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「一言教えてほしかった」9月連休中…窓外から『ドン、ドドン…』覗くと…?30代会社員を襲った“想定外の光景”

  • 2026.9.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

賃貸物件を探す際、「できるだけ静かな場所で暮らしたい」と考える方は多いでしょう。周辺の交通量や人通り、近隣施設などは内見時にも確認できます。

しかし、その日に静かだったからといって、一年を通して同じ環境が続くとは限りません。曜日や時間帯はもちろん、季節によって周辺の様子が変わる地域もあります。

今日ご紹介する30代のAさんも、春に内見した際の落ち着いた住環境が気に入り、賃貸住宅を契約しました。入居後も静かな暮らしを送っていたAさんでしたが、連休に自宅で過ごしていたことで思いもよらなかった“地域の音”に気付くことになります。

「ここなら静かに暮らせそう」と契約

私が10年程前、不動産管理業をしていたころの話です。Aさんが転職を機に当時の賃貸住宅へ引っ越してきたのは、その年の春でした。

以前住んでいた物件では周囲の生活音が気になることがあったため、今回の部屋探しでは「静かな住環境」を重視していたそうです。

内見したのは、春の平日。室内を確認したあとに物件周辺を歩いてみても、人通りや車の往来はそれほど多くありません。窓を開けても気になるような音は聞こえず、住宅街には穏やかな空気が流れていました。

「駅から少し離れているけど、その分静かだし、ここなら落ち着いて暮らせそうだ。心機一転、仕事も頑張るぞ!」

新しい仕事への挑戦を控えていたAさんは、これから始まる生活に期待を膨らませながら、その物件を契約することにしました。

実際、入居してからしばらくは、周囲の音に悩まされることもなく、Aさんが期待していた静かな生活が続きます。

季節が秋へと移り、自宅で何気なく窓を開けたことをきっかけに、それまで知らなかった周辺環境の一面に気付くことになります。

窓を開けると聞こえてきた太鼓と掛け声

その年の9月の連休、Aさんは遠出をせず、自宅で残りの仕事を片付けながら過ごすことにしました。夏の暑さも和らぎ、昼間でも過ごしやすくなってきたため、その日はエアコンを使わずリビングの窓を開けていたそうです。

すると、遠くから太鼓のような音が聞こえてきました。

「ドン、ドドン…ドン、ドドン…」

かすかだった音が、少しずつ近づいてきます。最初はそれほど気に留めなかったAさん。

しかし、しばらくすると太鼓の音に加えて、人の掛け声も聞こえるようになりました。

「近くで何かイベントでもやっているのかな?」

そう思っているうちに音は次第に大きくなり、自宅近くの道路から大勢の人の声が聞こえてきます。

外の様子を確認したAさんは、そこで初めて事情を知りました。近所で地域の秋祭りが開催されており、自宅周辺の道路が神輿や山車などの巡行ルートになっていたのです。

しかも、一度通過すれば終わりではありませんでした。時間を置いて再び太鼓や掛け声が聞こえ、そのたびにAさんは仕事の手を止めることになったといいます。

春の静かな住宅街しか知らなかったAさんにとって、まったく想定していなかった出来事でした。

Aさんにとっては「教えてほしかったこと」だった

祭りが落ち着いたあと、気になったAさんは地域の情報を調べてみることにしました。

すると、今回の秋祭りはその年だけの特別なイベントではなく、以前から毎年行われている地域の恒例行事であることが分かりました。さらに、自宅近くの道路も例年、神輿や山車などが通る巡行ルートになっていたのです。

「毎年、この近くを通るんだ…」

そこでAさんが思い出したのが、春に物件を内見したときのことでした。

当時は周辺も静かで、不動産仲介会社から祭りについて聞いた記憶もありません。

「静かな環境だと思って決めたので、毎年ある祭りなら物件を案内してもらったときに一言教えてほしかったですね」

静かな住環境を重視して物件を選んだAさんにとって、毎年決まった時期に周辺の様子が大きく変わることは、入居前に知っておきたかった情報だったのです。

翌年からは「祭りの日」を先に確認

Aさんは祭りが終わったあとも、その物件からすぐに引っ越したわけではありません。

「一年中うるさいわけではないですし、祭りがある時期が分かっていれば予定も立てられますから」

翌年からは秋祭りの日程を事前に確認し、在宅で仕事をする時間と重ならないよう、予定を調整するようになったそうです。

今回のように、住環境は「内見した日の印象」だけでは判断しきれません。平日は静かでも休日は人通りが増えたり、祭りや花火大会など、特定の時期だけ周辺環境が大きく変わったりする地域もあります。

また、地域の祭りや一時的なイベントが、すべて一律に重要事項説明の対象になるとは限りません。不動産会社がすべての地域行事を把握しているとも限らないでしょう。

一方で、暮らしに影響する恒例行事などを把握している場合は、案内時に伝えておくことで入居後のミスマッチを防ぎやすくなります。

静かな環境を重視する方は、内見時の印象だけでなく、地域の年間行事を調べたり、不動産会社へ季節による周辺環境の変化を尋ねたりすることも大切です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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