1. トップ
  2. 住まい
  3. 「張り紙をしても、翌朝には別の自転車が」来客用3台分を占拠…マンション理事が直面した“私有地の壁”

「張り紙をしても、翌朝には別の自転車が」来客用3台分を占拠…マンション理事が直面した“私有地の壁”

  • 2026.7.30
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場経験があり、マンション管理士の資格を持つライターのS.Kです。マンションで暮らしていると、共用スペースの使われ方が気になる場面はないでしょうか。

とくにエントランス周りは、ルールが乱れやすい場所です。今回は、来客用の駐輪スペースに部外者の自転車が置かれ続けた事例を紹介します。

毎朝現れる部外者の自転車

駅徒歩5分・総戸数50戸のマンションの2階に住むAさん(40代・会社員)は、輪番で選ばれた理事です。このマンションのエントランス脇には、来客用の平置き駐輪スペースが3台分あります。

ある時期から、部外者のものとみられる自転車が長期間置きっぱなしにされるようになりました。居住者の来客が停められない状態が続き、管理員が声をかけようにも持ち主は現れません。

やがて管理員から理事会に、現場の状況が報告されました。

「張り紙をしても、翌朝には別の自転車が増えています」

困り果てた管理員の報告を受け、Aさんたち理事は区役所に相談することにしました。

私有地の放置自転車は行政の撤去対象外

区役所の回答は「行政が撤去できるのは公道などの公共の場所に限られる」というものでした。マンションの敷地は私有地のため、土地の所有者や管理者の判断で対応することになります。

「すぐに撤去して処分するわけにはいかないのですか」

窓口でそう尋ねたAさんに、担当者は「所有者の許可を得ない処分は新たなトラブルを招く」と説明しました。法律には、権利があっても裁判などの手続きによらず自力で取り戻してはならないという「自力救済の禁止」と呼ばれる原則があります。

他人の自転車を勝手に処分すれば、逆に持ち主から損害賠償を求められるおそれもあるのです。

警告・保管・警察相談の手順で地道に解消

理事会は管理会社と協議し、以下の手順を決めました。

  • 警告札の貼り付け
  • 一定期間の敷地内保管
  • 警察への相談

手順は掲示でお知らせし、1台ずつ地道に対応を進めます。

無断駐輪は少しずつ減っていきましたが、最初の発見から解消までは数か月がかりの道のりです。焦って個人で自転車を動かさず、管理組合として手順を踏んだことが解決につながりました。

無断駐輪を見つけたら管理組合の対応に任せる

敷地内で放置自転車を見つけても、個人で動かしたり処分したりせず、まず管理員や管理会社に報告しましょう。警告と保管、警察相談という手順を組織として踏むのが、結局はいちばん確実です。

来客用スペースに利用札や時間のルールがあるマンションは、無断駐輪の抑止が効きやすくなります。自分のマンションの運用ルールは、使用細則や総会議事録で分かります。まずは手元の細則で、来客用スペースの決まりを確かめてみましょう。

参考:よくある質問と回答(放置自転車等の移動、保管・返還)(横浜市)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ