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「娘の結婚式費のため…」200万で買った旧車を売却→1,400万円で売れて喜ぶも…50代父を襲った“想定外の事態”【税理士は見た】

  • 2026.8.17
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出典元:PIXTA(※画像はイメージです)

こんにちは!税理士・元国税調査官の神崎遊です。

「自分にとって何より大切で、所有しているだけで心が満たされる宝物」

あなたにはそんな特別な品がありますか?50代の会社員・Yさんにとって、それは30年間愛情を注ぎ続けてきたお気に入りの旧車でした。

娘の挙式費用を補うため、長年連れ添った車の手放しを決意したYさん。期待以上の高額で買い取られ喜びに包まれたものの、その裏には想定外の落とし穴が待ち受けていました。

今回はYさんの事例をもとに、趣味の資産を高値で売却した際の注意点について詳しく解説します。

「娘のためなら…」

都心から電車で70分。緑が多く閑静な住宅街が広がる某県T市(仮称)で、Yさんが建売住宅を購入したのは30年前のことでした。購入を決めた理由の一つは、広いガレージが付いていたことでした。Yさんの唯一の趣味であるスポーツカーを保管できると思ったからです。

Yさんが購入したのは1980年代に発売された国産スポーツカー。中古ではありましたが、低走行車を200万円で購入できたことは幸運だったと振り返ります。

それから30年間、毎週末に整備をして、近所を走るだけで日頃の疲れが癒されたそうです。

そして、昨年。Yさんの娘が結婚することが決まりました。

「結婚式費用を出してあげたい」

家計に余裕がなかったこともあり、大事にしてきた車を売ることを決意しました。最近は旧車人気が高まっていると聞いていたため、「高く売れるのではないか」と期待もありました。

旧車買取専門店に査定を依頼すると「状態がとてもいい」と評価され、期待以上の1,400万円の高額査定に大喜びでした。

売却後、担当者から「来年の確定申告は税理士に頼んだ方がいいかもですね」と言われ、税理士に相談することにしました。

「趣味の車を売っただけなのに?」

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「先生!車を売って申告なんてしたことないですよ?」

通勤など日常生活に使用している車の場合は原則、課税されません。しかし、趣味で所有している希少性のある車やコレクション性のある旧車などは取り扱いが異なります。

Yさんの場合は趣味で所有していた旧車で大きな利益が発生していたため、確定申告が必要でした。

「高く売れてラッキーと思って、税金のことまで考えていませんでした。」

さらに注意が必要なのは、税務上の「取得費」の計算です。車は法定耐用年数が6年のため、30年が経過した時点では減価償却がほぼ完了しており、取得費は購入額200万円の5%にあたる約10万円まで圧縮されます。つまり課税の対象となる譲渡所得は、単純な差額(1,200万円)ではなく、約1,390万円になります。ただし、5年を超えて保有した資産の譲渡所得は長期譲渡所得として扱われ、課税される所得金額が1/2になる優遇があります。

それでも、かなりの税金が発生すると知り、Yさんは残念そうに肩を落としました。

長年所有した嗜好品の売却は税金リスクを事前に確認しよう

通勤など生活に必要な自家用車の売却は基本的に非課税ですが、趣味やコレクション目的で所有する旧車などを売却して利益が出た場合は確定申告が必要となります。

さらに、長期保有した車は減価償却によって取得費が圧縮されるため、課税対象となる譲渡所得が想定以上に膨らむ点に注意が必要です。保有期間が5年を超えていれば所得が半減される優遇措置があるものの、手元に残る金額は直感的な売却益より少なくなります。

大切な資産を手放す際は売却後に慌てないよう、あらかじめ税務署や税理士などの専門家へ税額の試算を相談しておくと安心です。


執筆:税理士・元国税調査官 神崎遊

国税組織で12年間勤務し、法人税調査を中心に200件以上の税務調査に従事。現在は「ゆとり税務会計」を運営し、中小企業・個人事業主の税務支援を行っている。

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