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小路幸也の傑作小説をマンガ化! プロレスのリングがある食堂を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマが心とお腹を満たしてくれる『国道食堂』【書評】

  • 2026.6.26

【漫画】本編を読む

温かくておいしいごはんは元気の源だ。失敗して落ち込んだり、悲しいことがあったりしたときに明日への活力となることがある。『国道食堂』(熊噛舎華:漫画、小路幸也:原作/徳間書店)は、ちょっと変わった食堂を舞台にした心温まるヒューマンドラマだ。本作の原作は「東京バンドワゴン」シリーズ(集英社)などの小路幸也氏による、「徳間文庫大賞2024」を受賞した同名の傑作小説で、その物語を新鋭漫画家・熊噛舎華氏が描いている。

舞台は神奈川県の小田原から山梨県の甲府へ向かう国道沿いにあるドライブイン「ルート517」。通称「国道食堂」と呼ばれるこの店は、料理のおいしさに加えて、元プロレスラーで57歳の店主・本橋十一のこだわりで店内の真ん中にプロレスのリングがあり、週末には店主自らがリングに上がって試合を見せるという珍しさから遠方からの客も集めていた。ちなみに、唐揚げや餃子、カレーといった料理がとてもおいしそうに描かれていてお腹が空いてくるので、読む時間には気をつけた方がいいかもしれない。

そんなある日、国道食堂の近くに転勤で引っ越してきたばかりの33歳サラリーマン・二方将一が、仕事帰りに初めて国道食堂を訪れると思いがけない再会を果たす。二方は高校生のとき、十一が所属するプロレス団体の練習場の近くに住んでいたことで十一と交流があった。しかし二方は父親の急死によって、十一に別れを告げることなく彼の前から姿を消していたのだ。昔話に花を咲かせながら、二方は今も輝きを失わない十一の姿を見て、父の死による経済的な理由で諦めざるを得なかった役者になるという夢を再燃させるのだった。

夢を持つことはいくつになっても遅くはない。十一が見せる前向きな姿勢とそれに突き動かされる二方の姿がそんな気持ちにさせてくれる。果たして二方にはどんな未来が待っているのか。ぜひ本書を手にとって確かめてもらいたい。

文=つぼ子

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