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父の死後“3,000万の実家”を相続した50代娘→「誰も住まないので売ろう」と思いきや…不動産会社から告げられた“思わぬ事実”

  • 2026.7.25
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務のおがわ163です。20年間、金融機関の窓口で資産運用や家計相談に携わってきた経験をもとに、お金にまつわるリアルなエピソードをお届けしています。

「古い家だから、売っても大した金額にはならない」そう思っていたら、思わぬ税金の話が待っていた──今回は、実家の相続で悩んでいた50代女性Aさんのエピソードをご紹介します。

「実は最近、実家のことでバタバタしていて」

50代のAさんは、積立中の投資信託の状況を確認するため、久しぶりに銀行の窓口を訪れました。運用の話がひと段落したところ、Aさんはため息まじりにこう言いました。

「実は最近、実家のことでバタバタしていて。2年半前に父が亡くなって、姉と二人で実家を相続したんです。誰も住まないので売ろうと思って不動産会社さんに相談したら、税金の話が出てきて…」

実家は都市郊外にある昭和54年築の一戸建て。母親は先に亡くなり、父親が一人で暮らしていた家です。
「築45年ですし、そんなに高くは売れないと思っていたんです。でも3,000万円くらいにはなりそうだと言われて。そのぶん税金がかかると聞いて、びっくりしてしまって」

「その家、3,000万円の特別控除が使えるかもしれません」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「お父さまが亡くなられてから、あの家は誰かに貸したり、どなたかが住んだりされましたか?」と担当者。

「いえ、ずっと空き家のままです。草刈りに行くくらいで」

「でしたら、『空き家の3,000万円特別控除』が使えるかもしれません。相続した空き家を売ったとき、条件に当てはまれば、売却で出た利益から最大3,000万円まで差し引ける特例なんです」

「そんな制度があるんですか」とAさんは驚いた様子でした。

「ただ、条件が細かいんです。まず、その家が昭和56年5月31日以前に建てられていること。それから、お父さまが亡くなる直前に、その家にお父さま以外に住んでいる方がいなかったこと。お話をうかがう限り、このあたりは当てはまりそうですね」
「大事なのが、相続してから売るまでの間、その家を人に貸したり、誰かが住んだりしていないことです。『空き家のままではもったいないから』と一時的に貸してしまうと、対象から外れることがあるんですよ」

「危なかったです。知り合いに『しばらく貸したら?』と言われて、少し考えていたんです」とAさん。

「実は、期限が決まっているんです」

「それと、この特例はいつまでも使えるわけではありません。相続があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、という期限があります」

「3年…。父が亡くなったのは2年半前です」

「あまり余裕はありませんね。しかも、そのまま売ればいいわけではなく、耐震基準を満たすようにするか、家を取り壊して土地として売るか、といった条件もあるんです。ただ、令和6年1月1日以後の売却からはルールが緩和されて、先にそのまま売って、買主の方が後から取り壊しなどを行った場合も対象になるようになりました。以前より使いやすくなっているんですよ」

「要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所していた場合は対象外だと思い込まれる方もいらっしゃいますが、条件を満たせば使えることもあります。ただ、使えるかどうかや税額の計算は私どもでは判断できません。税務署や税理士さんに、早めにご相談なさってみてくださいね」

「まずは建てた年を調べて、税務署に相談してみます」とAさんは前向きに話してくれました。

相続した空き家を売るときに知っておきたいこと

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

では、相続した空き家を売る際には、どんな点を知っておけばよいのでしょうか。

  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、相続開始の直前に被相続人以外に住んでいた人がいなかったことが条件(区分所有建物の登記がされているものは除く)
  • 相続してから売るまでの間、その家や土地を事業・貸付け・居住に使っていないこと。一時的に貸すと対象から外れることがある
  • 期限は、相続があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで。売却代金が1億円以下であることも条件
  • 以前は売却前に耐震改修や取り壊しが必要だったが、令和6年1月1日以後の売却からは、売却後に買主側で工事や解体を行う場合も対象となるよう緩和された
  • 令和6年1月1日以後の譲渡で、相続した人が3人以上いる場合、控除額は2,000万円までとなる
  • この特例の対象は令和9年12月31日までの譲渡とされており、令和10年以降の取扱いは現時点で示されていない
  • 適用を受けるには確定申告が必要。税額がゼロでも申告しなければ控除は受けられない

「古い実家だから」と後回しにしているうちに、期限が過ぎてしまうこともあります。まずは建築年月日と相続した日の確認からです。相続やお金のことでお悩みの方は、ぜひ窓口へご相談ください。


参考:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(国税庁)

執筆:おがわ163
金融機関勤務(勤続20年)。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。窓口業務・資産運用相談の現場経験をもとに、生活に役立つお金の知識をわかりやすくお届けしています。

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