されました。「昔と全然違うじゃん」と続けると、彼女はグラスに視線を戻して小さくうなずいただけでした。隣の椅子を引いて座ると、彼女の横顔が近くなりました。まつ毛の長さも、姿勢のよさも、あの頃にはなかったものです。私がからかっていた頃の丸い頬の子は、もうどこにもいませんでした。同窓会の席で初めて会った人のように、何を話せばいいのか迷いました。何か当たり障りのない会話をして、私は1度自分の席に戻りました。

返ってきた言葉

2杯目のグラスに手を伸ばした彼女の姿が視界に入って、私は「ねえ、今度みんなでごはん行こうよ」と話しかけにいきました。間を持たせるつもりで、少し離れたテーブルのほうを見ながら、「あの子、昔から変わらないね」と口にしました。場つなぎのつもりでした。彼女はグラスを置いて、私のほうを向きました。「ありがとう。でも私、あの頃の私にも声をかけてくれる人と一緒にいたいかな」。声も表情も穏やかなまま、彼女はそう言いました。私はネイルの剥がれかけた薬指を反対の手で隠しながら、自分の席へ戻りました。

そして...

自分の席に着いたとき、男子の同級生がグラスを手に彼女のほうへ歩いていくのが見えました。「何言ってんの、昔からかわいかったじゃん」。中学のとき、彼女の隣の席に座っていた男子でした。彼女が小さく「ありがとう」と返すと、彼は軽くグラスを上げて去っていきました。あの男子は、教室で「ブス」と呼ばれていた頃の彼女のことも、ずっとそう見ていたのかもしれません。帰りの電車で、窓ガラスに映る自分の顔を見ていました。そして、名札の卒業写真をはがしてポケットにしまいました。私には、あの写真の子を「かわいい」と思えたことは、1度もありませんでした。

(20代後半女性・アパレル販売員)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ