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「母が住み続けるから…」父の死後、“実家の名義変更”を放置→20年後、お盆帰省で判明した事実に50代息子が“青ざめたワケ”

  • 2026.8.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、お盆に帰省した50代のAさんの体験談です。実家の登記事項証明書を取り寄せると、名義は20年前に亡くなったお父さまのままでした。長年そのままにしていた実家にも、相続登記の期限が迫っていたのです。

2024年から相続登記は義務になっています。放置していた家に迫っていた期限について、Aさんの経験からご紹介します。

名義は20年前のままだった

お盆に実家へ帰省した50代男性のAさん。

80代のお母さまから「そろそろ家のことを決めておきたい」と言われました。

気になって登記事項証明書を取り寄せると、名義は20年前に亡くなったお父さまのまま。当時は相続税もかからず、母がそのまま住み続けるのだからと、誰も手続きをしなかったのです。事実を知ったAさんは青ざめました。

相続人は、お母さまとAさん、弟の3人。父が亡くなったときに相続人であることは聞かされており、Aさん自身も名義変更をする立場だと分かっていました。それでも、母が住み続けるからと先延ばしにしてきたのです。

2024年から相続登記は義務になった

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

司法書士に相談したAさんは、事情が変わっていたことを知ります。

2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。不動産を相続で取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に申請しなければなりません。遺産分割がまとまった場合は、成立した日から3年以内です。

正当な理由なく怠ると、10万円以下の範囲で裁判所が決める過料の対象になります。

驚いたのは、対象が施行後の相続に限られない点でした。施行日より前に相続が始まっていた不動産も義務の対象で、この場合の期限は2027年3月31日です。ただしこれは、施行の時点で相続によって取得したことを知っていた場合の期限です。取得を知ったのが2024年4月以降なら、その日から3年以内になります。20年前から相続人だと知っていたAさんは、2027年3月31日が締切にあたります。

まとまらないときは「相続人申告登記」

とはいえ、遺産分割がすぐにまとまるとは限りません。誰が実家を引き継ぐのか、母が住み続けるあいだはどうするのか。話し合いには時間がかかります。

そのために設けられているのが「相続人申告登記」です。名義人が亡くなったことと、自分がその相続人であることを法務局に申し出れば、申請義務を果たしたものとみなされます。

ただし、これで名義が自分に変わるわけではありません。果たしたことになるのは基本的な義務までで、遺産分割が成立したあとには、その成立日から3年以内に内容を反映した登記をする義務があらためて生じます。ひとまず義務を果たしておく手続きだとお考えください。

放置するほど手間が増える

相続登記を放っておくと、そのあいだに相続人が亡くなり、その子や孫へと権利が広がっていきます。集める戸籍が増え、連絡を取る相手が増え、全員の合意が必要になります。20年でこの状態なら、次の20年はもっと難しくなります。

困るのは過料だけではありません。名義が亡くなった方のままだと、相続登記を済ませるまで、実務上すぐに売却したり担保を設定したりできません。介護費用のために実家を売ろうとした段階で名義に気づき、そこから戸籍集めを始める。そうなると、必要なタイミングで売却代金を用意できない可能性があります。

帰省は登記事項証明書を確かめる機会でもあります。名義が古いままなら、期限の前に司法書士か法務局へご相談ください。


執筆・監修:中川 佳人
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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