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新築7階を購入したのに…8泊9日の旅行中、管理会社から“一本の電話”…30代夫婦が震えた“誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.9.15
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

「旅先で管理会社から『下の階に水が漏れています』って電話があったんです。うちはずっと留守だったのに…」

そう話すのは、8年前に新築の分譲マンション(3LDK・70㎡、約5,200万円)の7階を買ったMさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。結婚を機に夫婦で選んだ、初めての持ち家でした。

秋に8泊9日の旅行で空けていたところ、電話があったのは8日目の夜でした。その場で管理会社に頼み、玄関横のパイプスペースの元栓を閉めてもらいました。翌日帰宅すると洗面所の床は水浸しで、洗濯機の給水ホースが蛇口から外れていました。

ホースが外れたの休みの終盤で、下の階の天井に染みができたことで水漏れが発覚しました。入居時の説明会で「長く空けるときは洗濯機の蛇口を閉めて」と案内は受けていましたが、閉めた記憶はほとんどありませんでした。

蛇口を開けたままの、9日間

蛇口を開けたままだと給水ホースと接続部に水圧がかかり続け、数年で傷んだパッキンや継ぎ手からホースが外れたり、水が漏れたりします。在宅ならすぐ気づけますが、留守なら止める人がおらず、マンションでは床下から下の階へ伝わります。住戸内の設備からの水漏れは、その住戸の側が下の階への賠償責任を負うのが原則です。

下の階と、自分の部屋と

下の階は天井の壁紙と照明、家具が濡れて修理と弁償で約25万円。Mさんの部屋も床の乾燥と一部張り替えで約15万円かかりました。

分かれ目は保険です。火災保険の基本の補償では下の階への賠償は出ないのが一般的で、頼れるのは火災保険や自動車保険に付けられる個人賠償責任の特約です。ただし補償の範囲や条件は商品によって異なるので、証券や約款で確かめておく必要があります。

自分の部屋の分は、閉め忘れが原因だと補償の対象外となる契約もあり、Mさんも自費での修理となりました。

蛇口を閉めて、管理会社へ

帰宅した夜、閉め忘れたのはどちらかで夫婦の言い合いになりかけましたが、まず謝るのが先だと二人で下の階へ頭を下げに行きました。蛇口を閉めて元栓を戻し、管理会社にも礼を伝えました。火災保険に個人賠償責任の特約が付いていて、下の階の約25万円はそこから支払われました。

蛇口は、ホースが外れると自動で水が止まる緊急止水弁付きのものに交換しました(工事費込みで2万円ほど)。謝りに行った帰り道、どちらのせいでもないと二人で決めて、話はそこで終わりにしました。

長期間、家を空ける前に

マンションには、下の階の住人が気づいた異変を管理会社が知らせてくれる心強さがあります。契約によっては、留守宅の元栓まで閉めてくれます。一方で、水は数日で下の階まで届くからこそ、出発前のひと手間が欠かせません。

・少なくとも長く家を空ける前は、洗濯機の蛇口は使うたびに閉める
・ホースやパッキンは数年で傷むので、緊急止水弁付きの蛇口への交換も検討しよう
・住戸内の設備からの水漏れは、下の階への賠償責任を負うことになる。個人賠償責任の特約の有無と条件を証券で確認(補償内容は商品で異なる)
・帰宅して水漏れに気づいたら、止水→管理会社→下の階→保険会社に連絡の順で行う

シルバーウィークに、長期間、旅行に出かける方もいるでしょう。出かける前に、以上のようなチェックを忘れずに。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
行政で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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