1. トップ
  2. 暮らし
  3. 「なんと2時間後です」夏休みの観光地、高齢の女性グループが直面した“想定外の落とし穴”

「なんと2時間後です」夏休みの観光地、高齢の女性グループが直面した“想定外の落とし穴”

  • 2026.7.26
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役鉄道会社社員の福本明文です。

いよいよ本格的な夏休みシーズンを迎え、旅行や帰省の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。

旅行のスタイルは人によって実にさまざまです。出発時間から見学の所要時間まで、分単位できっちりと詳細な計画を立てるのが好きな人もいれば、あえて行き当たりばったりで気の向くままに動く無計画な旅を好む人もいるでしょう。ちなみに筆者は、ある程度のプランを組み立てつつも、一部は詳しく決めずに自由に動ける余白を持たせるハイブリッド型を好むタイプです。

しかし近年、全国的な公共交通機関の環境変化により、事前の下調べがないとスムーズに移動できないケースが増加しています。特に猛暑が続く近年の夏は、冷房の効かない場所での想定外の足止めが、思いのほか大きな負担になりかねません。

今回は、筆者が観光地の駅で勤務していた際に見かけた光景をもとに、公共交通機関の現状と、旅のプラン作りについてご紹介します。

観光地の駅で起きた2時間の待ち時間

筆者が観光地の玄関口となる駅で案内業務をしていた時のことです。ある日、高齢の女性グループのお客様から観光施設へ向かうバスの時刻についてお問い合わせを受けました。

しかし、その施設へ向かう路線バスは元々運行本数が少なく設定されており、残念なことに、乗るべきバスはついさっき出発してしまったばかりでした。時刻表を確認すると、次のバスが来るのはなんと2時間後です。その事実をご説明すると、お客様は大変驚かれた様子でした。

近くの別の停留所まで行くバスもご案内しましたが、そこから目的地までは急な坂道をかなり歩かなければならないとお伝えすると、やはり歩くのは避けたいとのことでした。また、観光地特有のタクシー不足もあり、すぐには配車ができない時間帯でもありました。結果として、そのグループのお客様は次のバスが来るまでの2時間、駅の待合室で過ごされることになりました。

減便や廃止が進む公共交通機関の現実

夏休みなどの繁忙期になると、旅行や帰省で普段その土地に慣れていないお客様が多数、駅を訪れます。こうした長期休暇の時期には、事前に時刻表を確認せずに駅へ到着し、次の列車やバスまで長時間待機することになるケースがたびたび発生します。

特に近年は、過疎地域などの地方だけでなく、都市部の郊外や有名な観光地であっても、利用者の減少や深刻な乗務員不足を背景に、列車や路線バスの減便、あるいは路線自体の廃止が進んでいます。かつては駅で少し待っていれば次のバスが来るだろうという感覚が通用した観光地であっても、現在では「1日に数本しかない」「土日になると極端に本数が減る」という状況が珍しくありません。

目的地の観光施設側もこうしたアクセス事情の変化を把握しており、公式ウェブサイトのアクセス案内などにバスの本数に関する注意書きを記載しているケースも少なくありません。それでも、旅行者側で事前の確認が漏れてしまうこともあるのです。

「無計画の旅」を成功させるための条件

行き当たりばったりの無計画な旅は、思いがけない発見や出会いがある素晴らしいスタイルの一つです。現在のシビアな交通事情を踏まえた上でこうした無計画の旅をするのであれば、一つだけおすすめしたいことがあります。それは、思うように移動できなかった時、それを楽しめる余裕を持つことです。

もし駅に着いて次のバスが2時間後だったとしたら、「じゃあ、予定を変えて駅前のあのお店で名物グルメを食べようか」「歩いて行ける別のスポットを先に散策してみよう」と、すぐに気持ちを切り替えて別の楽しみを見つける余裕があれば、無計画の旅はさらに充実したものになるでしょう。

逆に、もしそうした長時間の待機や予定変更を避け、限られた旅行期間内で目当ての施設をスムーズに回りたいと考えるのであれば、現在の交通機関の状況を考慮し、乗り換えアプリなどを駆使して、しっかりとした計画を立てることを強くおすすめします。

せっかくの貴重な夏の旅行の機会です。ご自身が「アクシデントや寄り道を楽しめるタイプ」なのか、「予定通りに効率よく進めたいタイプ」なのかを見極め、現在の交通事情に合ったスタイルで、素晴らしい思い出を作っていただきたいと思います。


ライター:福本明文
大学卒業後、鉄道会社に総合職として入社し、同業界に15年以上従事。鉄道部門だけでなく、タクシーやバス、小売りといった関連事業にも幅広く携わる。現在はWebライターとしても、広報を担当した経験を活かし、コラム記事の執筆からSNSへのコンテンツ提供まで多岐にわたって活動中。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ