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オフ会に現れたのは美人で素敵なお姉さん!? 彼女の思わせぶりな言動で情緒をめちゃくちゃにされた陰キャ男子が下した恋の決断とは?【書評】

  • 2026.6.26

【漫画】本編を読む

『情緒をめちゃくちゃにしてくる女』(蝉丸/KADOKAWA)は、陰キャ男子が美人でステキなお姉さんと出会うことから始まる、危険で甘く、そしてクセになる「イジられ系」ラブコメディだ。

主人公・ゆー太は、典型的な陰キャ男子。そんな彼が、SNSの趣味アカウントを通じて知り合った人物とオフ会をすることになる。そして現れたのは、想像を遥かに超える美人で、距離が近く、ゆー太に好意を抱いているかのような言葉を投げかけてくる「お姉さん」だった。コミュ力も耐性もないゆー太は、彼女のペースに完全に飲まれていく。

ただのお姉さんではなく、「情緒をめちゃくちゃにしてくる女」とはどんなキャラクターなのか。ゆー太が出会ったSNSアカウント名「A」は「男の理想のお姉さん像」のようで、その実、かなり危ういバランスの上に成り立っている人物。Aはいつでも優しい。セクシーで、からかい方も挑発の仕方も甘い。しかしその言動にはどこか陰がある。読み手はゆー太と同じようにドキドキしながらも、「このまま彼女のペースで大丈夫なのか?」という不安を常に抱え続けることになる。この「甘さ」と「不穏さ」の同居が、タイトル通り情緒をかき乱してくるのだ。

ゆー太の揺れる陰キャぶりも実に巧妙に描かれている。自己肯定感が低く、恋愛経験もないゆー太は、Aだけでなく、過去にゆー太が投稿していた小説の熱烈なファンで年下の女性「あまてら」とも会うことになる。その戸惑いや舞い上がり方が妙に生々しく、「わかる……」と頷いてしまうのだ。

テンポの良さも絶妙だ。会話の間、視線、沈黙、急な距離の詰め方。そうした「空気」の演出が素晴らしく、全3巻もあっという間に読み切れる疾走感がある。特に、SNS発の作品らしく、瞬時の感情の揺さぶり方にはかなり計算されたものを感じる。癒やされて情緒を揺さぶられる。そんな中毒性を持った作品だ。

文=馬風亭ゑりん

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