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「うちの車に…」2泊の温泉旅行から帰宅後、玄関に隣家から“メモ”が!?内容に頭を抱えたワケ【一級建築士は見た】

  • 2026.9.14
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「旅行から帰ったら、玄関に隣の方のメモが。お宅のベランダの竿が、うちの車に落ちましたって」

そう話すのは、2年前、郊外の住宅地に地元の工務店で注文住宅(4LDK・延床約118㎡/土地約148㎡、約6,000万円)を建てたCさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。

ある年のシルバーウィークに、家族で2泊の温泉旅行へ。連休後半は風が強まる予報が出ていましたが、「その程度なら」と気に留めませんでした。帰宅すると玄関ドアに隣家からのメモがありました。2階のベランダから落ちた物干し竿が、隣家の車の屋根に傷をつけていたのです。

瓦と物干し竿では扱いが違う

屋根瓦のような建物の一部が予想を超える強風で飛んで隣家に損害を与えた場合、不可抗力として賠償責任は生じないのが原則です。一方、物干し竿や植木鉢のように固定されていない物は、通常、予防や回避ができたものとして賠償責任が認められる場合があります。強風は、予報や注意報で前もって分かります。出発前に室内へ入れる余地があった以上、「留守だったから仕方ない」は通りにくいのです。

「個人賠償責任特約」の出番

頭を抱えたのは修理代でした。ここで出番になるのが、火災保険や自動車保険に特約として付いていることが多い「個人賠償責任特約」です。他人の物を壊したりケガをさせたりして法律上の賠償責任を負ったときの損害を補償する仕組みで、同居の家族全員が対象になるのが一般的です。

示談交渉を保険会社が担うサービス付きのものもあり、保険料は年数千円ほど。入っていることを忘れている家庭も多いのです。強風による飛来物も、管理の状態により法律上の責任を負った場合は補償の対象です。

Cさん夫婦はどう対応したのか

帰宅した日のうちに隣家へ謝罪し、傷の写真を確認しました。保険証券を確かめると、火災保険に個人賠償責任特約が付いていました。忘れていた特約です。保険会社に連絡すると補償の対象であることが確認され、示談交渉サービス付きだったため、修理の見積もり(塗装補修で数万円)や相手方との交渉も保険会社経由で進み、自己負担はゼロで済みました。隣家は「災害ですから」と穏やかで、関係もそのままです。

以来、旅行前には竿を室内へ入れ、鉢は床に下ろし、すだれと室外機カバーは外すようにしました。所要時間は10分です。

旅行前の確認が、隣家との関係を守る

連休の旅行は、暮らしの楽しみのひとつです。ただ秋の連休は、台風や強風の多い時期でもあります。以下を確かめてみてください。

・旅行前はベランダの竿・鉢・すだれ・自転車カバーを室内へ:固定されていない物は「片づけられたはず」と見られます
・建物の一部が予想外の強風で飛ぶのは不可抗力でも、置き物は別:留守中も責任は問われ得ます
・火災保険や自動車保険の「個人賠償責任特約」を確認:付いていることが多く、示談交渉付きも
・被害を出したら、まず謝罪と記録、次に保険会社へ:自己判断で示談を進めない

出発前の10分の片づけと、保険証券の確認。その二つがあれば、連休明けの玄関にメモが挟まることはありません。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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