1. トップ
  2. 住まい
  3. 「あやうく業者を呼ぶところでした」築26年の中古一戸建てを買った30代夫婦、夏に2階から漂った"異臭"の正体

「あやうく業者を呼ぶところでした」築26年の中古一戸建てを買った30代夫婦、夏に2階から漂った"異臭"の正体

  • 2026.7.30
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

「夏になってから、2階がなんだか下水くさいんです。窓を開けても消えなくて、原因を探してまわったら、ほとんど使っていない2階の洗面台でした。排水口に鼻を近づけたら、明らかにそこからにおいが上がってきていて。故障かと思って、業者を呼ぶ寸前でした」

そう話すのは、2年前、郊外の住宅地に中古の一戸建て(築26年・4LDK・延床約29坪/土地約44坪、約2,700万円)を買ったYさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

2階の廊下には洗面台がありますが、暮らしは1階が中心で、ほとんど使ったことがありませんでした。その「使っていない洗面台」が、夏のにおいの発生源になっていたのです。

なぜ「使っていない排水口」からにおうのか

家の排水口は、排水管を通じて下水につながっています。それでもふだん下水のにおいがしないのは、排水口の奥にある「排水トラップ」に、常に水がたまっているからです。この水は「封水」と呼ばれ、下水から上がってくるにおいや虫をせき止める、水のフタの役割をしています。

封水は、水を使うたびに新しくたまり直します。ところが、長いあいだ水を使わないと、封水は少しずつ蒸発していき、やがてフタが切れてしまいます。こうなると、下水のにおいがそのまま室内に上がってきます。そして夏は気温が高く、蒸発が速い季節。使っていない排水口では、早ければ1週間ほどで封水が切れてしまうこともあり、とくににおいやすいのが夏なのです。

中古の家は「使っていない水まわり」が生まれやすい

見落とされがちですが、この現象は故障ではなく、どの家でも起こりうる仕組みどおりの出来事です。

とくに中古の家では、前の持ち主の暮らしに合わせて作られた水まわりが、今の暮らしでは出番のないまま残ることがあります。Yさんの家の2階洗面台も、前の持ち主には必要だった設備でした。部屋数の多い家ほど、2階の洗面台やトイレ、使っていない浴室など、「水を流さない排水口」は生まれやすくなります。

また、ふだん使っている水まわりでも、帰省や旅行で長く家を空ければ、同じことが起こります。帰宅したら家じゅうが下水くさかった、という経験の多くは、この封水切れです。

Yさん夫婦はどう対応したのか

対処は、拍子抜けするほど簡単でした。2階の洗面台に、コップ1〜2杯ほどの水をゆっくり注ぐ。これだけで水のフタが元に戻り、その日のうちににおいは消えました。費用はかからず、道具もいりません。

それからYさん夫婦は、家の中に、ほかに使っていない排水口がないか見て回り、週に1回、2階の洗面台に水を流すことを習慣にしました。

「あやうく業者を呼ぶところでした。水を1杯流すだけなんて」とYさんは笑います。なお、水を流してもにおいが消えない場合は、トラップのずれや破損、汚れの蓄積が原因のこともあるため、そのときは点検を頼むのが安心です。

下水のにおいがしたら、まず「水をひと流し」

排水口の封水は、暮らしのなかで意識することのない、小さな水のフタです。けれど、これが切れるだけで、家の中は下水の空気とつながってしまいます。夏のにおいに悩んだら、以下の順で確かめてみてください。

・家の中に「使っていない排水口」がないか、把握しておく
・下水のにおいがしたら、まずその排水口に水をゆっくり注いでみる
・長く家を空ける前後は、各排水口に水を流しておく
・水を流しても直らなければ、トラップのずれや破損を疑い、点検を頼む

下水のにおいの原因が故障とは限らないと知っておけば、まずはコップ1〜2杯の水という費用ゼロの一手から、落ち着いて試せます。

参考:
ユニットバスの洗い場排水口から悪臭がする(LIXIL)
排水口より異臭がする(TOTO)


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ