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新築時「子ども部屋はまだいらない」と悩んだ親の決断…成長に合わせて部屋を変える“間仕切り収納”の賢い使い方

  • 2026.9.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。二級建築士・インテリアコーディネーターの桐野由衣です。子育て世代のお客様からよく相談されるのが、子ども部屋のつくり方です。子どもの成長に合わせて使いやすい子ども部屋を考えたいですよね。

今回は、「可変性」をキーワードにした新築時の子ども部屋づくりの考え方をご紹介します。

園児~小学校低学年の子ども部屋づくりによくある悩み

4年ほど前、家づくりフェアでの間取り相談会に参加してくださったMさんというお客様は、当時、幼稚園児だったお子さん2人の子ども部屋をどう考えていけばいいか悩んでおられました。

当時Mさんはマイホームの新築計画の真っ最中。3階建て住宅の2階に、将来の子ども部屋用として12畳ほどのスペースを確保していたものの、収納スペースを別に確保することが難しく、居室スペースと収納スペースのバランスに悩んでいました。「そもそも子ども部屋っているのかな」と間取りを決め切れずにいたのでした。

固定しない「可変性」のある間取り

そこで提案したのは、入居後しばらくは12畳の部屋を兄弟2人用の部屋とし、その後子どもたちの意見も確認した上で、小学校中~高学年以降に2部屋とするプランです。小さい頃は独立した部屋はいらなくても、成長して自我が確立し、プライバシーを重視するようになると自分の部屋が欲しいと言い出すのは自然なことですから、あえて壁を固定しない可変性のある間取りをおすすめしました。

ポイントは、可動式の収納家具を置くことです。天井まである大型のシステム家具を新築時に準備し、1部屋で使う間は壁際に設置して遊び・学習スペースを広く確保します。そして成長後、自分だけの部屋が欲しいと言い出したら、可動式家具を部屋の中央へと移動させて6畳・6畳の2室に分けるのです。

つまり、2室を間仕切るのは固定壁ではなくシステム家具。「物をしまう場所」としてだけでなく、将来の間仕切りとしても活用する考え方です。

天井までのサイズにしたのは、間仕切りとして使う際にプライバシーを確保するため。2つのシステム家具を背中合わせに配置し、衣類や本などを収納すると、自重があるためちょっと押したくらいでは動きませんし、収納物自体が音を通しにくい役目をするので、意外と隣室の音は聞こえません。どうしても音が気になる場合は、背中合わせにしたシステム家具の間に遮音ボードを挟むと効果的です。

可動式収納家具の選び方

可動式の収納家具を部屋の間仕切りとして使う場合、その部屋の収納スペースとして収納量が足りているかという点は大前提として確認する必要があります。可動式といっても頻繁に動かすわけではないため、横幅が広くても問題ありません。

天井までのタイプにしておくと、2室に分けた時にプライバシーを確保しやすいだけでなく、万が一地震が起きた場合に転倒しにくいというメリットもあります。また、棚やハンガーパイプなどのパーツを組み合わせて自由にレイアウトできるシステムタイプだと、子どもの成長や収納物のサイズに合わせてカスタマイズでき、長く使えます。

設計時の間取りのポイント

可変性を重視した間取りにする場合の注意点として必ず押さえておきたいポイントは、出入口と窓の位置を将来2室に分ける想定で決めておくことです。左右対称にしておくと、同じ条件の部屋が2つできるため、どちらがいいかで子どもが喧嘩することがありません。

子ども部屋が家の角にあれば、採光性や通気性を考慮して窓は2ヶ所設置するといいでしょう。隣家が近いなど周辺環境が気になる場合は、高窓にするのもおすすめです。

また、2室にすると各部屋の面積がコンパクトになるなら、出窓にして視覚的に広く見せる方法も取り入れてみてください。

広い1室をフレキシブルに使おう

壁を設けず収納家具で仕切る方法は、子どもが巣立った後に子ども部屋を別の用途で使いたい時にも便利です。ゲストルームにする、ホームシアターをつくる、書斎に模様替えするなど、その時のライフスタイルや趣味などに合わせて活用できます。

「部屋=壁で仕切る」という考えから視点を変えて、フレキシブルに使える間取りを取り入れてみてください。


ライター:桐野由衣
住宅設備メーカーや住宅コンサルタント会社、大手リノベーション設計会社にて新築分譲マンションの設計変更、戸建住宅・オフィス・医療施設等の設計およびインテリアコーディネートに携わる。
建築関連分野の記事執筆・校正校閲・監修業務、企業研修講師、インテリアコーディネーター資格対策テキスト監修、工務店の施工事例集ディレクションなどの実績も多数。


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