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「外すと走れなくなる」は本当か?登録車のナンバー左上に付く“封印”…知られざる正体

  • 2026.8.3
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出典:PIXTA(※画像はイメージです)

愛車の洗車中など、後ろのナンバープレート左上にある銀色のキャップのような部品に気づいたことはないでしょうか。「ただのネジ隠しかな?」と思われがちですが、実はこれ、車の身元に関わる重要な役割を持っています。

今回は、この部品の正体や「外すと走れなくなる」という噂の真相、軽自動車には付いていない理由など、知っておきたい車の豆知識をひも解いていきます。

愛車の後ろ姿、ある「小さな部品」に気づいていますか?

愛車をすみずみまで丁寧に手洗いしているときや、休日のドライブに向けて荷物をトランクに積み込むときなど、ふと車の後ろ姿に目を向けることがあるかもしれません。その際、後部ナンバープレートの左上に、右側のむき出しになっているボルトとは形が違う、銀色のカバーのような部品が付いていることに気づいている方も多いのではないでしょうか。

一見するとデザインのアクセントや、単なるネジ隠しのように見えるかもしれません。ドレスアップパーツの一つだと思っている方もいるでしょう。しかし、この部品の正体は「封印」と呼ばれる公的なものです。主に一般的な乗用車などの登録車に取り付けられており、原則として軽自動車には付いていないという特徴があります。

すべての車に付いているわけではない、片側だけの少し特殊な部品。わざわざ左側だけにこのような部品が取り付けられているのには、車の管理に関わるしっかりとした理由があるのです。

ただのネジ隠しではない?封印が担う「愛車を守る」役割

実はこの封印は、国による正式な登録手続きを受けた証しとして取り付けられています。自動車検査証(車検証)に記載されている内容と、ナンバープレート、そして実際の車両が正しく対応していること、つまりそのナンバープレートが間違いなくその車のものであるという同一性を証明する役割を担っています。

もしこの封印がなければ、ナンバープレートを自由に取り外して、容易に別の車に付け替えることができてしまいます。そのため、封印はナンバープレートの不正な取り外しを防ぐという、非常に大きな目的を持っており、ナンバープレートの盗難や、別の犯罪に悪用されることを未然に防ぐための抑止力になっているのです。

普段は目立たない小さな部品ですが、見えないところで愛車の身元を守ってくれていると考えると、少し頼もしく見えてくるのではないでしょうか。

そして、愛車を守る重要な部品だからこそ、こんな噂を耳にしたことはないでしょうか。

「外すと走れなくなる」という噂は本当なのか

愛車を守る大切な部品であるという役割を知ると、「封印を外すと車が走れなくなる」という噂の真相が気になってくるかもしれません。

結論からお伝えすると、封印を外したからといって、車のエンジンがかからなくなったり、タイヤが動かなくなったりするようなことはありません。車の電子システムが異常を検知して機械的な走行機能が停止するわけではないため、アクセルを踏めば物理的に動かすことは可能です。

しかし、道路運送車両法という法律において、封印のない登録車は公道を運行してはならないと定められています。つまり、物理的には走ることができても、法律上は公道を走ることができない状態になってしまうのです。

車両の適切な管理や防犯上の観点から、こうした厳格なルールが設けられています。「外すと走れなくなる」という噂は、機械的ではなく法律的な意味において半分本当であるといえるでしょう。そして、先ほどから「登録車には」とお伝えしてきましたが、所有している車の種類によっては、この封印を見かけないケースもあるかもしれません。

なぜ軽自動車にはない?封印に隠された「刻印」の秘密

ご家族の車などで軽自動車にお乗りの場合、後ろのナンバープレートを見ても封印が見当たらないことに気づくはずです。最近では白い図柄入りナンバープレートを付けた軽自動車を見かけることも増えましたが、ナンバーの色にかかわらず、原則として軽自動車には封印がありません。

その理由は、登録車と軽自動車とで、車両を管理する制度が異なっているためです。登録車のナンバープレートは「自動車登録番号標」と呼ばれて国に登録されるのに対し、軽自動車のものは「車両番号標」と呼ばれており、軽自動車は登録車と同じ封印制度の対象から除外されています。

さらに、登録車の封印を近くでよく見てみると、表面に小さな文字が刻まれていることに気がつくはずです。これは単なるメーカー名などではなく、封印を行った管轄の運輸支局などを示しています。例えば、愛知であれば「愛」、千葉であれば「千」といった文字が刻印されています。

また、この封印は不正な取り外しを防ぐため、一度無理に外そうとすると上部が壊れてしまい、再使用がしにくい特殊な構造になっています。一度外すと壊れてしまうということは、万が一のトラブルの際には注意が必要になりそうです。

もしもの時はどうする?壊れた際の正しい対処法

一度外すと壊れてしまう構造である以上、事故や修理、あるいはナンバープレート周辺のお手入れなどで、意図せず封印が壊れたり外れたりしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

大前提として、所有者が市販のキャップを取り付けたり、接着剤などで補修してご自身で修理を済ませたりすることはできません。封印が破損したり紛失したりした場合は、運輸支局や対応可能な受託者などで再封印の正式な手続きを行う必要があります。

ただし、先ほどお伝えしたように、封印がない状態では公道を走ることができません。そのため、封印が取れてしまった車をそのまま運転して手続きに向かうことは避けてください。状況によっては、搬送車の手配や臨時運行許可番号標(仮ナンバー)を利用した移動などが必要になります。ご自身で動かす前に、まずは管轄の運輸支局や、自動車販売店、整備工場などに相談するのがもっとも安全な方法です。

普段は意識しない小さな部品ですが、車とナンバープレートの正しい関係をしっかりと守ってくれています。次に愛車の後ろを通るときは、ナンバープレート左上の封印と、そこに刻まれた文字を確認してみてはいかがでしょうか。



ライター:Masaki.N
自動車メーカーで車体開発エンジニアとして設計・先行開発に携わった後、マーケティング/市場リサーチ領域で商品導入・訴求設計にも従事。さらに自動車サブスク系ITベンチャーでマーケティングを担当し、ユーザー視点のコミュニケーション設計を経験。現在は自動車ライターとして、新車情報、技術解説、モデル比較、中古車相場、維持費、業界動向まで幅広く執筆。SEO記事・コラム・インタビューなど媒体横断で制作し、専門知識を生活者の言葉に翻訳して「買う/持つ」の判断を支援します。加えて、カスタムを含む実車取材・体験を通じて得た一次情報を記事に落とし込み、机上の知識にとどまらない“現場感”のある解説を強みとしています。


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